何故テレビはつまらなくなったのか | ぼくはグラスのふちをまわる

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昭和40年代の思い出や、酒場についてゆる~く語ります。

最近テレビがつまらない。


確かにインターネットがあれば、動画も含めて、自分の好きな時間に、好きな場所で、好きなコンテンツを楽しむことができる。


だからテレビを見る人が少なくなって、視聴率が落ち、スポンサーが付かず、制作費が減らされ、番組の質が落ちて・・・・・。


そんな負のスパイラルに陥ったと・・・・・。


いや、それは違うと思う。


いみじくも我母が、10年前に言っていたことこそが、その本質を突いていたのかもしれない。


それは、


「どの局の番組を見ても、同じ芸人が同じような話しをしている」


「今はクイズ番組に芸能人が出ていて、賞金までもらっているけど、昔は普通の人が出ていて、そっちの方が面白かった」



「新しい時代劇をやらなくなった」


ざっくり言って、こんな感じだった。


確かに今どの局の番組を見ても、同じような芸人が、内輪ネタで盛り上がっているだけで、創造性もオリジナリティも無い。


要するにどれを見てもあまり変わり映えしないのだ。


そしてクイズ番組も、視聴者参加型から芸能人参加型に変わったが、何故に出演料を払っている芸能人に、高額な賞金や賞品を出すのか疑問に感じる。


その上、笑いを取るためなのか、あえてバカな芸能人を出演させて、バカな答えを笑うのも、クイズ番組としては違うのではないかと思う。


時代劇をやらなくなったのは、時代劇を見る視聴者が減ったのではなく、現代劇よりも制作にお金がかかるというテレビ局側の都合のような気がするね。


これは、衛星放送の時代劇専門チャンネルの加入者数の増加を見れば、今でも一定数以上の視聴者がいるってことだからね。


また今は、放送時間に視聴せずに、番組を録画して後で楽しむってスタイルも多くなって、あまり放送時間に拘らなくなったっていうのもある。


アタシらが子供の頃なんて、朝刊のテレビ欄を毎朝確認するのが大切な朝の行事の一つだったもんね。


とまあ、簡単に総括するとですね、テレビの視聴習慣の変化もあるんだけれど、一番の原因は、視聴者を置き去りにした制作者側の都合の押し付け。


というよりも、テレビ番組に夢とオリジナリティが無くなったことに尽きるだろう。


視聴者だってそんなにバカじゃないから、手抜きや制作費をケチっている番組なんて、一発で見抜きますからね。


やはり各局代わり映えのしない、芸人の内輪ネタ頼りのトーク番組にはもうみんな食傷しているのではないだろうか。


なにしろ制作費は掛けずとも、いろいろと面白い番組やドラマを制作しているテレビ東京なんてテレビ局もありますからね。


要は、いかに夢と創造力のある制作者がいるかってこと。


お金が無いから面白い番組が作れないとか、人気お笑い芸人が出ていないから視聴率が取れないなんて言っているのなら、もう進歩は無いだろう。


今テレビに必要なのは、夢とアイディアと視聴者への愛です。


これが視聴者に伝わるような、夢があって面白いドラマやバラエティ番組と硬派なドキュメンタリーを作って欲しい。


なにしろ、会社をリタイヤした団塊の世代から、我ら昭和世代は、テレビを見て育った、正にテレビ世代だからね。


そのテレビ世代が食いつくような番組を作らないとダメなのだ。


過去の人気番組の焼き直しなんかしていないで、もっと本気で番組を作れと言いたいのである。


マンガや小説が原作じゃないオリジナルドラマも見たいぞ。


などと、テレビを愛するが故の苦言なのであ~る。