変爻がひとつ生じる方法(たとえば、八面サイふたつと六面サイひとつを使う方法など)よりも、
変爻が複数生じる方法(たとえば「道具のアレコレ5」で紹介した”Iching Sticks”で占う場合など)
のほうが、システムの原理にかなっていてよさそうだ、という話をしました。
2005年05月21日「変爻のハナシ」でお話したように、
大成卦は、占った問題に対する「全体状況」を表し、
変爻は、その状況下で、どのような「段階」にあるのかを示すものです。
この変爻が複数あるということは、その「段階」を特定できない、ということになります。
とくにもともとの易経には、各爻ひとつひとつに意味(コトバ)がわりあてられていますから、
そのコトバを特定できない、ということになり、困ったことになるわけです。
昔の人も同様のことで悩んだようで、12世紀後半に朱子学を大成した朱熹は、
以下のような原則を立てています。
(中国の思想 第7巻「易経」 徳間書店より
~話の内容に合わせて適宜簡略化して引用)
○ 変爻がまったくない場合
本卦の彖辞(たんじ:*1)で占う。
○ 変爻が1つの場合
本卦の変爻の爻辞(こうじ:*2)で占う。
○ 変爻が2つの場合
本卦のふたつの爻辞で占うが、上の爻を主とする。
○ 変爻が3つの場合
本卦と之卦の彖辞で占う。
○ 変爻が4つの場合
之卦のふたつの不変爻の爻辞でで占うが、下の爻を主とする。
○ 変爻が5つの場合
之卦の不変爻で占う。
○すべて変爻の場合
之卦の彖辞で占う。
引用した本には続けてこんなことが書いてあります。
「しかしながらこの原則にあてはまらない占例もあり、
かならずしも妥当とはいえず、早くから多くの異論が提出されてきた……」
さもありなん。
朱熹さんは、過去の占例を調べて(たぶんすごくタイヘンだったと思う)、
上記原則を導いたそうですが、これはちょっと……
上を主にしたり、下を主にしたり、
パッと見でもめんどくさそー。
でも、変爻が複数出る方法は使いたい……
ではどうするか。
それはまた次回に考えてみたいと思います。
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*1
彖辞(たんじ)は、
大成卦全体にわりあてられたコトバ(全体状況)で、
現在このブログでご紹介している各大成卦の意味は、
この彖辞をもとにぼくなりに解釈した結果です。
*2
爻辞(こうじ)は、各「爻」にわりあてられたコトバ(全体状況における段階)です。
「各」爻ですから、ひとつの大成卦に6つあるわけです。
易システム全体では大成卦が64パターンあります。
したがって爻辞は、6×64で384あることになります。
いずれすべて、ぼくなりに解釈した結果を提示する予定です。
384個のコトバ……
ああっ、いったいいつのことになるのやら。
ホントーにできるのか??