先に書いたことと矛盾するようなタイトルですが、
先の書き込みは、イキナリ64卦で判断することを
否定しているわけではありません。
ただ、ムツカシーというお話をしたかっただけで。
もし特定の「問い」をずっとかかえていて、
その「問い」を、じっくり吟味する時間と、
心の余裕と、集中力があるなら、
こんな方法もいいかもしれません。
筮竹もサイコロもカードも使わないで、ご自分の判断で、
現在の状況をもっとも適切にあらわすと思われる
適切な大成卦をひとつ、「じっくりと」選びます。
あとは、この大成卦を様々に分析して、
現状の打開策を模索します。
漠然と「様々に分析しろ」といわれても困ると思いますので、
アプローチの仕方をいくつかあげておきます。
○之卦を観る
初から上爻まで、順番に、一回にひとつずつ陰陽を反転させていき、
そのつどできる大成卦を検討する(全部で6パターンできますね)。
○裏卦を観る
初から上爻まで、すべての爻を反転させます。
反転させて出来上がった大成卦の意味を探ります。
物事の背景や、隠れた意味を表すことが多いカタチです。
(かならずそうだというわけではありませんが)
文字通りウラの卦、「裏卦」といいます。
○倒卦を観る
大成卦全体を上下ぐるりとひっくり返したカタチ(大成卦)を観ます。
自分とは反対側、つまり相手の立場から観た、
ものの観かた・考え方などを考慮するときに観るカタチです。
錯卦ともいいます。
易システムではこのように、ひとつの大成卦を多重に読み込んでいきます。
上記では基本的なパターン三つを示しました。
他にもいくつか「多重に」見ていく方法がありますが、
それはまた折に触れ、別の機会に説明していきたいと思います。
本卦=井(コード番号:65)の場合を図に示します。
判断は、ふつうに占うときと同様でOKです。
ここでご紹介している方法と、ふつうに占うときとの違いは、
カードやサイコロを使って本卦を選ぶのか、
「じっくり自分で考えて選ぶ」のか、ということだけです。
と、こういえば「自分で選ぶ」ということがいかに難しいか、
すぐにおわかりになると思います。
まず、64卦すべての意味について、
おおまかにでも把握していることが前提になります。
それから、前にも書きましたが、
自分の思い込みや偏見を限りなく小さくして選ばなければ、
正しい判断はおぼつかないというところが、
なんといってもムツカシイ。
逆にいえば、それが難しいからこそ、
普段は、サイコロやカードを利用して、
色眼鏡を排除している、ともいえます。
それでも、判断の段階でどうしてもエゴのバイアスがかかり、
誤占ってことになってしまうことも多々あるわけです。
分析のヒントになるかもしれませんので、
「オズボーンのチェックリスト」を再掲載しておきます。
(2005年5月16日のログ「行き詰ったときはこれかな」より)
・転用したら?
・応用したら?
・変更したら?
・拡大したら?
・縮小したら?
・代用したら?
・置換したら?
・逆転したら?
・結合したら?
「考具(加藤昌治・阪急コミュニケーションズ)」より。