何を着ればいいんだか | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

10月は、いつも着る服に困る。
8月まではきっぱり夏服でよかった。半袖だったり薄手のスカートだったり、素足にサンダルでオッケーだった。
9月もまだその余波で乗り切れた。衣替え前だし、とりあえず夏物で過ごしていればよかった。

しかるに、10月だ。
秋、と言えば秋。
でも、たまにむっと暖かいというか暑いときもあって。
まさか、がっつりと冬物を着るわけにもいかない。気分的にも体感的にも。
でも、夏服っていうわけにもいかない。

私は衣替えに関してはやけに厳密に考えるところがある。
そういう「決まり」を守らずにはいられないのだ。

だから、中学、高校の時の制服は、服装検査の時に危うくお手本にされてしまうくらいに校則どおりだった。リボンの大きさも、セーラー服の着丈も、スカートの長さも。
学生鞄だって、ちょっと笑われてしまうくらい校則どおりだった。
そういうのを逸脱することができないのだ。
真面目、といえば聞こえはいいかもしれないが、要するにそういう決まりを逸脱できない性格特性だったということだ。

だから、衣替えも、きっちり1日付でしてしまう。
6月1日を過ぎたら長袖は着ない。10月1日を過ぎたら半袖は着ない。

個人的移行期間を設けることができるようになったのは、ここ1,2年のことだ。


持ってる服の数や種類が少ない、というのもある。
10年以上、毎年にように着ている服、なんていうのもある。
極めつけは、私にファッションセンスがない、ということだ。
こういうのがいい、とか、こういうのはダサい、という基準が全然わからない。
だから、その時店にたくさん置いてある服の中から選ぶ。
たくさん置いてある、ということは、そのとき流行っているデザインだということだ。
でも、そのよしあし(世間的な基準)はわからない。
ただただ、自分の好きな色、好きなデザインだけで選ぶ。だから十年一日のごとく同じ格好をすることになる。
いや、別にそのことに不満があるわけじゃない。
体型からいっても、どんなデザインの服でも着られるわけじゃないことは明白で、服を選ぶ基準の最優先事項はサイズ。入るか入らないか。入ったとしても、パツパツで苦しくなるようじゃだめだし。だからといって、あんまりダボッとしていても、それはそれで気持ち悪い。
ほどよくゆとりがあって、ほどよくすっきりして見えるように。

そんな都合のいい服なんて、そうそう手に入らない。
大金を積めば入手できるんだろうけど、私は未だに洋服にかけるお金がもったいなくてしかたない。これだけのお金があったら本が何冊買えるだろうか、なんて思ってしまう。

しまむらで服を買っても、帰りにはその支払金額にため息が出る。
洋服を買ってるんるんで家に帰る、という経験は、うんと若い頃の一時期ちょっとだけあったかな、というくらいで。
あとはもう、仕方なく服を買っているために、毎回どんより落ち込んでしまう。

何を着ても、いいと思ったことがない。
最後には「誰も私のことなんて見てない、気にしてない」と呪文をかけないと出かけられない。
最近は、人がいるところへ出かけることが多くなったので、もはや開き直りの境地。

歳相応の格好もできず、だからといって、昔ながらの(つまり若い時の)格好もそろそろしんどくなってる。
暑くもなく、寒くもなく、でもちょっと蒸し暑かったり、ちょっと肌寒かったり、というこの季節、いったい何を着ればいいんだろうか。実に頭の痛い問題であるよ。

芝居の稽古とか、何かの作業など、実用性が重視されるところならいいんだけどね。
そうじゃない、ちょっとした集まりとか、親睦会、お出かけなんかが困る。

いっそ、きっぱりと寒くなってしまえば、防寒が最大の目的になるから楽なんだよね。
服を重ねて着ればいいし、コート類だってある。
でも、今は。
まだそこまで行ってないから。

おしゃれを楽しむ、ということができない。全然楽しくないっす。
ない物ねだりしてるからなんだろうな、とも思う。
スラっとしたスタイルなら、どんな服でも着こなせるんだろうと思う。そこから、似合う似合わないっていう話になっていくんじゃなかろうか。
でも私はまず、サイズでひっかかるから(笑) 今がんばって痩せようとしてんですけどね。

まったく、春と秋はいつも頭が痛い(>_<)