カンダタ | ぼくは占い師じゃない

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易のブログ……だったのですが、最近は白橋 升としての創作活動「遊星出版」の話題や日常雑記を綴っています。遊星出版のサイト(Googlesite)で作品を紹介しています。活動や作品の紹介はこちら(遊星出版公式サイト)→https://sites.google.com/view/yuusei-press

Kさんに荷物をだして
郵便局から駅に向かう途中スズメがいた
電話ボックスに閉じ込められて
最初はチョウかなと思ったけど

上半分しかないドアの
空いている下半分から
ガラスばりのボックスに
入り込んでしまったらしい

しきりにはばたき
ガラスにぶつかり
飛び立とうとしている
ガラスの向こうへ

ボックスに入って中から
上半分の扉を開けてやる
けど相変わらず反対にむかって
ジタバタ

しっしっと
外に開いた方に誘導してたら
勝手にスズメは出てった
どういうふうにだかは見落とした

カンダタ(*1)したなアと思いつつ
駅に向かって歩いていたら
鳥が一羽降りてきた
あまり身近にはこない鳥

すぐそばの
柵の上に降りてきて
首を傾げて
しきりにこちらを見ている

スズメより大きな茶色っぽい鳥
鳥も花も樹もその名前など
ほとんど知らないオレは
ほとほとザンネンなやつ

鳥はしばらく
歩いているオレが
さわれそうなくらい近くにいた
あとから思いついたことがある

あの鳥は
スズメから伝言されて
わざわざ
礼を言いにきた

考えてみればばからしい
オトギ話のような想い
けどあっていいんじゃないか
たまにはそんなことも

今はそんなふうに思ってる

(*1)カンダタ
芥川龍之介、蜘蛛の糸