今回も「自分の大成卦」のお話をさせていただきます。
伏卦(之卦)は、大蓄になります。
【損の大蓄に之く】
卦辞をみてみます。
「誠ありおおいによし。とがめられることなし。ただしくあれ。進んでことをなしてよし。なにをもちいるか。質素な竹皿二つ。(拙作ハンドブックより)」
これから飲みにいくつもりです。
「質素な竹皿」がひっかかるけど……
まあいいか。
三爻の爻辞は、
「三人でいけば一人減る。一人でゆけば友を得る。」
一人で行きます。
「友を得る」。
だから、会えるってことでいいかな。
卦象をみても、三は二の陽爻に乗っているし、上爻とも応じてる。
イキオイのあるときです。
【三に乗り、上に応じる】
伏卦の「大蓄」は、それまでしばらく会えなかったので、その時間の長さをあらわしているのだろうと判断しました。
損は欠損につながる(下卦の兌も欠けたものをあらわす)のが、ちょっと気になりましたが山沢損は地天泰の三爻にあった陽爻が上爻に移動したともとれ(交代生卦)、陽爻を上爻位に献上したカタチとみました。
つまり、渡したいものをその人に渡せるだろう、と。
【損は泰の交代生卦】
うん、会える会える。
さあいこう、飲みにいこう。
まあなんていうんですか、
サケノミの日常占なんてこんなもんです。
誤占例ですから、その人には会えませんでした。
渡したいものは、お店の人に預けてきましたが。
その後、事情があってその人とはしばらく会えませんでした。伏卦大蓄が、「大いに待たされる」で、之く卦、なりゆき、文字通り「之卦」だったわけです。
☆
で、「自分の大成卦」の話です。
その、会いたかった人も易をやるのですが、その人が
「おれの卦は地天泰だあ」
とよく言っていたのを思い出しました。
その人の場合は、自分で自分のことを占うとよく出くわす大成卦だそうで、なんとなくその卦に親しみを感じていたんでしょうね。
へえ、おめでたい卦でいいですねー
なんて、テキトーに相づちを打ったりしてました。
後知恵なのでなんとでも言えるのですが、上の占例では、せっかく得卦、損が泰の交代生卦だということまで気づいたのですから、もう一歩ふみこんで、
「泰(その人)が損(欠損)していて不在、しばらく会えない(大蓄)。」
と、カタチ(象)だけで観れば、さっと読めてバッチリだったわけです。
とにかく早く渡したいという気持ちのバイアスがかかり、これから飲みにいくってんで、浮ついた気持ちで占った結果の誤占。
乗や応、卦爻辞の判断もすべてそのようなバイアスのもとで行われた……と考えるべきでしょう。
そんな反省もふまえて、「自分の大成卦」というものが占断のキーポイントになることもあるんだなあ、という例でした。
ではまた。


