私の勤務先の事例をもって書いてみる。
同じ職場内の男性職員が数ヶ月の育休を取る申し出があった。
私自身も出産時には産休育休をフルに活用させてもらった。
夫側も育休を取れる時代になった事は喜ばしい。
しかし職場や働く仕組みが男性の働き方をモデルとした昭和の仕組みのままなのである。
だから、パパ育休には抵抗はないものの、人員のやりくりの目処が立たず現場は戦々恐々である。
仕事量も人員もそのままなので単純に一名減になってしまうのだ。
だから育休パパの背中を育児頑張っておいで!
と心から言うことが出来ない。
増え続ける業務そして減らされる人員。
加えて長時間労働を良しとする空気。
長時間仕事をせず早い時間に帰宅すれば
仕事が楽そうね、だからもっと仕事してもらおうか?
人員減らしても構わないね?
こんな空気が今の部署にはある。
優先順位をつけ無駄を省き残業せず執務時間内に集中してこなす事は大切な能力の一つと思う。
だから私は長時間仕事をする事をよしとする空気に強い抵抗がある。
長時間労働の背景には人員を減らされるかもという強迫観念、頑張るアピール、自分なりのこだわりがあると感じるからでもある。
私も数年前まで月間100時間超えの残業があった。
業務量は確かに多かった。
しかし振り返れば、私自身、業務の優先順位や取捨選択を深く考えていなかった。
花形部署、膨大な業務、長時間労働。
業界最先端かつ大変な仕事を任せられている自分。
そんな仕事をこなせる自分が世の中に求められ認められているように思えた。
そんな自分が嬉しかったのだ。
私は仕事をしている自分が好きである。
しかしそれを周囲や部下に求める事は絶対に違う。
能力も意欲も考え方もプライベートも様々だからである。
定時で仕事が終わるような環境づくりやマインドが整えば全員が働きやすくなり育休も取りやすくなるのだろうと思う。
しかし事業の取捨選択と優先順位をつけることがなかなか進まない。
あれもこれもしなくちゃ…と丁寧なのは良いのだが2.30年前のリズムと仕事観のままでもある。
今年人事異動で新しい部署に移った。
確かに業務量は多い。
しかしながら省略できる業務や優先順位をつけられる業務も多いように思う。
業務を省略すればこれまでの業務を否定されたと不貞腐れる人が出るのも困りものではあるが。
また人事異動のあり方も2.30年前のままなのである。
私が働く組織は体質が古く生産性も低い。
育休で一名減になる部分は現場に丸投げである。
出産育児年代の人を激務な部署に置かないなどの人事的な工夫も必要だと思う。
出産育児が本当に大変な時期は数年だからその時期を激務ではない部署に配属するなどしてほしい。