続いて、植物園(東山動植物園)の温室内の花たちを、見ていただきます。
東山植物園(東山動植物園)の、温室を見学しました。
温室の、南国植物たちをご覧ください。
《8:40 名古屋発 ⇒ 9:40 内藤記念くすり博物館(岐阜県 各務原市) ⇒ 12:20 くすり博物館発 ⇒ 岐阜タンメンで急ぎ昼食 ⇒ 14:10 東山動植物園(植物園) ⇒ 16:45 東山植物園を出る ⇒ 17:05 フラリエ》
ここは、前回の56回大会が盛大に開かれるはずの場所であり、コロナ流行がなければ、多くの協会員さんが集うはずでした。
昨年お世話になった、〇〇大学の薬用植物園に携わる先生とともに、この日は行動しました。
温室で見た、花のイベント ➀
出荷出来ない花々を、水に浮かべ・砂地に置いて、美しい花模様を作っています。
「茎がまっすぐではない」「丈が短い」などの理由で出荷出来なかった花たちを用い、このように花をデザインしています。
今風の、「映える展示」には、なっています。
花を用いた、映える展示。
植物園は、命を伝える場所です。
この展示が、良い・悪い、さまざまな意見が出て良いと思います。
若いかたが植物園に足を運んでくれる、その一助になれば良いと思います。
(若い世代が、植物園にはなかなか足を運ばない現実があります)
温室で見た、花のイベント ②
花たちを、水に浮かせています。
花温室で見た、花のイベント ③
花温室で見た、花のイベント ④
花温室で見た、花のイベント ⑤
こんどは、砂を用いた展示です。
花温室で見た、花のイベント ⑥
花温室で見た、花のイベント ⑦
バラ(薔薇)の花の命。
花温室で見た、花のイベント ⑧
黄色系の花の命。
花温室で見た、花のイベント ⑨
奇想天外(きそうてんがい/ウエルウイッチア科 ウエルウイッチア属 裸子植物)
アフリカのアンゴラや、ナミビアのナミブ砂漠で見られる植物です。
極度に乾燥した地域で、生きています。
(ナミブ砂漠の北に広がる、カオコランドと呼ばれる地域の固有種です)
20年程前、大阪の「さくやこの花館」で、最初にこの花を見ました。
(新聞報道がされ、興味をひかれました)
1859年にオーストラリアの探検家により、アンゴラ砂漠で見つけられた植物。
希少で、生育地では保護されています。
奇想天外の、説明看板
ホットリツㇷ゚ス(アカネ科 サイコトリア属 常緑小低木)
アフリカのアンゴラや、ナミビアのナミブ砂漠で見られる植物です。
中米から南米北部の熱帯雨林に見られ、3m程に伸びる株もあります。
受粉のため、(虫ではなく)鳥を呼ぶのですが、その上向きの花が、赤くぼってりした唇(総苞)のような形をしています。
だから、ホットリップスと呼ばれます。
地元新聞(中日新聞)にも取り上げられたため、この花を目当てに植物園に来られたかたもありました。
ホットリップス ②
ほんとうの花の部分(管状花でしょうか?)は、黄色い部分なのですね。
ホットリップス ③
全体の姿は、このような感じです。
ホットリップス ④
説明の看板です。
「情熱的な赤い唇」の言葉、皆さんが興味を瞬時に抱いてくれそうな、よい表現です。
ブーゲンビリア(筏葛、九重葛/オシロイバナ科 ブーゲンビリア属 熱帯性の低木)
あざやかな花色はブーゲンビリア、南国の風情をかもし出しています。
1768年にブラジルでこの花を見つけたフランス人探検家、ブーガン・ヴィルの名が、植物名の由来です。
インドの医学・アーユルヴェーダでは、葉を煎じて飲むと糖尿病に良いとされ、用いられます。
誰もが「花びら」だと思う色あざやかな部分は、花をとりまく葉(包葉)です。
原産地は、中央アメリカ・南アメリカの熱帯雨林です。
夏に花壇でオシロイバナが見られますが、このブーゲンビリアも、オシロイバナ科であるのが興味深いです。
ヒメアリアケカズラの花
タマゴノキ
サクラランの花
メボウキ (目箒/シソ科 メボウキ属 多年草、日本などの寒い場所では一年草)
※バジルと呼ばれます、バジリコとも呼ばれます。
メボウキという名前より、バジルという名称で、知られています。
葉を口にすると、さわやかな香気があります(独特のもの)。
イタリア料理では、パスタ・ピザ・サラダ・ソースなど多用される野菜として知られます。
メボウキ(目箒)という日本名は、この種子を水に浸けるとゼリーのような状態になって(グルコマンナンを多く含む)、それを、目に入ったゴミをとるために用いたため、メボウキと呼ばれるようになりました。
ソゴウコウノキ(蘇合香の木/マンサク科 属 落葉高木)
生薬名:ソゴウコウ(蘇合香) ※ソゴウコウノキ(蘇合香樹)の樹皮を傷つけて得られる樹脂を用いる。
葉は、手のひらを思わせる形です(5つに分かれています)。
日本でも見られるフウの木の仲間(同属)、初夏に樹幹に傷をつけると、樹脂のようなものが樹皮につきます。
秋に樹皮をはぎ取り、後により分ける事で、樹脂を採取します。
清涼感のある香りを強く放つので、香料としても知られています。
日本には、香道が盛んになった室町時代に入って来たとされます。
「気つけ ・ 心臓の働きを助ける」などの働きを期待して、用いられます(生薬名:ソゴウコウ)。
日本では、医薬品とはされていませんが、中国ではそのように用いられます。
サプリメント製品の一部に、この配合製品があります(田七人参を主原料とした、吉祥蘇霊廣・きっしょうそれいこう など)。
花が咲く姿を、見たいと思っています。
【 ソゴウコウ(蘇合香) 性味:甘・辛、温 帰経:心・脾 効能:開竅、解鬱、化痰 】
【 ソゴウコウを配合した漢方薬 : 蘇合香丸(そごうこうがん) など 】
ゴエテア・ストリクティフロラ(アオイ科)
マツノユキ(ツルボラン科)
これも、印象的な花ですね。
砂漠の地にでも生えているのでしょうか。
ビロードサンシチ(天鵞絨三七/キク科 サンシチソウ属 多年生草本・原産地では低木)
別名:ギヌラ・オーランティアカ
インドネシアが原産、葉の様子が美しいため、園芸用として栽培されます。
葉にからむ糸のようなものは、この植物が出したものでしょうか?
ビロードサンシチの葉
ショクダイオオコンニャク(/サトイモ科 コンニャク属 )
別名:スマトラオオコンニャク
花の形が、ショクダイ(燭台)に似ていることから、この名がつけられました。
インドネシア・スマトラ島の熱帯雨林に自生する植物で、花が稀にしか咲きません。
花は、最短で2年に1度、2日間しか開花しないという、なかなか花を見られない植物です。
世界最大の花として、知られます(世界最大の花はラフレシアが有名、これはひとつの花。
ショクダイオオコンニャクの花は花が集まったもので、集まった大きさが世界最大と言われます)
ショクダイオオコンニャクの、説明看板
サンジャク バナナ(三尺/ジンチョウゲ科 ジンコウ属 常緑高木)
温室には、サンジャク バナナの実がなっていました。
他のバナナに比べて丈(草丈)が低く、バナナの実が90cmほどの高さに実るため《3尺 = 30cm(1尺)×3》、サンジャク バナナと呼ばれます。
その果実は1本の木に6~10段ほど房がつき、それぞれの段には10本前後がついています。
一般的に食品として流通しているバナナ果実より、やや小さめな果実。
食べれば、やわらかな甘味が感じられます。
三尺バナナの花
温室の花風景 ➀
同行の先生が、「あっ、これはきれい」と言われました。
それぞれが、それぞれの感性で、花を捉えられるのが良いです。
何人かで訪れても、ひとりだけの感性、いまここにしかない時間が流れます。
温室の花風景 ②
温室の花風景 ③
温室の花風景 ④
温室の花風景 ⑤
ベンケイチュウ
グネモンノキ(グネツム科)
原産地 東南アジア
恐竜たちが闊歩するジュラ紀(白亜紀のほうが恐竜は多かった)に、誕生した植物です。
長い命の時間をつなぎ、今を生きている植物です。
シソモドキ(キツネノマゴ科)
原産地:マレー半島東部
葉を見ると、確かにシソの葉のようでした。
シソモドキの葉
渋谷区 植物ふれあいセンター からのお手紙
西インド バニラは、ここから来たもののようです。
「うちのバニ子を よろしくっっっっっ!!」と書かれています。
「つ」の数に、愛情が込められていると感じます。
西インド バニラ
愛情を持って送り出された、西インド バニラ。
今後の成長を、見守って行きたいと思います。
これは何の種類でしょう?
上と同じ植物です。
食虫植物のコーナーで見ました。
上の植物の、花のアップです。
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⇒ 5月19日①(くすり博物館・特別展など/ウイルスへの対策) にもどる
⇒ 5月19日②(くすり博物館・常設展) にもどる
⇒ 5月19日③(くすり博物館・薬用植物園) にもどる
⇒ 5月19日④(東山植物園/屋外の花) にもどる
⇒ 5月19日⑤(東山植物園/温室の花) にもどる
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⇒ 5月の薬草園①(5月19日 2022年)日本植物園協会 をみる
⇒ 4月の薬草園①(4月23日 2022年)シラン・ボタン をみる
⇒ 3月の薬草園(3月19日 2022年)サンシュユ・カカオ をみる
⇒ 10月の薬草園(10月9日 2021年))ウコン・イヌサフラン をみる
⇒ 7月初旬の薬草園(7月4日 2021年)マシュマロの花 をみる
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⇒ くすり博物館 過去の企画展 「麻酔薬のあゆみと華岡青洲展」 をみる