学校がおわり
いつものように
善光寺坂をくだる
六月の雨は
強くなったり 弱くなったり
やぶそばでもりを食べ
善光寺坂へとってかえす
界隈は昭和三十七年
六月の曇り空は
暗くなったり 明るくなったり
はじめて入る床屋
イスはふたつ
スタッフもふたり
おじさんとおばさん
余白が苦手で自分から声かけ
この前をよく通るんです
この四月から学校に
おじさんのウデはたしかで
見る間にアタマは白いグリーン
シッカロールとバリカン
洗面台は前のめり
おばさんが顔をあたる
耳そうじもマッサージも
最後のしあげは
おじさん
何年になりますか
ぼくと同い年
おいくらですか
三千えん
またきます
ひょっとしたら三年
あてにならない
やくそく
六月の路地は
鉢植えだけが
あざやか
20050617