黄色いプラスティック製の書類カバン……というより、安物の、取っ手付き書類入れですね。
普段、持ち歩かないものなので、その前からお客さんのところに置き忘れたりして、兆候はあったのですが、いやしまった、電車に置いてきちまったか。
疲れてはいたけれど、とくに飲んで帰ったわけでもなかったのですが。
家までは、A線、B線を乗り継いで帰ってきたのですが、どこに置き忘れたかとんと思い出せない。
齢51にしてついにヤキがまわってきたわけです。
A線では立っていたから、手に持っていたはず。
B線だ。
B線に置いてきたんだ。
とりあえずJRの忘れ物係に電話します。
え?ない?
そうですか……
目立つものなので以前に忘れたときはすぐもどってきたんだけどなあ。
ま、いいか、読みかけの本を一冊、放り込んどいただけだもんな。
でも、また同じ本買い直すのもシャクだなあ。
占ってみます。
でてくるでしょうか?
頤の三爻。賁に之く、です。

なんの偶然か、頤も賁も最近ブログに載せた卦ですね。
最近とはいっても、それなりに時間はたっていますが。
おまけにこの「頤」はかみさんの失せもの占
また「口をあんぐり」びっくり、でも出てくるってことかな。
爻辞をみてみると、三爻は、
「養いの路に反する。その態度をつづけるのはよくない。」
うーん、なんだかあんまりよくない。
結局どっちなんだ、「からっぽの口」で、ケースだけ見つかって中身(本)がないってことかしらん、しかし、JRにきいても出てこないって、あんなもん持っていくヤツいるんかいな……
とにかくもう、ぜんっぜん、考えがまとまらなくて、なーんにもひらめかない。
じつはこいうことってよくあるんです。
とくに自分のことを占ったときで、気持ちが焦っているときです。
まあ、朝、出がけにサイを振ったんだから仕方ない。
おちつかないに決まっています。
易のカミサマにたいしては失礼きわまりない使い方をしています。
でもついついこうして甘えちゃうんですね。
そんでもって「よめない」、と。
とほほ。
ちょいと気持ちを落ち着けて、
昨夜の記憶をロールバックしてみます。
A線は立っていた、うん、これは間違いない。
B線では座った。端っこに座って、長椅子のしきりのところに挟むようにして、黄色い書類ケースを置いた。そして……
うんうん、ちょっとまて、そのあと駅前のスーパーに酒買いに行ったぞ、そんとき買い物かごにその黄色いケースを放り込まなかったか??
うーん、思い出せない。
まあ、行ってみるか。
通り道だし。
スーパーに行ってみたら、忘れ物として保管されていました。
スーパーの買い物かごに書類ケースを放り込んで買い物をして、レジ袋に買ったものを入れて、そのまま、なんていうんですか、あの自分で袋詰めする平台の上に書類ケースの方は置いてきてしまった、と。
あったあった。
よかったよかった。
それはいいけど、占って得られた「頤」卦はほったらかし。
易のカミサマに失礼どころか、ほとんど愚弄しているに等しい。
バチがあたるのもいやですが、たとえ後知恵であっても、ちゃんと読んでかたをつけておいた方がいいでしょう。
この場合は、八卦の意味で観ておいた方がよかったのかもしれません。
上卦は艮で静止。
下卦は震で動きをあらしています。
静止と動き。
上アゴは静止し、下アゴは動き、咀嚼という機能を果たすわけですが、この場合は、上卦は外側、つまり今手元にない遺失物、ということになりましょう。
艮=静止で、忘れ物はどこかにとどめおかれているというわけです。ちなみに艮は机、あの、袋詰めする平台のようにもみえますね。
下卦は手元、自分側ということですが、こちらは震で動きです。落ち着かない様子、とも観てとれますが、自分から動いてなんぼということでしょう。
三爻変で之卦は賁ですが、上卦は変わらずに下卦が、震から離になっています。
離は火でものごとが明らかになる様子。
こちらから動いて、明らかになる。
とどめ置かれていたもの(艮)が現れる(離)ということです。
まあ、後知恵なんでなんとでもいえるかもしれませんが、こうして一応けりをつけておくこともまた大切です。
プロの鑑定家の方には許されないと思いますが、アマチュアはこんなふうに読めないことも……
てか、卦が読めなくて、ほったらかしておくなんていうのは、アマチュアどころかシロートですな。
いやはや、お粗末。
失礼しました。