朝はいつも、
屋根がついた陸橋を渡って出勤します。
朝のことですので、
ぼんやりと歩いていたのですが、
陸橋の屋根の下、
ちょうど自分が歩いている正面あたりに
三羽の野鳥が騒々しく鳴きわめきながら
飛び込んできました。
三羽の鳥はお互いに
追いかけあうようにして
屋根の下でひとしきりじゃれあって
飛び去っていきました。
別になんていうことのない光景……
といってしまえばそれまでですが。
同じところをいつもとおっていて、
鳥がじゃれあう光景に出会うことは
そうそうなかったと思います。
珍しいといえば珍しいので、
卦をたててみました。
三羽の鳥の三をとって「離」。
騒々しいというところから「震」。
上卦=離
下卦=震
で、火雷噬コウ<コウは口へんに盍>という卦がたちます。
変爻は求めませんでした。
三羽の鳥がじゃれあっている、ふだんあまり見かけない光景が、
「火雷噬コウ」というコトバに変換されたわけですね。
なにを意味しているのでしょう。
一般的に噬コウは、
頤(イ=おとがい)から来ていて、
大きく開いた口(頤)に障害物(九四)が
入り込んでいるカタチです。
かみくだく、障害物を除く、あるいは口そのものなど、
おおよそ易卦というシンボルがそうであるように、
さまざまな意味にとれます。
占的(ターゲット)がはっきりしなければ、
意味はさだまりません。
で、そのとき考えていたことを、
ロールバックしてみます。
卦をたてたあと、
つらつら思い出してみると、
『玄関のカギちゃんと閉めたかな』
な~んてことを考えてたことに気がつきます。
よくあることですね。
火雷噬コウが、その想いに対する回答だとすると
ちょっとピンとこないですよね。
「かみくだく」ってなんのことだよ、
というわけです。
でも、意味でなく卦のカタチで考えて、
わかりました。
頤は口です。ばっくり開いた口。
扉みたいでしょ。
これ玄関のドアじゃないか、
と思ったわけです。
噬コウは頤に棒が一本入っているカタチ。
棒は閂(カンヌキ。漢字はおもしろいですね)。
ドアにカギがかかっています。
ちなみに八卦だと坎卦について、
同様の観方をすることがあります。
カンヌキのかかった門扉、ですね。
答えになっています。
『ちゃんとしまってるよ』
三羽の鳥はそういっていたのでした。
めずらしくストンと
「腑に落ちた」読みだったので、
記録ついでにアップロードしてみました。
いつもこんなにうまくいくとは限りません。
むしろうまくいかないことの方が多い。
易の世界であまた伝わる名人占のように
超人的アクロバット的にはいきません。
わかんなくて放り出してしまうことも。
まあでも、うまずたゆまず
続けていくことが大事かな、
とも思います。
とはいえ、
あんまりのめりこんで
車にひかれないように
しなければなりません。