ファンタジー | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

昨夜放送された「きょうは会社休みます」というドラマを見た。
なんかもう、すごいファンタジーの世界だったなあ。
こうなったらいいな、こうだったらいいな、の連続で。

でも、私はああいうファンタジーの世界にはもうハマれないんだなと思った。
というか、昔から恋愛ファンタジーにはうまくはまれないのだ。

ああいうドラマって、どういうスタンスで見たらいいんだろ。
「いいなー、ああいうシチュエーションに憧れちゃうわ♡」って思いながら見る?
「やっぱ福士蒼汰くんてかっこいー。あたしも福士くんにあんなふうに思われてみたいわラブラブ!」って思いながら見る?
まあ、そのへんが妥当なんだろうなあ。

おばさんとしてはね。なんかもう、こっ恥ずかしくてまともに見ていられなかったのよ(笑)
綾瀬はるかさんが演じる「青石」という女性のこじらせぶりも痛々しかったし、その青石と、福士蒼汰くん演じる「田之倉くん」との恋の始まりを見てるのもなんかいたたまれなかったわ。

あんなふうに「さえない女子が、実はかっこいい男の子から思いを寄せられている」状況って、100%ファンタジーだよねえ。
ずるいのはさ。ドラマだから、演じてるのは役者でしょ。主演の女優はきれいに決まってんのよ。いくら設定で、「さえないこじらせ女子」ってしてみても、やっぱりいるだけできれいだし。だから、イケメンの大学生に思いを打ち明けられても、そりゃそうでしょ、としか思えないのよ。

あー、これ、完全にひがみだなー(笑)

若いころだったら、切歯扼腕して羨ましがったかもしれない。
年とった分、諦めも早くつくわけだけども(笑)なんの諦めだww

とりあえず1話は見たから満足しちゃった。この先は二人の恋のあれやこれやの話になるんだよね。きっと青石さんは、こじらせぶりを発揮して、面倒な展開になったりもするんだろう。

「からかわないでください」って、こういう状況ではよく聞く言葉。
ほんとに、ただただ相手を傷つけてバカにするためだけに「愛情があるふりをする」という悪質ないたずらをする人もいないではないけども。
往々にして、この言葉は単に自分を守るためだけに使われがちな気もする。
相手の本心よりも、自分のことの方が大事で、自分を守るためには相手を踏みつけにしてもかまわないという本心がひそんでたりする。それが悪いわけじゃないけど、そのせいで出会いに恵まれなくなってるのに、「出会いがない。私はもてない」と嘆いてる場合もあったりする。

まあ、このあたりのさじ加減は難しいよね。
うんと若い時に、いっぱい恋をして、あたって砕けて、痛い経験をたくさん積まないと、相手の本気度は計れないし、恋愛に身を投じる覚悟もできない。
自分のプライドや見栄を最優先してると(つまり、バカにされたくない、とか、みっともないことにはなりたくないとか)、いくら素敵な出会いがあってもそれに気づかず、それを逃してしまったりするんじゃないかなあ。

恋愛って、究極の自己承認でもあるし、世界がバラ色になる素敵な状況ではあるけど。
しかし、足元をみると、剣ヶ峰をよろよろ歩いてるようなものだったりする。
ちょっとでも足を踏み外したら真っ逆さまに落ちていく。
そりゃあ怖いよねえ。

ドラマの中で、青石さんが蕎麦屋でカレーうどんを食べてるシーンがあった。お昼休みね。
そこへ、玉木宏さん演じる朝尾という男性が相席になる。
まあ、イケメンですわ(笑)
そしたら、青石さん、とたんにバリバリに意識しちゃって、食べ方がぎごちなくなるのね。
もう、「私はあなたを意識してます」オーラが出まくっちゃう。
本人的には、「げ、やだわ。恥ずかしい。逃げたい」という気持ちなんだろうけど、それが逆効果になってることには全然気が付かず。話しかけられてもぎくしゃくした反応をしてしまって、挙句の果てには逃げ出してしまう。
ああ、こういうのが恋を呼ぶのねえ、と思いましたよ。
でも、本人は頑として認めないんだよね(笑)こういうとこが、こじらせさんのメンドクサイところでもあり、ある種の男性の興味を著しく引くところでもある。


「こっ恥ずかしくてまともに見てられなかった」という割にはしっかり見てるんだけど(笑)
バーでの、突然のハッピーバースデーのシーンも、そのあとの夜の健全デートのシーンも、全身むず痒くなりながらも、見ちゃいましたわ。

あ。いつも不思議に思うんだけど。
なぜ、「夜を共にした」という設定のあとの朝のベッドでは、ふたりとも裸で寝てんの?
いや、記号的に、そういうことをいたした、という意味だというのはわかってるんですけど。
実際には、なんか着て寝るんじゃないの? それとも、終わった後にそのまま寝てしまうっていうのが、ああいう状況でのデフォルトなんでしょうか。
そこがよくわかんないんだよねえ。自分は絶対裸のままでは寝られないので(〃∇〃)


その前にみた、宮藤官九郎さんの「ごめんね!青春」がすごく面白くて、この人の書くドラマはなんか痛切にリアルだよなあ、と思った。
同じファンタジーでも、全然次元が違うあたりが面白い。
錦戸亮くんが超絶イケメンじゃないあたり(失礼)が、心穏やかに楽しく見られる要因なのかしら。
福士蒼汰くんは、私にはイケメンすぎるんだわね。ま、まぶしくて目が開けられない(///∇//)