拙作「トモルオン」のお話の続きです。
(前回記事はこちら→)
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トモルオンのもとになった、「夜の石は天に昇り空ゆく星と会えた」の章立ては、0.~21.の全部で22。
意図的にそうしたのではありませんが、タロットの大アルカナの数と同じになりました。
大アルカナの並びを、世界(21)を旅する愚者(0)の物話ととらえるなら、登場人物自身(0)とその舞台(21)は、全体をあらわすものとして、本体からは除外できる……かもしれません。
そもそも「夜の石~」や「トモルオン」とタロットは、直接的には関係ありません。
こういうのは、いわば勝手な……「観立て」です。
ご容赦ください。
かくて、トモルオンの章立は20になりました。
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歯切れの悪い書き出しですが、0と21を外すという操作は、わざとそうしました。
正二十面体のサイコロを使うためです。
サイコロの出目はふつうコントロールできません。
出目は「神」の意志と考えられた……
というのは、ネットのどこか(wikiだったかな)の記事で見た話。
まあでも、そうだと思います。
「神」と言うより、普段意識することのない「自分」から伝えられた、「ポインタ」と言った方がより近いかもしれません。
この、普段意識することのない「自分」という「潜在意識」は、顕在的な自分を明示的・強制的にコントロールするようなことはまずしません。
とはいえ、たとえば夢(やサイコロ)などを通じて、示唆する程度のことはするようです。
直接的には言わないけど、間接的には「言う」。
「指す」わけです。
「ここを見ろ」と。
「指された」現実の流れを見ると、
次のような事が「書かれて」いると思えることがよくあります。
『あなたは独りではない』
もしくは、
『この世は無意味(虚無)ではない』
「指されて」、「見る(解釈する)」。
この一連の(おそらくは)記号論的過程は、
共時性(シンクロニシティ)と呼ばれています。
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20というのは魅力的な数です
(といって、他の数が魅力的ではないというわけではありませんが)。
5つある正多面体のうちでもっとも面の数が多い正多面体の面の数は20で、人間の手足の指の数の合計も20で、TMは朝晩20分づつやるように最初は指導されます。20はまた、13月の暦の紋章の数で、易との関係でいうなら、64ある大成卦のうちの三陰三陽の大成卦は20あります。易との関わりについては「トモルオン」では、付録で説明しています。
【トモルオン「付 易との関係について」より】
この話は後付けではあるのですが、ご興味のある向きはお読みいただければうれしいです。
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トモルオンでは6は人間の意識を象徴する数として観立てています。
前後左右上下。
6。
【トモルオン 1-2「破るべき制限」より】
一方、人間そのものを見るなら、四肢と頭部で5。
四肢と頭部は物理的に目に見える側面ですが、6はさらにそれに+1した数です。
そんなところから、6を、最初に物理的な側面を超える「なにものか」の象徴とみなしています。
正多面体の数も5ですが、下の図では「完全な」立体である球も含めて、半ばムリヤリ(笑)、6にしてあります。
「球」は超えるわけです。
フィジカルな正多面体(不完全な「球」)の次元である5を。
【トモルオン 0-21「愚問と風」より】
トモルオン(二版)では、この「球」を近似するものとして、六方正二十面体(120面体)をあてはめていて、各セクションに1~120の連番をふりました。
このことについてはカンタンに以前の記事に書きました。
【「トモルオン(二版)」口絵より】
球の「近似」として、六方正二十面体をあてはめるのは、甚だ粗っぽいともいえます。
粗すぎて、「近似」とすらいえないのでは……
でも実際に、ゴルフボール大の120面サイコロ(六方正二十面体)を手にしてみると、まあまあ球だという感じもします。
人間の感覚も、この無理矢理の「近似」と同様、粗っぽいということなのかもしれません。
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等身大の通常感覚と、それにもとづく経験だけでは、現実はまったくとらえどころがありません。
「物語」はその現実にカタチを与える方便ともいえます。
大袈裟でしょうが、トモルオンは、ひょっとしたら、正∞面体(球)という現実(宇宙)をとらえる120面体という「物語」なのかもしれません。
社会や教育や伝統、文化、国家、民族などもこの「物語」に含まれます。「物語」は個人を超えて受け継がれていきます。
人は「物語」というゲタを履くことによって、ようやく現実がわかった気分になれます。
安心します。
「物語」という一服の清涼剤で。
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最後に、本文は20章だけど、実は22あるトモルオンのキーワードをあげさせていただいて、とりあえず「トモルオン解題」の記事はしめさせてただきます。
【 】内は易から来たキーワードです。
0. 愚問【能動】 21.風【受動】
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1,約束【安定】 20.物語【閉塞】
2.光の海【犠牲】 19.探求【漸進】
3.出発【節度】 18.記憶【旅路】
4.世界【献上】 17.助言【感応】
5.旅【豊穣】 16.お告げ【離散】
6.理由【秩序】 15.贈り物【混沌】
7.結婚【装飾】 14.それぞれの道【困窮】
8.最後【追従】 13.珍客【修繕】
9.大切なもの【障害】 12.占術書【源泉】
10.瞑想【天恵】 11.隠者【恒常】
故辻麻里子さんによれば、22は超えて行くものだということになりそうですが、「トモルオン」もしょせんは方便、ということかもしれません。
「トモルオン」は、またイベントで頒布したいと思っています。その節はお運びいただければ幸いです。