街頭紙芝居 | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

台風が来てますが。
今日は街頭紙芝居を観てきました。
県内外で活躍する紙芝居師4組が昭和スタイルの紙芝居を魅せる、という企画。

この方は、沼津で活動されている三ツ沢グッチさん。

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表面をニスで仕上げてある古い紙芝居を演じてくれました。
書いてある絵がねえ。とっても昭和初期。

お次は、静岡市の「おしか座」さん



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この方は、なんとあの「黄金バット」の紙芝居をしてくれました。
私、アニメの「黄金バット」を見ていたんですが、紙芝居バージョンは初めて見たので、非常に興味深かったです。確か、TVアニメの方はおどろおどろしくて怖かったイメージがあるんですが、この紙芝居の黄金バットは、目がより目になっててちょっとお茶目な顔してました。


3番手は、東京から来たという女性の紙芝居師、「さるびあ亭かーこ」さん。

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かわいらしいお顔と声で、ぴりっと辛口なところが面白かったです。
演目が「桃太郎?」という、抱腹絶倒な紙芝居で。お固い○○方面の方からは大いにブーイングをくらいそうな内容。でもほんとに面白くて大笑いしました。


トリはこの方。名古屋から来たという「マーガレット一家 たっちゃん」さん

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「間違えて覚えちゃってる歌」シリーズが面白かったですねえ。

一人30分の持ち時間で、たっぷり楽しませていただきました。
さすがですよね。会場のお客さんのいじり方やら、紙芝居の見せ方やら、随所にプロのワザが光ってました。
最初は2時間って長いなと思ってたんですが、あっという間でした。


自分が紙芝居をやるときの参考にならないかなと思って観に行ったんです。
でも、やっぱり、街頭紙芝居と読み聞かせの一環としてやる紙芝居はちょっと違うんだなと思いました。
街頭紙芝居の方は完全にエンターテイメントなんですね。一つの完成された演目として成立している。そりゃあ、そのへんにいる子どもたちを集めて、一定の時間引きつけておかなくてはならないのですから大変です。子どもはいろんなこと言いますし、自由気ままにふるまいます。
外でやってますから、いろんな音も聞こえるだろうし、ざわざわした雰囲気でもあるだろうし。
今日も、ほんとなら外で開催される予定でした。それが雨になったので、急遽建物の中、エントランスホールでの開催になって。
ホールですから、声がよく響くんですねー。
そうそう、「たっちゃん」は大変な美声でありました。朗々と歌い上げる、その歌の中身が死ぬほどくだらない、というその落差にやられましたね~。

学校やおはなし会で上演する紙芝居は、そこまでお客さんいじりをすることはありません。
読み聞かせの一つとして紙芝居を「読む」人がほとんどだし、暗黙の内に「そうあるべき」(つまり真面目に読むこと)とされているし、さらにいえば、本職のようにエンターテイメント性を持って読むことができないからです。
それでも、紙芝居本来の面白さに助けられて、なんとなく子どもたちは喜んでくれるんですけども、私はなんとかもうちょっと紙芝居らしさを出せないかなあと思っているところなのです。

「読み聞かせ」というジャンルの中でも、かなり演劇に近いところがある紙芝居。
聞き手に楽しんでもらうためには、ある種の思い切りとか開き直りが大切だな、と思いました。

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でも、そんな小難しいことは全然関係なく、とーーーっても楽しい2時間でした。
紙芝居師のみなさん、ありがとうございました。