ドラマ「与鳳飛」 第13集 | 江湖笑 II

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ドラマ「与鳳飛」

 

第13集

 

 

 

 

 

 

 

<13>

 

 

 蒼寒聿が逃亡を企てた。腹が痛いだの頭が痛いだの、空腹だのと侍女を翻弄したあげくに、だ。

 南娰は衛兵を指揮して捜索する。

 大きな岩に隠れて南娰をやり過ごした蒼寒聿は、彼女が駆けて行った方向と逆の方向へ逃げた。

 だが、隠れていたことに気付いた南娰に先回りされてしまう。

「蒼小七、あなたは私の運命の人なんだから、逃がさないわよ」

「運命って…勘弁してくれ!

「じゃあ、こんなのはどうかしら?

 南娰はある提案をした。サイコロ五つを使った賭けで、合計の数が小さいほうが勝ちとする。

「もしあなたが勝てば、すぐに解放してあげる。でも私が勝ったら、大人しく言うことを聞きなさい」

 

 

 西陵国の大皇子こと蒼雲澤は、子供の頃から寒毒に悩まされている。酷い時には十日や半月は寝込むのだ。

 しかし最近になって、その寒毒が体内から抜け始めていると太医は話しているそうだ。

「東瀾国の南娰公主が駙馬選びをするらしいけれど、大皇子は寒毒があるから無理ね」

 横になっている蒼雲澤の手足をさすりながら、侍女ふたりがコソコソと話す。ちなみに駙馬とは、国王や皇帝の娘婿のことを指す。

 突然、雷が鳴った。ぱちっと目を開けた蒼雲澤が身を起こす。

「いま、何と言った!?

 駙馬を選んでいるだと? 南娰が選ぶ相手は蒼寒聿に決まっているではないか。

 蒼雲澤は今まさに、前世までの記憶が蘇ったのだ。

 蒼寒聿の似顔絵を描き、禁衛兵に投げ渡す。

「東瀾国の間諜を招集して、公主の一挙手一投足を監視せよ。それから、そいつを見つけ次第、報告しろ」

 ところで、と蒼雲澤は西陵国国王の健康について訊ねた。禁衛兵は至極健康だと答える。

「こう伝えよ。西陵王は急な病で明日をも知れぬ身だ。私が自ら見舞いに行く」

 蒼雲澤の謀略が始まった。

 

 

 サイコロ五つを使った賭けは南娰が勝った。

 蒼寒聿が振ったサイコロは、一の数字を上にして積み上がっていた。こんな特技があるのだから、賭場荒しもお手のものだろう。客と揉めた理由は聞かなくても分かるというものだ。

 対して、南娰は力技で対抗した。なんとサイコロを握りつぶしたのだ。

「蒼小七、負けを認めなさい!

 

 

 隙あらば逃げようとするので、蒼寒聿は縛り上げられた。

 父后を自室に呼んだ南娰は、どうしたら彼を駙馬にできるか相談する。当然、蒼寒聿の意見は無視だ。

 愛娘のため、父后が考えついたのは、駙馬選びに蒼寒聿を加えることだった。記憶が戻る以前に南娰は四人の西陵皇子を候補に選んだが、その中のひとり、七皇子として蒼寒聿を紛れ込ませるのだ。

 

 

 西陵国の皇子三人と蒼寒聿は、女皇の前で特技を披露することになった。

 まずひとり目の二皇子は刺繍だ。見事な蓮の刺繍を見せ、駙馬となったら南娰の衣服の刺繍はすべて任せてほしいと言う。

 二人目は絵画である。南娰の姿画を披露する。

 三人目は漢詩だった。詩を通じて南娰と打ち解けたいと話す。

 そして、蒼寒聿の番が回ってきた。

 

 

 

 

 

 

<14集に続く>