続いて、午後5時頃に、都市庭園・フラリエ(名古屋市・栄)に行きました。
フラリエの風景
《8:40 名古屋発 ⇒ 9:40 内藤記念くすり博物館(岐阜県 各務原市) ⇒ 12:20 くすり博物館発 ⇒ 岐阜タンメンで急ぎ昼食 ⇒ 14:10 東山動植物園(植物園) ⇒ 16:45 東山植物園を出る ⇒ 17:05 フラリエ》
昨年お世話になった、〇〇大学の薬用植物園に携わる先生とともに、この日は行動しています。
きょうの、日の終わりが近くなりました。
もうひとつ、都市庭園をご案内しました。
フラリエの風景 ➀
池があります。
そろそろスイレンが咲いて、モネの絵画のような風景になります。
フラリエの風景 ②
久屋大通庭園 フラリエ(旧名:ランの館)
フラリエは、名古屋の繁華街・栄の南端にあります。
松坂屋からゆっくり歩いて、10分程の位置にあります。
ここは、入場無料です。
「都市の花庭園」「都市のオアシス庭園」とでも名づけたほうが、お客様が訪れやすい気がします。
「花と緑に包まれたライフスタイルガーデンを お楽しみください」と、公式ホームページトップに書かれています。
バラ・ハーブ・園芸品種を中心に、整備された庭園です。
名古屋都心にあって、欧州風の庭園風景を、美しい花風景を、楽しむことが出来ます。
ときに異都市の風景を思って、ときに欧州の画家の気持ちになって、この風景を楽しんでいます。
バラ(薔薇/バラ科 バラ属 低木、もしくはつる植物)
バラは美しい花です。
花の形も、その色合いも、さまざまな種類(品種)があります。
主産地はチベット周辺や、中国雲南省からミヤンマーにかけて。
北半球の温帯で広く自生している植物。
長い花期、そして鋭いトゲを持つのが特徴です。
この名前は、茎にトゲのある状態をいう、「イバラ(茨)」が転訛したものです。
バラの花は、香水に、ハーブティーに、香辛料・薬味に、蒸留してローズウオーターに(加工)、用いられます。
古代バビロニアに栽培の記録があり、エジプトの女王・クレオパトラが、ローマのユリウス・カエサルを迎えた時も、歓迎のために大量のバラが用いられたとされます。
中世ヨーロッパではバラは民衆を惑わせるとして栽培が禁じられましたが、ルネッサンスの頃には栽培が行われるようになりました。
美しいバラの花 ①
美しいバラの花 ②
美しいバラの花 ③
バラを積んだミニ・トラック ①
たくさんのバラの株が、販売されていました。
バラを積んだミニ・トラック ②
バラを積んだミニ・トラック ③
バラを積んだミニ・トラック ④
クレマチス ビエネッタ(キンポウゲ科 クレマチス属 落葉つる性木本)
クレマチスの園芸品種です。
個性的で美しい花姿。
(フロリダ系、早咲き大輪系)
花の色は、紫色・白色・緑色で構成されています。
ジギタリス(和名:キツネノテブクロ/オオバコ科 ジギタリス属 一・二年草、多年草、低木)
ジギタリスの花が、美しく咲いていました。
ジギタリスの和名は、「キツネの手袋」。
新美南吉(にいみなんきち)さんの童話、「手袋を買いに」を思い出します。
子ぎつねが、人間の町に手袋を買いに行くという物語です。
(母ぎつねは、子ぎつねが冬の寒さで凍えないと良いと思いました。子ぎつねに硬貨を渡し、人間の町に、子ども用の手袋を買いに行かせます。ひとに捕まらないよう、片方の手だけ“ひとの子どもの手”に見えるように魔法をかけて送り出します。その手で硬貨を渡せば良かったのですが、魔法をかけていない きつねの手で、硬貨を渡してしまいます。手袋を売るお店のおじさんは、驚きました。物語はその後、どうなったでしょうか…)
花壇で育てられているのも目にはしますが、高温多湿にやや弱く、暖地での栽培は難しいようです。
地中海沿岸を中心に、中央アジア~北アフリカに分布するもので、欧州では20種ほどが見られます。
日本では、花壇・植物園で好んで育てられており、愛らしいイメージで捉えられています。
(狐の手袋というくらいなので)。
しかし原産地の欧州では、暗く寂れた場所に咲くこともあるため、どちらかと言えば不吉な植物と捉えられています。
ドクダミ(蕺/ドクダミ科 ドクダミ属 多年草)
生薬名:ジュウヤク(十薬) ※地上部を用います。
ドクダミは、白色・黄色の清楚な花を咲かせます。
その美しさに見とれて近寄ると、独特のにおいに驚きます(なまぐさい魚のようなにおい)。
ただ興味深いことに、葉・茎・花も乾燥させれば、嫌なにおいは消えるのです。
水を加えて短時間煮立てれば(黄色の液体)、健康茶になります。
30分以上煮立てれば(褐色の液体)、便秘を改善する薬になります。
健康茶とすることが多いのですが、身体が冷えやすく下痢がちなかたは、用いないほうが良いでしょう。
(ただ、他の植物素材と混和した健康茶なら、瀉下効果が薄められるので、日常で継続服用されても良いものでしょう)。
食品として流通するものはドクダミと、医薬品として流通し一定の品質基準を保つものはジュウヤク(十薬)と表示されます。
ニキビが出ているかたにお茶(十薬茶)の服用をおすすめしたことがありますが、肌に跡を残さず治まり、とてもうれしく思いました。
ドクダミの花
こんもりとしたドクダミの一団、休憩所の前で。
ランの花が展示されていた屋内
(期間限定でした)
フラリエの風景 ➀
フラリエの風景 ②
フラリエの風景 ③
フラリエの風景 ④
手前の草は何?
後日再訪し、どんな花が咲くのか確かめます。
フラリエの風景 ⑤
フラリエの風景 ⑥
結婚式のための、前撮りでしょうか?
新郎さん、新婦さん、これからどうぞお幸せに。
オリーブ(モクセイ科 常緑高木)
オリーブはたくさんの花をつけ、それは秋にたくさんの果実に変わります。
(未熟果は薄緑色、成熟すると赤味を帯び、完熟で黒色になります)
地中海沿岸を原産とする植物、明治11年のパリ万博で入手した株が、日本に運ばれた最初のオリーブとされます。
オリーブの果実は、熟すと、緑色から濃黒赤色に変わります。
生食すると苦味がありますが、加熱するか、塩漬けにすれば、苦味が和らぎ食べることが出来ます。
果実を絞ると、(かんたんに)オリーブ油が採れます。
酸化され難いオレイン酸を含み、食用の他に、化粧品や、石鹸に加工されます。
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日本では最初に、神戸で栽培が始まったものですが、都市開発でオリーブ園は廃されました。
その後、瀬戸内海の小豆島でオリーブ栽培が成功したものです。
オリーブの果実は柔らかく、それを指で押しつぶすだけでも、油分がとれます。
このように搾油がかんたんに出来るのも、オリーブ・オイルを、世界に広めた理由のひとつなのでしょう。
⇒ オリーブの花2022年(過去のブログ)
⇒ オリーブ・オイル 世界に広まった理由(過去のブログ)
⇒ オリーブの花(名古屋 フィラリエ)(過去のブログ)
⇒ オリーブの果実(名古屋自宅の近くで)(過去のブログ)
ブラシノキ(フトモモ科 ブラシノキ属 常緑小高木)
別名:カリステモン(属名のラテン名)、ハナマキ(花槙)、キンポウジュ(金宝樹)
オーストラリア原産の木で、観賞用に栽培されます。
花序全体が、赤い「ブラシ」のように見えます。だから和名も、ブラシノキとなりました。
森林火災が起きると果実が割れて、中にある粉状の種子が舞い飛んで、生活範囲を広げます(また、生き残りの方法でもあります)。
フラリエの風景 ⑦
花の風景。
フラリエの風景 ⑧
夕景の、都市庭園。
忙しい1日が終わりました。
植物ざんまいの、楽しい一日でした。
(くすり博物館 ⇒ 東山動植物園 ⇒ 都市庭園・フラリエ)
このあと、17:40頃、お客様を名古屋駅までお送りしました。
楽しんでいただけましたでしょうか。
(お連れした先生も、ブログをご覧いただいた皆様も)
お疲れを残されませんように。
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⇒ 5月19日①(くすり博物館・特別展など/ウイルスへの対策) にもどる
⇒ 5月19日②(くすり博物館・常設展) にもどる
⇒ 5月19日③(くすり博物館・薬用植物園) にもどる
⇒ 5月19日④(東山植物園/屋外の花) にもどる
⇒ 5月19日⑤(東山植物園/温室の花) にもどる
⇒ 植物ざんまいの一日5月19日⑥(都市庭園・フラリエ/最終回)
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【 都市庭園・フラリエ/訪問歴 】
⇒ フラリエの風景(2021年5月6日) 過去のブログ
⇒ フラリエ バラの花香る都市公園(2022年5月4日) 過去のブログ