皆さんこんにちは。
「上棟」という言葉を聞いたことがありますか?
「じょうとう」と読みます。
巷間つたえるところによれば、「城東の上棟は上等だぜ」という駄洒落が下町不動産業界で囁かれているとか、いないとか。
たぶん囁かれていません。
足場で建物は見えませんが、立派な「上棟」です。
最近は徐々に減りつつありますが、木造住宅を建てる際に、「上棟式」を行うことがあります。
在来(軸組)工法の場合、柱や梁(はり)など建物の骨組みが完成後に、家の一番高い位置に屋根を支える「棟木(むなぎ)」という構造材を取り付けます。
この「棟木」を取り付ける工程を「上棟(式)」と言います。工事がここまで進んだ感謝とこれからの安全祈願が「上棟式」の趣旨で、ご近所様への感謝を伝えるために、お餅をまく風習もありました。
コンクリートを流し込む型となる「型枠」です。
コンクリートが固まるのを待って型枠を外し…
支えも外れるとスッキリした空間の出来上がりです。
ちなみに、あまり知られていませんが、海外にも「上棟式」があります。
この儀式・風習のルーツは古代北欧であり、それが日本に伝わったという説もあります。
英語圏では、Topping out ceremony(トッピング・アウト)と言います。なんか、ライトな感じですね。
さて、マンションやビルの場合でも「上棟」があります。
大きなプロジェクトでは「上棟式」を行います。
住吉のような鉄筋コンクリート造の「上棟」は、木造とは少し異なり、骨組みが最上階まで組み上がった段階を指します。
構造躯体(くたい)が完成の扱いとなるため、発注者は契約に基づきそれなりの建設費を支払うタイミングです。
また、ほどなくして外部足場が取れ、建物の大きさや全容がわかる時期でもあるので、プロジェクト進捗の実感が湧きますね。
今までもお伝えしている通り、住吉プロジェクトは予想外の紆余曲折がありました。
でも、ようやく「上棟」までこぎつけた今、思い出す言葉があります。
それは、“Connecting the Dots” です。スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業スピーチで語った有名な言葉のひとつです。
You can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards.
先を見越して点をつなぐことはできない。振り返ってつなぐことしかできない。
ジョブズは大学中退後も興味関心の高い授業には顔を出しました。
そのひとつがカリグラフィー(文字芸術)でした。
当時のジョブズは「将来役に立つから」とカリグラフィーを学んでいたのではなく、今自分が楽しいと感じるものとして学んでいました。
しかし、約10年後「Macintosh」を発表した際には搭載されている多彩なフォントが話題を呼び、思いがけぬかたちでかつての学びが活かされました。
これは「計画的偶発性理論」といい、キャリアの8割が偶発的な出来事によって決まるという教育心理学者クランボルツ教授の理論です。
将来をあらかじめ見据えて点(経験や出来事)と点を繋ぎあわせることはできないが、後から振り返ると、いろいろな点が一つの線になって自分のキャリアに繋がっているというものです。
ジョブズは将来のことを考えるのではなく今自分が何をしたいかという信念に基づいて行動することで、必ずそのときの経験が将来に結びつくと説きました。
この感覚は、私も不動産ビジネスの体験を通して強く共感します。
曰く、今やっていることは何ひとつ無駄にならない、と思って日々の一つひとつを丁寧に行うことで、ビジネス・パーソンとして成長できるのでは、と思います。
住吉プロジェクトにも、色々な「点」がありましたし、これからもきっとあるでしょう。それらの「点」を線につなげて、着実に進んでいきます。
今回もお読みいただきありがとうございました。




































