前回の、拙作「トモルオン」という本のお話の続きです。
「トモルオン」は正20面体のサイコロひとつと正6面体のサイコロひとつ、合わせてふたつのサイコロをふって、出た目に対応したセクションを読んでいただくことになっています。
20×6で120のセクションがあることになりますが、基本的にはそれぞれに関連はありません。なので、サイコロを使わないで、テキトーに拾い読みしていただいてもいいわけです。
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前回のお話で出たビブリオマンシー(書物占い)のように利用するのであれば、サイコロを使った方がいいと思います。
というのは、同じオラクル・ブックを長いこと使っていると、どこに何が書いてあるか、身体が(あるいは潜在意識が)覚えてくるからです。特定のページに開き癖や折れ、汚れのような目印がついてしまうこともあるでしょう。
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トモルオンに構造はありますが、構成はありません。構成は読む人とサイコロが決めるからです。
構造とはいっても難しいものではなく、6重の正二十面体です。20という数が、ベースになっています。

【トモルオン 17-3「地図」より】
正二十面体の各面にはそれぞれキーワードがあって、これらのキーワードが一.~二〇.各章のタイトルになっています。
さらに各章には6つの層に対応した6つのセクションがあって、これらのセクションにもキーワードがあります。

【トモルオン 19-5「ワクワク」より】
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20と6という数は、こないだの文フリにトモルオンと一緒に持って行ったけど、これがまあ、ぜんぜん売れなかった「夜の石は天に昇り空ゆく星と会えた」という作品からきています。
「夜の石~」は、文フリのwebカタログの紹介では、アクティブイマジネーションの手法を利用したようなことが書いてあります。
「アクティブイマジネーション」はユング派の心理療法ですが、意識的に見る夢のようなものです。
夢は基本、個人的なものなので、これが、よく言われる「他人(ひと)の夢の話ほどつまらないものはない」理由でしょう。
とはいえ。
そんな夢の話であっても、うまいこと非個人的な領域に近いところにふれることができていれば、ひょっとしたら、ちょっとは[他の個人|ひとさま]にも響く部分も出てくるかもしれない……と。
まあ、うまくいけばの話ですが。
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「夜の石~」は0.~21.までの全22章の構成になっています。
書き終えてから眺めていたら、ある夜ふと、章の名前がなんとなく、オラクルカードのキーワードのように見えてきました。もちろん、故意にそのようにしたわけではありません。
キーワードをふたつづつペアにして、その元になるキーワードを連想していくというやり方をくりかえして、22のキーワードを「煮詰めて」みました。錬金術風に言うなら、「蒸留」し「第一質料」へと、「還元」していったわけです。
最後は一つのキーワードになりますが、「蒸留」していく過程で6つの階層ができました。

【22のキーワードと6つの階層(「黄色の書」より)】
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この構造をそのまま使って「チャネリング・ツール」を作ってみようと思い立ち、そうしてできたのが「次元羅針盤」という「ツール」でした。
せっかく書いたので、この場を借りまして、その「ツール」を、こそっと公開させていただきます……
ドキュメントのタイトルは、「黄色の書」です。
「黄色の書」は無償です。閲覧・複製・印刷・配布も自由です。
→黄色の書へのリンク
ご興味のある向きはごらんになっていただければと思いますが、チャネリング(という言い方も、もう旧いのかもしれないけれど)の指南書というわけではなく、あくまでもそれをサポートするという位置づけです。
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「黄色の書」=次元羅針盤は「ツール」とは書きましたが、作ってみたはいいものの、「サイコロで選んだキーワードから、メッセージを導きましょう」といった、普段使いにはちょっと無茶なシロモノになってしまいました。
もう少し説明があればいいんじゃないか……と考えて「黄色の書」をベースに書き始めたのが「トモルオン」です。
最初のうちは次元羅針盤のキーワードを情報カードに転記して、サイコロをふって使っていました。
結局、出てきたキーワードを、その日その時の質問に応じて、解釈して使っていました。
ならば、この「解釈」の方をまとめて本にすれば、少しは使えるものになるんじゃないか、と。
「夜の石~」を書き終えたのが、2018年で、黄色の書(次元羅針盤)を一応カタチにしたのが2020年。
トモルオン自体を書くのにイラスト(図)も含めて(過去絵も流用していますが)1年くらいかかっていますから、かれこれ3年。
コロナの影響もありますが、時間だけは、やたらにかかってます。
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ダラダラとよくやるよね、
とか言われそうですが……
稲垣足穂について、どなたかがおっしゃっていたことだと記憶していますが、足穂は自分の作品を工芸品のようにとらえていた節があって、ひとつの作品をちょっとづつなおしていって、仕上げようとしていたのではないか、それがあのバリアント(改作)の多さにひとつの要因だろう、という話でした。
足穂のようなすごい作家さんと自分を比べることなど到底できませんが、ぼくもそれにならって、ちょっとづつ、ディティールを加えたり削ったりしていたら、時間がたってしまったという……
実際に自分でも使いながら書いていったので、そういうところでも時間がかかっています。
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そんなわけで、この話も続きます。
もう少し、ダラダラさせていただければ幸いです。