ドラマ「青雀成凰」 第8集 | 江湖笑 II

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ドラマ「青雀成凰」

 

第8集

 

 

 

 

 

 

 

<8> 殺人誅心

 

 

 小鳥を可愛がる青雀を見て、青澄は雲煥の書斎へ行った。

 雲煥は彼女の容姿が青雀と似ているだけだと言うが、なぜ鵲夫人は小鳥のことをよく知っているのかと問う。

「青雀の死はきみも目撃しただろう? まさか生き返ったとでも言うのか」

「普通なら信じないけれど。劉督察に一度調べてもらったほうがいいわ」

「…小鳥が気になるなら、私が処理しよう」

「違うの。私が気になるのは鵲児のほうよ」

 少し考えた雲煥は、久しぶりに狩りをすると言い出した。

「彼女の反応を見てみよう」

 

 

 青雀はひとりで夕食を取り始めた。そこへ、狩りから戻った青澄と雲煥がやってくる。

 青雀の前に侍女がスープを置いた。

「鵲夫人、どうぞ」

 狩った得物だろうと思い、雲煥に促されるまま青雀はひと口飲んだ。

「お味はどう? 誰かが庭の鳥かごから小鳥を逃がしてしまって、飛び回っているところを雲将軍が矢で射たのよ」

 スープは雲煥自らが作ったという。

 あの小鳥をスープにしてしまったのか。青雀は信じられない面持ちで雲煥を見る。心なしか、彼は薄笑いを浮かべているようだ。

「…雲将軍と郡主が仲良くて良かったわ」

 必死に平静を装った青雀は席を立った。その途端、雲煥の表情が変わったが、青雀は彼を見ていない。

 青雀は足に力が入らず、廊下に出るや否や柱に寄りかかった。

 あなたは私の心まで殺そうとするのね。

 青雀は涙を落とした。

 

 

 慕王が倒れてすぐ、そばに仕えていた劉督察が消えた。横領した公金の行方を追うため、早急に彼を捕えなくてはならない。

「将軍、もうひとつ報告があります。鵲夫人が民間の医者を呼びました」

 すでに慕王を診察していると軍師が言う。

 

 

 慕王の脈を診た医者は厳詢蒼だった。青雀は、慕王の病気を理由に彼を王府に引き入れたのだ。

 ふたりは青楼の階段ですれ違って以来、初めて話し合う。

「雲煥の探している物が分からないの」

「それよりも、玉佩を捜し出すほうが先だ」

 その玉佩は慕王に献上されたと思っていたが、そうではなさそうだ。雲煥が肌身離さず持っているらしい。

「これからは私が手助けできるので…」

 その時、扉が開いた。青澄が慕王の薬湯を運んでくる。青澄は厳詢蒼に対して警戒心を抱いた。

 しかし意識の無い慕王の指がかすかに動き、厳詢蒼に対する評価が激変する。青澄は彼を神医と称した。

 そんなところへ雲煥がやってくる。青澄は厳詢蒼を紹介して、慕王の目覚めも近いと明るい表情を見せた。

「明日、皆で寺へ行って、慕王の平癒を祈祷するのはどうかしら」

 青雀が提案した。青澄は背を向けてぶつぶつ文句を言う。

 

 

 厳詢蒼を見送るため、青雀は廊下に出た。

「青澄はあなたを信用したようね」

 厳詢蒼が慕王府に入り込んだことで、慕王の生死はこちらが握ったも同然だ。あとは雲煥の思惑だが、どうしても青雀には分からない。

「あまり思いつめられませんように」

 雲煥が廊下に出てきた。厳詢蒼は頭を下げ、帰っていく。

「鵲夫人は良い医者を見つけられましたね」

「内向きのことですもの。明日は準備を怠りなく」

 

 

 青雀と厳詢蒼の計画は雲煥暗殺だった。

 祈祷に出掛ける際、一行は竹林のそばを通る。その付近で馬車に不具合が生じるよう細工しておき、休憩を取らせる。

 ここで自ら駿馬の世話をする雲煥は、馬に飲ませる水が無いことに気付くはずだ。もちろん、水筒から水を抜いたのは青雀である。

 川へ水を汲みに行こうとする雲煥に青雀が声を掛け、散歩のついでに汲んでくると水筒を預かる。そして竹林へと入って行く。

 雲煥はきっと尾行してくるだろう。青雀に気を取られている雲煥を、竹林に身を潜めていた厳詢蒼が襲うという算段だ。

 翌朝、青雀一行は馬と馬車を連ねて慕王府を出発した。

 騎馬で先導するのは雲煥、次の馬車には青雀が、そのうしろには青澄の乗る馬車が続く。衛兵の数は思ったよりも少ない。

 計画通り、竹林の付近で馬車の車輪に不具合が起きた。青雀は空の水筒を雲煥から預かる。

 竹林に入る。しばらくして黒衣に身を包んで顔を隠した厳詢蒼が、青雀をつける人物に弩を放った。

 短い矢が木の幹に突き刺さる。

 青雀をつけていたのは雲煥ではなく、青澄だった。驚いた彼女は気絶してしまう。

 まずい!

 逃げようとした厳詢蒼を、雲煥の投げた短剣が襲う。倒れ込んだ厳詢蒼に、雲煥は剣を突きつけた。

「誰の差しがねだ!?

 次の瞬間、厳詢蒼は雲煥に落ち葉を投げつけた。素早く起き上がり、雲煥に向かって剣を突き出す。

 青雀がふたりのあいだにすべり込んだ。剣の切っ先が青雀の右肩に突き刺さる。

 

 

 

 

 

 

<9集に続く>