ドラマ「千金丫鬟」第23集 | 江湖笑 II

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ドラマ「千金丫鬟」

 

第23集

 

 

 

 

 

 

 

<23集 私定終身、危機重重>

 

 

「聴瑶、ずっと好きだった」

 初めて会った少年の日から、方天逸は董聴瑶に恋していた。

 董聴瑶は、告白する方天逸に口づけを返す。

 董聴瑶を抱き上げた方天逸は、彼女をベッドに下ろした。

 

 

 方天逸の部屋の前で聞き耳を立てていた方予澤は、タバコを口にくわえた。ライターの火が点かない。

 方予澤はタバコを折って廊下に捨てた。

 

 

 董聴瑶を守るため、方天逸は彼の取る方法が最適だと思い込んでいた。方天逸はわざと紀明月との中を見せつけて方予澤との結婚を促した。

 そのために、彼は紀明月と取り引きまでしたのだ。

 紀明月の父は、方予澤の片棒を担いで軍部の武器の横流しに手を染めていた。そこで方天逸は警察への通報か、それとも偽装結婚かを紀明月に選ばせる。

 当然、紀明月は偽装結婚を選んだ。

 しかし、そこに董聴瑶の思いは反映されていない。彼の守り方は、董聴瑶が望んだ方法ではなかった。

「明月、つらい思いをさせてすまない。もう演技の必要は無くなった」

「もう少し続けたかったわ」

 できれば、一生。

「安心して。二度と父は彼を手助けしないから」

「ありがとう」

 方天逸が去ったあと、紀明月はぽろっと涙を落とした。

 

 

 董聴瑶が推理した通り、例の命令書は方予澤と関係があった。劉副官をつかまえて訊ねると、話せないと言いながらも遠回しに教えてくれた。

 方天逸と方予澤は一緒に勉学に励んだ仲だ。罰を受ける時も一緒だ。書写の罰を受ける時、ふたりは互いの筆跡を真似たこともある。

「董小姐、あなたではふたりの恩讐は解けませんよ。二爺の邪魔だけはしないでください」

 以前と比べ、今の劉副官の言葉に棘は無い。

「じゃあ、ほかに私が知らないことはある?

「あなたに銃殺されても、言えませんよ」

 劉副官は笑顔を見せる。そこで、董聴瑶は質問を変えた。5桁の数字が並ぶ便箋を見せる。

!! これは暗号ですよ。どこで見つけたんです?

「銃で撃たれても言えないわ」

 董聴瑶は、笑いながら劉副官の言葉を借りた。

「二爺が心配するから、ここで話したことは言わないでね」

 

 

 方家の叔甥が酒を交わすのは久しぶりだった。

「二叔、昔はともかく、聴瑶は今は私の婚約者ですよ。慎んでください」

 あの日、董家から戻ってきた方天逸は、よほど董聴瑶のことを気に入ったのか彼女の話ばかり方予澤に聞かせた。その時、方天逸が彼女の様子をあらわすのに使った詩が”自牧帰荑、洵美且異”である。

 それを覚えていた方予澤は、”牧荑”と名付けられた彼女が董聴瑶だと気付いたのだ。

「二叔は私のものを奪ってきたが、今回ばかりは彼女は私のもとへ帰ってくるよ」

「聴瑶が私の女だという事実は、おまえたちが結婚しても変わらんぞ」

 方予澤はグラスを握りしめつつ、ほほ笑んで見せる。

「これからは私の妻だ。求めても得られない現実を知るんだな」

「言っておくが、聴瑶を傷付けたら許さん」

「彼女を傷付けてきたのは二叔のほうだ!

 グラスの酒を飲み干した方予澤は、そう言い捨てて自室へ戻った。

 

 

 自ら作った人参スープを持って、董聴瑶は方予澤の書斎へ行った。

 董家襲撃の証拠に関連するものはないかと、視線を走らせる。

「こんな風に至れり尽せりだと、結婚後に太りそうだな」

 スープをひと口飲んだ方予澤は、董聴瑶を膝の上に座らせた。

「初めて門の前で会った時の君は、まるで小鹿ののようだった。力強く、敏捷な小鹿だ」

「あの時は、仇を討つために必死だったわ。思いがけず、仇は身近にいたけれど」

 董聴瑶が方予澤を見ると、彼は二叔のことかと訊ねる。

「あら、”二叔”の話はしない約束だったでしょう?

「今日は機嫌がいいんだ。かまわないよ」

 そう言えばと董聴瑶は、督軍の印章を見たことがあるかどうか方予澤に訊いた。

「見たことは無いよ。なぜ私に訊くんだい?

 そんな返事が返ってくると思っていなかった董聴瑶は、動揺がばれないようにスープの残りを勧めた。

 

 

 

 

 

 

<24集に続く>