ans005_021 蝶よりも軽く美しく | ぼくは占い師じゃない

ぼくは占い師じゃない

易経という中国の古典、ウラナイの書を使いやすく再解釈して私家版・易経をつくろう! というブログ……だったんですが、最近はネタ切れで迷走中。

ミケ様

飲み過ぎて落ち込んだり。
たまにはいいこともあって気分よかったり。
浮いたり沈んだりの、にゃんこ先生です。

お元気ですか。

   ☆

ここんとこずっと、「バリアントの流れ」の話をしています。「バリアントの流れ」はある大成卦の爻が下から順番に陰陽反転してしていく流れです。

この流れには一度に変じるのは爻ひとつだけという前提があります。爻は下から順番に変じていきます。

ところで、伝統的な筮法には

(1) 略筮法
(2) 中筮法
(3) 本筮法

があって、もっとも正式なのは(3)だけど、易システムでは(1)を基本としています。

なにがちがうのか。

筮法(占い方)がちがうのはもちろんですが、(1)では変爻の数がひとつだけなのに対し、(2)(3)は複数の変爻がでる可能性があります。
というより、変爻は複数になることの方が多い。

   ☆

易システムでは「バリアントの流れ」=「わたしたちが日常的に感じる時間の流れ」としています。

各大成卦で象徴される出来事が順番に起きていくということですね。それがわたしたちが普段認識している、時間だというわけです。

顕在意識はこの時間という頚木<くびき>から、逃れることはできません。

そういう枷<かせ>、すなわち制限こそが、顕在意識の機能であるとも言えそうです。
仮面舞踏会は仮面をかぶっているからこそ、おもしろい、ということです。

そんな状況下で、複数の変爻があるというのはどういうことなのか。

その意味を考えてみます。

それはつまり、いま起きている出来事をあらわすバリアント/大成卦から、「任意の」出来事、事象、状況をあらわす大成卦に、一足飛びに跳躍できる……ということじゃなかろうか、と思うわけです。


【fig049 任意のバリアントへジャンプする】

ゼランドのいう「トランサーフィン」は、ただ跳躍できるだけでなく、バリアントを「自由に選択できる」といっています。

前回話しましたが、バリアントの流れには32種類あります。通常ぼくらはそのうちのどれかの「輪」に乗っかってぐるぐる回ってます。

今いるバリアントに複数の変爻を生じさせて、任意のバリアントに跳び移れば、そこにはまた別のバリアント、そして、バリアントの流れがある。

そこからまた別のバリアントに跳び移り、また別のバリアントの流れに乗る。


【fig050 トランサーフィン】

トランジットしながらサーフィンするように、バリアントの流れという「とらわれの輪」に引っ張られることなく、コミュニケーション・スペースを軽やかに渡り歩く。

トランサーフィンのイメージはたぶんそんなようなものなのだと思いますが……

はい、ここで質問。

ほんとうにできるんでしょうか。

そんなこと。

……

つづく。


★ことば

<伝統>
(1)略筮法、(2)中筮法、(3)本筮法

変爻が複数生じる中筮法、本筮法は今回のトランサーフィンのお話とは、もちろん無関係です。

その違いは、之卦を得る場合に派生する大成卦の数が、略筮法では6なのに対し、本・中筮法では63(自分自身も之卦として含めるなら64。「之卦=自分自身」とは、変爻なしということ)と、単純に記号的な表現が広がるということと、儀式的な意義の重みが異なるということにつきると思います。

正式さ(儀式的重み)の度合いは、(1)→(2)→(3)で高くなります。
服装にたとえて言うなら、(1)カジュアル、(2)スーツ、(3)礼服といったところでしょうか。

このたとえでいうなら、筮竹を使わない無筮立卦などは、Tシャツレベルということになるのでしょうが、易システムではそういうふうにはとらえません。

易システムでは、筮竹を使わないで自分で道具を工夫したり、いやむしろ、いっさい道具を使わないで立卦する方が、「場」とよりよく同調できるととらえています。


★LINKS

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「(1)易システムハンドブックV2.02(最新(最終)はV2.03です)」は猫乃電子出版の田邉さんが根性で作成してくれたRomancer版(ブラウザで読める本)もあります(多謝)。
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