正八面体の各頂点に、大成卦の各爻を対応づけた構造をながめていると、いろいろおもしろいことに気づく。
☆
大成卦は、八卦が2つ(上下卦)組合わさったものだが、下卦の初爻と上卦の四爻、下卦の二爻と上卦の五爻、下卦の三爻と上卦の上爻は、陰陽の組み合わせによってそれぞれ「応(異符号)」または「不応(同符号)」になる。
この様子を正八面体になぞらえて描くと、次の絵のようになる。
初—二—三でできた下卦のフレーム(実線)と、四—五ー上でできた上卦のフレーム(実線)が、応・不応の関係(破線)でもって組み合わされている様子が、立体的にわかっておもしろい。
陰爻と陽爻の連なりは、いかんせんノベタンに見えてしまいがちなので、こういうパースは新鮮である。
☆
同じ正八面体を別の角度から見てみる。
△初二三を手前に持ってきて、正面に。
正八面体をこの角度から見ると、見かけは、いわゆる六芒星、ダビデの星になる。
下向きの△初二三が下卦、上向きの△四五上が上卦に。
肉体と魂、魄と魂、ダイアードとトライアード、意識と無意識、人と神。
☆
実占ではあまり用いることはないが、大成卦の各爻を初爻からふたつづつ、初二は「地」、三四は「人」、五上は「天」、の位としてまとめて観るやり方あって、これを「三才観」という。
爻の位を観るバリエーションのひとつだが、このやり方で観ると、「人」の位にあたる部分が、正八面体の正方形断面(上向きの四角錐と下向きの四角錐の分割面)の対角線の一本に対応する。
この様子を観る限り、図形の基盤になっているのは、天でも地でもなく、「人」である。
線分三四=「人」が横たわる正方形(□二三五四)は、大成卦の要だ。
☆
直、方、大。
東西南北の方向をもつ豊穣な正方形の大地に四肢を投げ出して横たわってみよう。
人間の基盤は女性原理なのだ。
この女性原理、4、から1欠けると3、の男性原理になる。
3、三角形は男性性、4、正方形は女性性。
レガシーでも奇数は2で割れないから固い陽、男性であり、偶数は2で割れるから柔らかな陰、女性である。
正八面体は、4=正方形と、3=正三角形が組み合わさってできた、男性原理と女性原理の統合体でもある。
3+4=7は、6=六つの爻でできた大成卦を超えて、さらにその向こう側を目指す(6+1)数である。
☆
次回は、上述のどれともちがう、少々練金術的な話を。


