大雪は毎年当たり前の地方に生まれ育った。
家周りの除雪作業は冬の日常でもある。
ニュースで寒波襲来とか大雪と聞いても、それって毎年のことだよね〜とピンと来ないレベルである。
雪国の人口減少の理由の一つが雪である。
私が子供のころ、出身小学校は児童数は1学年約80人だった。
今や1学年10人程度だと聞く。
少子化もここまで具体的な数字を見てしまうと背筋に寒気を感じてしまう。
若い世代は職が多くて雪が少ない住まいを求め、親世代は地元に残る。
冬場の除雪作業は毎日という生優しいレベルではなく、2〜3時間に1度ということも多い。
そうしないとあっという間に数十センチ積雪し作業が大変なことになるからである。
今は除雪機械があるので家の前を地面が見えるくらいに綺麗に除雪している家が多い。
家周りに雪が沢山あるとサボっているように近所から見られてしまうようで恥ずかしくなる。
◯◯さんち、家周りを雪もりもりにしてる…という親の会話を聞いたこともある。
私が子供時代は、除雪機械などなくスノーダンプで雪を押すか、
藁ぐつ(藁でできた太腿まである巨大な丸い履き物で長靴を履いたまま足を入れる)で道路から自宅まで雪を踏み固めて歩けるようにしていた。
当然どの家も同じように家周りに雪が沢山あるのは当たり前だった。
しかも三世代同居が当たり前で除雪作業の人手はどの家でもあった。
しかし今や除雪機械があるために地面が出るレベルの除雪をしないとだめみたいになってしまった。
便利な機械がある故に日常生活が逆に大変になった一例だと感じている。
地方も家族構成は老人世代や核家族ばかりだ。
屋根の雪おろし中の転落や除雪機械に身体を巻き込まれるなどの事故も雪国ではよくある話である。
雪国に一軒家を構え冬季間も自分で除雪をしながら生活を送れるのは人にもよるが70代までではないかと感じる。
そして親世代も子供世代が住む都市部に転出していく。
生まれ育った場所が衰退していく様子は切ない。