大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

 

 

4月18日、うれしい気持ちで、奈良・大神神社(おおみわじんじゃ)へと向かいました。

業務の旅(出張)、2回目の報告です。

 

 くすりの神事へ、(わたしは)初めて参加させてもらいます。

 鎮花祭(はなしずめのまつり/別名:くすり祭)です。

 

 10時少し前に受付を済ませ、拝殿に入れてもらいました。

 出席者リストを見ると、他社や他組織の参加者は会長・社長・組織長が記載されています。

 

 えっ、知りませんでした。

 私は何の役にも就いていませんが、良いのですか?

 (来年は、社長に参加してもらいたいと思いますが)

 

 

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(わたしたちのように)

名古屋から、鎮花祭に参加されたかた。

 

 中北薬品の社長が、参加されていました。

 神事の合間か、終了後に、業務のことで声を掛けさせていただこうと思いましたが、何せ200名程の参加者があり、見失ってしまいました。

 

 内藤記念くすり博物館の館長も出席されていると知ったので、ご挨拶しようと思いましたが、やはり、お会いすることが出来ませんでした。

 (この施設での講演会でお世話いただいているK様も行っていたとのこと、後から連絡し、それが分かりました)

 

 名古屋の医薬品企業である天野商事社長と、伊勢久社長には、ご挨拶することが出来ました。

 漢方・生薬の講師をしていることを伝え、愛知県薬剤師会や卸協同組合などの会・講演会があるときは、声を掛けてくださいとお願いしました。

 

 

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大神神社(おおみわじんじゃ)

鎮花祭(ちんかさい/はなしずめのまつり)について。

 

(大神神社のパンフレット掲載の文より)

 

 鎮花祭は「薬まつり」とも云われ、毎年四月十八日に本社 大神神社と摂社 狭井神社の両社で行われる祭典です。

 

〈大宝律令〉

 国家の祭祀を定めました千三百年前の「大宝律令」には、「大神・狭井の二つの祭也。春の花飛散する時に在て厄神分散して癘を行ふ 其の鎮遏の為に必ず、此の祭有り、故に鎮花と曰ふ」とあり、春花飛散、百花繚乱の頃、疫神なるものが四方に分散し、流行病を引き起こす事から、これを鎮遏せんがため必ず行われなければならない祭典と制定されています。

 

〈崇神天皇と大物主大神〉

 この起源は当神社の御祭神、大物主大神に由来していて「古事記」には第十代崇神天皇の御世に、全国に疫病が流行して、多くの国民が死に絶えようとしたその時に、当神社の大物主大神が天皇の夢枕に立たれ「これは我が御心ぞ。故、意富多多泥古をもちて、我が御前を祭らしめたまはば、神の気起らず、国安らかに平らぎなむ。」とお告げになり、天皇は即座に神裔意富多多泥古を召して祭祀を行わせたところ、さしもの疫病も息んだと云うことからと云われます。

 

〈ご神威〉

 このことは、当神社の御祭神・大物主大神が、このような疫病、流行病などをどの様にも左右し得られるだけの強大な偉力を持った大神であることを意味し、国家の祭祀として重要視されたのです。鎮花祭は、当年の疫病の流行を鎮め、万民の無病息災を祈願する国家あげての大典として連綿として行われてきたのです。

 

〈狭井神社〉

 特に、大物主大神の荒魂をお祀りする狭井神社は古くから華鎮社・花鎮宮などと称し、もともとは狭井神社の特殊神事であったものが大宝律令制定により、本社でも併せて執り行われるようになったものと思われます。

 

〈少彦名大神〉

 また、日本書紀には「三輪の大神は、少彦名神と力をあわせ心を一にして天下を経営し、病を治す方法を定められた。」とあり、当初から少彦名大神をも薬の神様として崇め、当神社かの配神とし、祭祀されています。

 

 

大和国一の宮

三輪明神・大神神社(おおみわじんじゃ)

〈御祭神 : 大物主大神・おおものぬしのおおかみ〉

〈配 祀 : 大己貴神・おおなむちのかみ、少彦名神・すくなひこなのかみ〉

 

 

 

 

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

狭井神社(さいじんじゃ) ①

大神神社から、境内を歩き5分程の場所に狭井神社があります。

10時半に大神神社・拝殿で神事が始まり、その後皆で狭井神社に徒歩移動し、さらにそこでの神事を行いました。

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

狭井神社(さいじんじゃ) ②

神事前、朝の散策のときに撮影しました。

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

狭井神社(さいじんじゃ) ③

ここで湧く水は、病を治すほどの、きれいで おいしい水です。

ペットボトルに詰めて帰宅した後、お茶を淹れました。

とてもおいしいお茶になりました。

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

狭井神社(さいじんじゃ) ④

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

狭井神社での神楽(舞)

初めての神事参加でしたので、撮影して良いのか、分かりませんでした。

この1枚だけ、撮影しました。

 

神事に参加することが出来、とても良い経験になりました。

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

「薬租の神さま」の説明石版

 

 

 

 

 

 

大神大社は、ササユリの栽培を行っています。

 

忍冬酒・忍冬飴を授与品として用意しています。

(季節限定の授与で、5月3日には授与終了のお知らせがありました)

 

薬草への思いを持っている神社だと思います。

 

 

 

 

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

ボタン(冬牡丹/ボタン科 ボタン属 落葉小低木)

生薬名:ボタンピ(牡丹皮)  根の皮を用いる。

 

 奈良・大神神社の境内で咲いていたボタン、ちょうどが花の盛りを迎えています。

 名古屋はもう花期を過ぎようとしていますので、奈良は気候的に少し寒いため、春の訪れが10日程は後に来るものなのでしょう。

 

  ボタンは、中国西北部が原産、もとは薬用として古い時代に日本に渡って来たものです。

 中国・唐の時代(618~690年、705~907年)より後は、花の美しさから、多くは観賞用として意識されるようになりました。

 華美な花を咲かせるので、「百花王」「花王」とも呼ばれます。

  

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 タネが発芽しない事もあるので、子どもを産まないという意味で、名に「牡(おす)」の文字を使ったとされます。

 

 太平洋戦争前はタネから育てていたため、なかなか増やす事が出来ませんでした。

 そのため、高値で取引されていました。

 

 戦後は、シャクヤクを用いた接ぎ木での栽培が成功したため、市場に大量に出回るようになりました。

 20cm程の鉢植えが3月~4月に花屋さんやホームセンターで、2,000円程で販売されています。

 それを植える事が出来るので、各地にボタンの花咲く名所が出来ました。

 

 ボタンは落葉小低木、「木」です。

 ボタンは冬になると葉を落としますが、幹は残ります。

 

 花の印象が似ていて区別しにくいシャクヤク(芍薬)は、木ではなく、「草」です。

 そのため、冬になると地上に出ている部分はすべて枯れてしまいます。

 花の時期に見分けたいというかたは、樹皮があるかどうかを、確かめてください。

 (樹皮があればボタンです。シャクヤクは草なので、全体がやわらかな印象ですし、樹皮がありません。)

 

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 ボタンの根皮(生薬名:ボタンピ、牡丹皮)を、薬にします。

 それは表現が難しい、独特の香りです。

 鼻の奥が刺激される香り、春の香りを放つ土壌を思わせる香りです

 「わきあがる血の熱を抑える(例えば怒りによって感情が抑えられない、たとえば熱病によって鮮紅色の出血がある など)」という、クールダウンの働きをします。 

 

 漢方薬では、イライラ・のぼせを治す抗ストレス薬・加味逍遙散に、配合されています。

 血流促進し、チクチク痛(頭痛・生理痛)を治す桂枝茯苓丸にも、配合されています。

 

【 ボタンピ(牡丹皮)  性味:苦・辛、微寒  帰経:心・肝・腎  効能:清熱涼血、活血化瘀 

【ボタンピが配合される漢方薬: 加味逍遙散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 】

 

 

 

 

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

ギンリョウソウ(銀竜草/ツツジ科 ギンリョウソウ属 多年草)

※別名:ユウレイタケ(幽霊茸)

 8~15cm程の草丈、ギンリョウソウの花が咲いていました。

 白色の地上部がぬっと立っている状態なので、ユウレイタケ(幽霊茸)の別名でも呼ばれます。

 なるほど、目にすれば、寄生植物ではないか? キノコ類ではないか? の疑問を持ちます。

 

 森林下に生えます。

 日陰・木漏れ日の環境で生きています。

 菌(樹木が光合成により得る有機物を、分けてもらう・奪って生活の糧にしている)から栄養を得て、生活しています。

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

ギンリョウソウ ①

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

ギンリョウソウ ②

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

ギンリョウソウ ③

 

 

 

 

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

お昼ごはんをごちそうになりました。 ①

三輪山会館で、食事をしました。

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

お昼ごはんをごちそうになりました。 ②

おいしいお弁当を、いただきました。

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

能舞台

三輪山会館にある、りっぱな能舞台。

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

ご神体である三輪山

三輪山会館より見られる、三輪山の風景。

 

 

 

 

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

大鳥居を見るために、歩いて移動します。

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

この後の業務のための打合せをするため、喫茶を探しています。

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

大鳥居

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

大鳥居前にある、大きな石灯篭。

右に見えるのは御神体である三輪山

 

 

 大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日

三輪山(右)と大鳥居(左)

 

 

 

 この日は、大神神社(おおみわじんじゃ)の神事、鎮花祭に参加するため、奈良に行きました。

 わたしは初めての参加、良い経験をさせていただきました。

 

 この神社は、古来の薬である、生薬(植物の薬としての使用)に理解があります。

 ササユリ(生薬名:ビャクゴウ)の栽培に取り組んでいます。

 スイカズラ(生薬名:ニンドウトウ、キンギンカ)を、参拝者への授与品(忍冬酒・忍冬飴)としています。

 また、境内の一部を「くすり道」として、薬草・薬樹を植えています。

 

 役に立ちたいと思い、事前に薬草花のパネル(ササユリ・ニンドウの花画像を含め)を、45種ほど(計50枚ほど)送りました。

 

 神社の関係のかたからは、「今日、神前に供えられた、各社から提供されたお薬とともに、展示させてもらいました」と聞いています。

 今後も、薬草・漢方の分野で、何か協力出来ることがあると良いと思います。

 先方様から頼られるとうれしいので、まずは注目いただけるように、こんな方法をとりました。

 

 

大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日 ササユリ 加藤久幸

お送りした薬草パネル・ササユリ ①

 

 

大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日 ササユリ 加藤久幸

お送りした薬草パネル・ササユリ ②

 

 

大神神社(おおみわじんじゃ) 鎮花祭 2023年4月18日 ササユリ 加藤久幸

お送りした薬草パネル・ササユリ ③

 

 

 

 

 

⇒ 大神神社/奈良への業務旅 ① にもどる

 

 

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【 今後のズーム講演会(無料)のご案内 】

 

 

ズーム花講演会 街で見られる薬草の花 (加藤久幸) 2023年4月

⇒ 5月の ズーム花の講演会・無料(街は薬桑園)

  街で見られる薬草の花を、詩・小説・ジブリアニメを引用し説明。

  それが実際に漢方薬に用いられているとき、あなたの健康のために役立つ用い方も説明。

  5月17日(水) 午前9:30~11:15

  5月19日(金) 午後1:30~3:15

※お花に興味があるかた、薬草・漢方に興味があるかた、どうぞお申込みください。

 

⇒ 昨年の愛知県薬剤師会での講演会を、さらに情報量を増やして今回の講演会資料を作りました。

 

 

 

 

 

 ズーム漢方講演会 疲労の漢方 (加藤久幸) 2023年4月

⇒ 5月のズーム漢方講演会・無料(あぁ疲れた… そのときの漢方)

  疲れると、そのとき起きる他の不調。漢方で、あなたを救う方法。

  5月24日(水) 午前9:30~11:00

  5月26日(金) 午前1:30~3:00

※疲れが抜けない… と困っていらっしゃるあなたへ。 漢方の方法での対応をお伝えします。

 

 

 

 

 

 ズーム漢方講演会 梅雨時の漢方/お天気頭痛・気象病 (加藤久幸) 2023年5月

⇒ 6月のズーム漢方講演会・無料(梅雨の時期、あなたを救う漢方)

  雨の日の頭痛(気象病)・身体のだるさ・疲労・神経痛 などでお悩みのかた

  6月14日(水) 午前9:30~11:00

  6月16日(金) 午前1:30~3:00

※みなさんが思うよりも、早く改善します。

 

⇒ 昨年行なった、似たテーマの講演会・資料

(今年の講演会は、新たに作成する資料で講演行います)