天與水違行訟 | ぼくは占い師じゃない

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個人的かつマニアックな話が続いています。
今回は久しぶりに数少ない占例のうちからひとつ。
占例といってもぼくが占ったわけではなくて、出た卦の読み方を相談されたケースです。

ずいぶん前になりますが、旅行に関して卦をたてて「36:火水未済」が出て、全体的にはあんまりよくなさそうなんだけど、変爻は五爻で、爻位的にはわりといい感じで、これってどう判断したらいいの?
見合わせた方がいいの?

てなことをきかれことがありました。

   ☆

「36:火水未済」
(以下拙作ハンドブックより)

卦辞:
路はひらける。
子狐がほとんど河を渡り終えたところで尾をぬらす。
「よろしきところなし。」

五爻辞:
正しくあればよし。悔いはない。
君子の光あり。誠あり。
「よろしい。」

未済の判断

卦辞で「いいことなし」といっておきながら、爻辞(五)で「よろしい」とある。

卦辞を優先するか爻辞を優先するか。

おなじみの問題ですが、原則卦辞を優先します。
五は「子狐その尾をぬらす」という全体状況の中での、いちばんいいメッセージであると観る。
五の言っていることが「尾をぬらす」という結果を覆すことはないというわけです。
ここまでが教科書的判断。
あくまで原則です。

ぼくの判断ということになると、之卦は訟で、まず海外旅行という気がしました。

え、訟ってトラブルじゃないの?
なんで海外旅行なの?

これはぼく自身の経験で
(……って、もったいをつけるほどでもないんですが)
過去に何度か渡航する予定の方のことを占って、この卦が出たことがあったからです。
いずれの場合も別にトラブルはありませんでした。

それで今回も、訟だから即、争いやトラブルと観るというより、単純に「水(海)の上の天をいく」=Overseas tripであるということを、占の背景としてあらわしているだけ、いうふうに観ました。
とくにこの場合は訟は伏卦(之卦)ですし。

訟の意味するもの

ただ、行き先が紛争地域やその近辺、治安の悪い所であれば「訟」そのものですから、やめるという判断もアリです。

このような判断は得卦云々というより、常識的に考えてといったところでしょうか。

とくにアブナイところでなければ、見合わせるほどのことはないと思いました。

ただ本卦が「未済」なので、明確な目的がある旅である場合はその目的が完全に達成されない可能性があります。
目的がとくにない物見遊山的な旅であれば「尾をぬらす」程度の小難がある可能性があります。

帰りがけ旅の終わり頃はほっとしますので注意してください、ということになるでしょう(「子狐ほとんど河をわたらんとして」より)。
子供の頃言われましたよね、「ただいま~」といって家の玄関をくぐるまでが「遠足」だって。

いくいかないは以上のようなことを具体的事項にあてはめて判断することになります。

結局、この方は旅立たれましたが、その後の事は聞いておりません。
この辺のフィードバックをちゃんとしていないところがぼくのつめの甘さです。
だから占い師になれないんだと思います。
とほはへ。