前回の続きですが……さっそく本題に。
☆ ツイストペア
易システムでは各爻の陰陽を反転してできる大成卦と、元の大成卦の組(ペア)を想定し、この組み合わせをツイストペアと呼ぶ。
このツイストペアが「見えない中心」を創りだし、それが自己の境界を拡大する足がかりになる話は「日本酒とツイストペア 」でも書いた。
このレベルは自己の境界が、皮膚で区分された肉体というレベルから初めてはなれていく段階であり、データ(経験)が蓄積されるメモリーは、個人的な記憶から、複数の個人で共有するなんらかの形式(グループのきまり、ふたりの約束、家訓、社風、一族の記憶・伝統など)へとひろがる。
【ツイストペアのレベル。見えない中心の形成と自己境界の拡大のはじまり】
☆ ファースト・オーダー(FO)
さらに、ツイストペアどうしがメッセージ交換 を行うと、別のツイストペアを生む。
このふたつのツイストペア、4つの大成卦で構成されるグループをファースト・オーダー と呼ぶ。
【FOのレベル。民族、国家、惑星意識。元型、集合的無意識、アカシック】
中心に示した「FO01、FO06、FO11、FO16」のグループは、純卦どうしのツイストペアがメッセージ交換を行って先天大成卦を生むプロセスであり、易システムでは純卦と先天大成卦をあわせて「ファウンデーション(基盤)」と呼ぶ。
☆ セカンド・オーダー(SO)
ゲリー・ボーネル氏のビジョンによれば、ダイアードは当初、特定の恒星系をはなれることはできない。トライアードのサポートによってか、あるいは自分で進化/深化することによって、レベルアップしてはじめて他の恒星系に移動することができるようになるという。
【SOレベル。恒星系意識】
つまり、基本的にはダイアードは特定の惑星/恒星系にひもづいているわけだ。
一方、易システムは前回 書いたとおり主にダイアード意識の進化を記述するものであり、したがって、易システムとしてどうにかこうにか具体的・実用的な意味をもつのもこのレベルまで、ということになる。
符号的には、八卦版ツイストペアの関係にある八卦をその下卦にもつ2つのファミリーがあつまって、ひとつのセカンド・オーダー(SO)を構成する。
「ファミリー」は共通の下卦をもつ大成卦の集合で、システム全体では「乾兌離震巽坎艮坤」で8つのファミリーがあり、おのおののファミリーには8つの大成卦が含まれる。
☆ サード・オーダー(TO)
【TOレベル。銀河系意識】
このレベルになると語る言葉はほとんどない。
符号的説明をコメントしておく。
このブログでは説明していないが、易システムでは、八卦を以下のように四元素にあてはめる。
それぞれの元素は先天図上で隣り合った八卦どうしである。
すなわち、
○ 乾・兌=風
○ 離・震=火
○ 巽・坎=水
○ 艮・坤=地
TO はさらに、この四元素のペアを下卦にもつファミリー大成卦の集合になる。
◎ TO1 =火・水
(火または水の八卦を下卦にもつ大成卦の集合)
◎ TO2 =風・地
(風または地の八卦を下卦にもつ大成卦の集合)
一般的にいって火(太陽)と風(天)は男性原理であり、水(太陰、月)と地(大地)は女性原理である。したがって、TO1、TO2 はそれぞれに男性原理、女性原理が配分されていることになる。その意味で、TO1、TO2 は男性・女性をこえたある種の統合原理といえるかもしれない。
☆ まとめ。というか……まとまんない。
さて、大成卦からはじまって、TP、FO、SO、TO……ときたわけだが、それぞれの「境界」がマスターマトリクス上でどのように展開するかを示しておこう。
【マスターマトリクス上のFO、SO、TO】
ご参考まで、というところだが、易システムを使用するかぎりにおいては、描写の対象がなんであろうとこの範囲から出ることはない。
64卦、384爻。
それがすべてであり、孫悟空が右往左往した釈迦のたなごころである。
なにも足されることもなければ、なにも引かれることもない。
そこから出て行ったものはいなし、そこへ入ってきたものもいない。
易システムから眺めるかぎり、
ぼくたちはそんな「世界」に住んでいる。