ドラマ「幻鏡閣」 第2集 | 江湖笑 II

江湖笑 II

中国ドラマ・小説の各話あらすじです。完全ネタバレしております。
更新予定は
月曜~木曜:ドラマ「南城宴」(前後編)
土曜:短劇「玉奴嬌」(各1集)

ドラマ「幻鏡閣」

 

第2集

 

 

 

 

 

 

 

<2> 血色人魚()

 

 

 紅い衣服の女性、幻鏡閣閣主の曼珠が浅夏の首に術を掛けて引き寄せた。浅夏は独鈷で反撃する。

「おまえが私をここにおびき寄せたのだな?

「さすがは浅捕頭ですわ」

「私を知っているのか!?

 曼珠は問いに答えない。

「人間界は地獄同様。運命は定められているのに欲望が湧き、湧いた欲望は念となる」

 曼珠は代償をもらって人の欲望を叶えていると言う。

 

 

 代償とは何だろう。

 浄邪司に戻った浅夏は、独鈷の手入れをしながら曼珠の言葉を反芻する。

 そこへ小七が飛び込んできた。

「頭児!

「礼節が成っていない、やり直し!

 扉を敲かなかったことを咎められたのだ。面倒に思った彼は、目の前の文机をコツコツと敲いた。

「頭児、幻鏡閣について聞き込みして来たよ」

「それを早く言え!

「訊いてなかったじゃん…」

 ぶつぶつ文句を言いながらも、小七は報告を始めた。

 幻鏡閣の店舗は陰陽の交わる境界にあり、客の欲望を叶える商売をしている。城内の噂では、店舗があらわれたのはつい最近のことらしい。ただし店舗に足を踏み入れられるのは執着の念が強い者、謀に没頭するような者だけだという。

「じゃあ、なぜ大した欲望もない私が入れたんだ?

「もしかして、あの鱗じゃないか?

 

 

 鱗か。

 浅夏は再び幻鏡閣に向かった。今度も、いつの間にか店内に入っている。

 彼女は閣主の曼珠に、なぜ殺人に関係のある場所に姿を見せたのかと質問した。

「あなたは死んだ楊尭鶴の人物について、知りたくありませんか?

 曼珠は答えずに鏡のほうを向いた。丸い鏡の表面にさざ波が立ち、像を結ぶ。楊尭鶴がのちの夫人となる司徒婉児と出会う光景が映し出された。

 

 

 楊尭鶴は貧乏だった。何度も科挙に落第して失意の日々を送っている最中、彼は婉児に出会った。恋に落ちた楊尭鶴は婉児の不自由な足を気にすることはなく、また何度か会ううちに婉児も彼に好意を持つようになった。そして婉児だけを愛するという楊尭鶴の誓いを信じた婉児の父は、ふたりの結婚を許した。

 婿入りすれば一人前の仕事ができる。そう思っていた楊尭鶴はやる気の腰を折られた。司徒老爺は彼に大きな仕事を与えなかったのである。任されたのは質屋だけで、自由になるお金は一銭もなかった。

 司徒老爺は楊尭鶴を抑圧し、彼の鬱憤は溜まる一方だった。やがて楊尭鶴は老爺に対して殺意が芽生える。

 雷鳴の轟く夜、老爺から叱責された楊尭鶴は、とうとう茶に毒を盛って殺してしまった。苦しむ老爺の前で堂々と司徒当主の椅子に座る。

「すべて私のものだ…」

 

 

 

 

 

 

<3集に続く>