たまにはちゃんと読めた例を。
ある土曜日、ある方から、
会いませんかという連絡がありました。
その土曜は仕事がたてこんでいて
時間がとれそうになかったので、
あくる日、日曜の昼にでも会って
ご飯でもたべましょうか、
ということになりました。
で、日曜。
約束の時間に間に合うように、
そろそろ準備を……というところで、
電話がなりました。
用事ができたので夕方にしよう、
というお話でした。
いいですよ、と答えたものの、
夕方までの時間がまる空き。
というより、ほんとうに今日、
その人と会えるのかなあ。
占ってみます。
(軽いなあ。相変わらず)
サイを振って得られたのは、
観の二爻変。之卦は風水渙です。
観(カン)の渙(カン)に之く。
で、カン、カン、
踏切みたいに音もそろっておもしろいんですが、
おもしろがってばかりもいられない。
一応、今日は空けてあるけど、
ただ待っているというのもいただけない。
やりたいこともあるし。
観の卦辞をみます。
「祭祀を行う。
不要な宴は行わず、誠実であること。
(拙作ハンドブックより)」
正直、よくわからない……
けど、「観」自体は概して静的な卦で、
勉強や見識を深めるようなことには
よいとされています。
で、二爻の爻辞は、
「すき間からうかがい観る程度。
柔順であればよい。(同上)」
観は、こちらは動かずにじっと観察する、
観る卦であり、各爻辞は
その観方のさまざまを描いています。
それが「すき間からうかがい観る程度」ですから、
なんだか今日はあまり会えそうにもありません。
あらためて、卦全体をみてみますと、これが「大艮」。
これは「大卦」という観方で、
大成卦全体をひとつのおおきな八卦として観るやりかたです。
初爻と二爻、三爻と四爻、五爻と上爻、
この3つのペアの陰陽がそれぞれそろっていることが、
大卦として観ることができる条件となります。
各々のペアをひとつの爻として観ると、
大成卦全体でひとつの八卦があらわされることになります。
言葉で書くとややこしいですが、
図示すればすぐにわかります。
大卦として観ることにできる卦は、
とうぜん、8種類。

「風地観」という大成卦をひとつの八卦として観ると、
そこにおおきな「艮」があらわれるというわけです。

でっかい艮。
艮は山で静止をあらわしますから、状況は動かない。
動かざること山のごとしです。
艮はひっくり返す(倒卦、リバース)と震になって、
震は「動き」あらわすわけですから、
まさに逆の意味になっておもしろいですね。
今回の占的には関係ありませんが。
この「大艮」が観えた瞬間に、
ああ、こりゃだめだな、
今日は会うことはなかろうな、と思いました。
いや、ほんとうのことをいうと、之卦から観ました。
どうもこれ、ぼくのクセみたいで、
本卦をみてちょっとわからないと
すぐ之卦をみてしまうんです。
之卦は「風水渙」で、これは離散集合の、
「離散」の方をあらわす卦です。
水面の波頭がくだけ散って、
風にとばされ空中に散じるカタチ(坎下巽上)。
集まっていたものが散じる、
この占的の場合は集まってさえいませんが、
なにが散るんだろう、と考えたときに、
ああこりゃ、会おうという「予定」が散るんだな、
とそう思ったわけです。
って、書くとかっこいいけど、
以前にも同じ人から同じようなお誘いがあって
同じようなことがあった(忙しい方なので)こともあり、
そういった推量も働いて、ま、今日は会うことはなかろう、
という結論に至り……
はたしてそのようになりました。
たまにはこんなふうに
ちゃんとよめることもあるんですね。
ではまた。