現金主義 | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

Suicaにシステム障害が発生して大変だったらしい。

ニュースでちらっと見ただけだからよくわからないのだが、改札が通れなくなった人とかもいたらしい。財布を持ってなくて(つまり現金を持ってなくて)困りましたとか言ってた。

昨今はみな、こういった電子マネーを使うようのだね。

私は財布(現金)を持たずに外出するという発想がなかったので、なんだかキョトンとしてしまった。

そうか、今や、重たい現金、邪魔な財布なんぞは持たずに、スマホ一つでスマートに決済という時代なのだね。

私は完全に時代から取り残されている(笑)

 

私はデジタルネイティブじゃないので、どうも今ひとつそういったデジタル利用には積極的になれない。

スマホの中の数字だけじゃ実感が湧かない。

スーパーで買い物をするとポイントがつく。そのポイントもやっぱりただの数字で、それなりに便利に使わせてもらってるけど、ポイントをためるために買い物をするという発想がない。

そういえば、マイナンバーカードを作ったときもそうだった。たくさんポイントがつくというのがウリだったみたいだが、だからなんだ、というのがあった。そのポイントをもらうためにあれこれ手続きするほうがめんどくさいと思ってしまった。

それにねえ。やっぱりそういうシステムって故障とか障害がつきものなのだ。

「スマホでピッ」みたいにいうけど、その画面を呼び出すのに四苦八苦してるのを見ると、その間に財布から現金を出して払ったほうが早いんじゃないかと思ってしまう。

 

電子書籍もそうだ。

物理的に物体を所有しなくてもいいというのがメリットだと言われたけど、当初から「そのサイトが使えなくなったらどうするんだ」という思いがあった。

ネットのサイトはいとも簡単に消滅する。閉鎖される。そういう不信感があった。

案の定どこかのサイトが閉鎖されて、ダウンロードした書籍が読めなくなったという話も耳にした。そもそも電池がなくなったら使えなくなってしまうわけで、それほど便利とも思えなかった。いや、便利なのは便利なのかもしれないけど。

たとえ何かを読んでいるのだとしても傍から見たら「スマホを眺めているだけ」にしか見えなくて、「電車の中ではみんなスマホを見ている」という批判は常に存在する。まああれもどうかと思うけどね。こういう批判をする人の頭の中では「スマホを見る=ゲームをする」という図式しかないみたいだから。

 

私は古い人間なので、やっぱり物理的な存在が重要だと思ってしまう。

お金もそう。本もそう。映像もDVDという物体で所有しないと安心できない。

いつか現金という存在もなくなってしまうのだろうか。みんなデジタル機器の中の数字になってしまうのだろうか。世の中の趨勢はそっちに向いているようだけどね。