2025年春季合宿(3/8-3/9 in和歌山)
梅の花がきれいに咲き始めた3月8日、9日にかけて春季合宿が行われました。毎回いろいろな場所で行われる(筆者は毎回それが楽しみでもあります)合宿ですが、今回は和歌山方面に行ってきました。真美ヶ丘、大宮、松井山手の順にバスに乗り、一路和歌山に向かいます。みんなこの2日間が待ち遠しかったのか、車内は自然と笑顔で溢れかえっています。本来は外でお弁当を食べる予定だったのですが、寒かったので車内でお弁当を食べました。みんなのお弁当がとても美味しそうで、見ているだけでお腹がいっぱいになりました。昼食の後はもちろん稽古です。更衣室で道着に着替え、武道場に向かいます。中に入ると、畳張りの大きな立派な道場でした。全員で黙想、礼のあと、神出指導員による号令で基本稽古が始まりました。みんな気合いが入っていて、道場内に大きな声が響き渡っていました。続いて補強、柔軟へと進んでいきます。道場生を見る市川師範の目が光ります。師範から、「茶帯、黒帯を目指す者は、補強も柔軟も満点を取れるようにならないといけない。みんなが憧れ、こんな先輩になりたいと思われるような先輩にならないといけないよ。」との檄に、「押忍!」と全員がその檄に応えました。続いては型の稽古です。帯ごとにみんなの前でそれぞれの型を披露しました。特に目立ったのは茶帯の型です。黒帯を目指す一歩手前の帯だけあって、それまでの色帯とは一線を画した見事な型を披露してくれました。見ていた道場生から自然と拍手が起こりました。次は、ジャンプ(跳び蹴り)の稽古です。自分の身長より高く設定された的に向かって、上級者は二段蹴りと跳び後ろ回し蹴り、初級者は二段蹴りに挑みます。みんな大きな気合いと共に次々に挑んでいきますが、なかなか難しい様子です。中には、的の高さを見て最初から諦めてしまう道場生もいます。そんなときに市川師範がすぐさま、「まず声を出しなさい。最初からできないと思っていたら、絶対できない。できなくてもいいんだ。やろうとするその気持ちが大切なんだ。」と声をかけます。それを聞いた道場生が気合いを入れて跳ぶと、なんと今まで当てられなかった的を蹴ることができるようになった道場生もいました。まさに気持ちが体を凌駕した瞬間でした。全員が跳び蹴りに挑んだあとは、防具をつけて組手の稽古です。「せっかくの機会なので、違う道場の人と組手をしよう。」という師範のかけ声で、茶帯の指示の元でみんな一斉に向かい合いました。そこから10セットほど組手を行いました。その中で茶帯の道場生が、「押忍、お手合わせお願いします!」と師範や黒帯の先輩に稽古をつけてもらおうとする心意気に感動しました。組手が終わり、最後に黙想・礼をして、稽古を終えました。充実した稽古だったことを物語るように、全員の顔が紅潮し、やりきった感が漂っていました。稽古終了後は更衣をし、海を見ながら20分ほど歩いていると、宿舎が見えてきました。宿舎前で人数確認の点呼の後に、班長・副班長・部屋割り等が発表され、班長の顔には緊張の色が浮かびます。師範より、「班長・副班長は班のメンバーが誰ひとり寂しい思いをすることのないようにしっかり面倒見てあげるように。」との言葉を受けて、班長達は、「押忍!」と一段と引き締まった表情になりました。夕食までの時間は自由時間です。みんなそれぞれの部屋でくつろいだり、団らんしたり、トランプ大会をしたりして、それぞれの時間を満喫しました。館内にはみんなの楽しそうな笑い声がこだましていました。いよいよ待ちに待った夕食です。なんと唐揚げがひとり5個もついていて、とても豪華でボリュームのある夕食です。尚義初段の「いただきます!」の号令の後にみんな一斉に食べ始めました。ごはんがふっくらとしていて、とても美味しく、聞いてみるとガスで炊いているとのことでした。みんなの食も進みます。とても食べきれないくらいの量にみんなおなかいっぱいになりました。夕食の後は班ごとに入浴しました。体を洗いっこしたり、お湯をかけ合ったりして、楽しい時間はあっという間です。こうして合宿一日目の夜は更けていきました。二日目の朝です。7時起床予定だったのですが、やはり子どもたちの朝は早く、早朝からひそひそ声が聞こえてきました。朝食までの時間にみんなで近くの海岸に散歩に行きました。朝焼けに照らされた海はとてもきれいで自然と心が和みます。みんな貝殻集めをしたり、飛び石ゲームをしたりして朝の海を満喫しました。朝食もとてもボリュームがありました。普段あまり朝食を食べない子もいっぱい食べる様子が見られました。中川晴渡1級の、「楽しむこととふざけることは違う。今日はみんな全力で楽しもう!」というかけ声でごちそうさまをしたあと、部屋に戻り荷造りを始めました。班長の号令の元みんなバスに乗り込み、宿舎の皆さんに見送られて出発しました。バスは一路和歌山県立自然博物館に向かいます。この博物館の展示コンセプトは「和歌山にこだわる!」で、 展示されているものほとんどすべてが和歌山に生息・生育しているものだそうです。みんな珍しい生き物や標本にらんらんと目を輝かせていました。自然を堪能したあとは、和歌山城に向かいました。動物園も併設されており、まずは動物園を楽しみました。アルパカやカピバラ、リスザル、鹿などが飼育されていました。みんな、「うわっ、見て見て、シカがいる!」と大きな声で叫んでいました。奈良県民なのに…(笑) 動物園を楽しんだ後は、古い木造階段を上っていき、天守閣に着きました。四方を見渡すことができて、街並みの向こうに紀ノ川から海につながる雄大な景色が見えました。 お城を見学した後は、お弁当による昼食です。ぽかぽか陽気だったので、芝生広場でみんなで食べました。自然の中で食べるお弁当はとても美味しかったです。 お腹いっぱいになった後は名残惜しいですが、和歌山城にお別れをして帰路につきました。帰りの車内はビンゴゲームで大盛り上がり、景品をもらった道場生は、「やったー!」と車内に響くくらいの歓声をあげていました。 そうこうしているうちに、解散場所に着き、みんなそれぞれ帰途につきました。 合宿に参加させていただいて思うことは、毎回みんなの目がキラキラしてバスを降りてくるということです。それはきっとこの1泊2日がみんなの心の中にいつまでもかけがえのない思い出となって残っていくからでしょう。みんなと一緒に稽古し、みんなと一緒にご飯を食べ、みんなと一緒にお風呂に入り、みんなと一緒に寝て、みんなと一緒に語り合い笑い合う。それだけ価値がある合宿だと思います。 次回の合宿も子どもたちのキラキラ輝いた目に出会えることを楽しみにしています。