HYROX(ハイロックス)に挑戦するなら、気になるのが「1kmを何分くらいで走ればいいの?」というランニングペースです。
結論から言うと、HYROXに全員共通の正解ペースはありません。
大切なのは、普段のランニングで出せる最速ペースではなく、ワークアウトを挟みながら8本の1kmを大きく崩さず走れるペースを選ぶことです。
8本を維持できるペースを選ぶ
この記事では、HYROX初心者向けに、1kmペースの考え方、ペース別のランニング時間、自分に合ったペースの決め方を解説します。
HYROXのランニングペースに全員共通の正解はない
「HYROXなら1km5分で走るべき」といった共通の基準はありません。
適切なランニングペースは、
- 現在のランニング能力
- ワークアウト能力
- 持久力
- 目標タイム
- レース後半の疲労
などによって変わります。
ランニングが得意な人と、普段ほとんど走らない人が同じペースを目標にする必要はありません。
「他の人が何分/kmで走っているか」より、まず自分がワークアウト後でも維持できるペースを知ることが重要です。
HYROXでは1kmを8回、合計8km走る
HYROXでは、1kmのランニングを8回行います。
ただし、8kmを連続して走るわけではありません。
1km走るたびにワークアウトを1種目行い、その後また1km走ります。
つまりHYROXのランニングペースは、通常の8kmランのように考えるだけでは不十分です。
HYROXのペースは普段の8kmランより遅くなることがある
普段8kmを走れる人でも、そのランニングペースをHYROXでそのまま維持できるとは限りません。
理由はシンプルです。
HYROXでは各ランニングの間に、Sled PushやBurpee Broad Jumps、Farmers Carry、Sandbag Lungesなどのワークアウトが入ります。
脚や心肺に疲労が残った状態で、次の1kmを走らなければなりません。
走る → 走る → 走る
HYROX
走る → WORKOUT → 走る → WORKOUT
そのため、普段のランニングで出せる「速いペース」ではなく、疲労した状態でも再現できるペースを基準に考えます。
1kmペースによって8kmのランニング時間はこれだけ変わる
HYROXでは8本の1kmを走るため、1kmあたりの小さな差が合計では大きな差になります。
ランニング合計:約40分
平均 5:30 / km
ランニング合計:約44分
平均 6:00 / km
ランニング合計:約48分
平均 6:30 / km
ランニング合計:約52分
平均 7:00 / km
ランニング合計:約56分
例えば、平均6:00/kmから5:30/kmへ30秒縮めると、8kmでは単純計算で約4分変わります。
HYROXでランニング能力が重要になる理由のひとつです。
ただし、無理にペースを上げてワークアウトで大きく失速すれば、レース全体では逆に遅くなることもあります。
初心者は「最初の1kmを速く走りすぎない」ことが重要
初出場で起こりやすいのが、スタート直後に飛ばしすぎることです。
1本目はまだ疲れていないため、普段より速く走れてしまいます。
しかしHYROXでは、その後に7本のランニングと8つのワークアウトが残っています。
より
後半まで失速しない
HYROXの公式トレーニングパートナーでも、8本の1kmをどうペーシングするかは重要なトレーニング要素として扱われています。
特に初心者は、1本目だけ突出して速い状態ではなく、後半まで大きく崩れないことを優先した方がレースを組み立てやすくなります。
自分に合ったHYROXペースは3ステップで決める
初心者が自分のランニングペースを決めるなら、次の順番で考えると分かりやすくなります。
STEP1|まず普段の1kmペースを把握する
最初に、自分が普段どの程度のペースで走っているかを確認します。
例えば30〜45分程度のランニングを行い、無理なく維持できる1kmあたりのペースを確認します。
ここで重要なのは、1kmだけ全力で走ったタイムではありません。
一定時間続けられるランニングペースを知ることです。
STEP2|ワークアウト後に1km走ってみる
次に、HYROXらしい疲労を加えます。
例えば、
- 1km RUN → Farmers Carry → 1km RUN
- 1km RUN → Lunges → 1km RUN
- 1km RUN → Burpee Broad Jumps → 1km RUN
のような短い組み合わせを試します。
そこで、ワークアウト後の1kmがどの程度まで落ちるのか確認します。
STEP3|8本維持できそうなペースへ調整する
最後に、「このペースなら8回走っても大きく崩れなさそう」という速度へ調整します。
普段の走力を確認
↓
WORKOUT後の1kmを確認
↓
8本維持できる速度へ調整
これが初心者にとって現実的なHYROXペースの決め方です。
「会話できるか」より自分の運動強度で判断する
ペースを数字だけで決めにくい人は、体感的な運動強度も参考になります。
スタート直後から呼吸が大きく乱れ、すでに限界に近い状態なら、その速度を残り7本維持するのは難しくなります。
一方で、余裕を残しすぎればタイムを大きく使うことになります。
最初の数本では「まだ上げられる」と感じる程度に抑え、後半までランニングフォームとペースを維持できるか確認していくと、自分の適正ペースを探しやすくなります。
ワークアウトごとに同じペースで走れるとは限らない
理想的には8本を大きく崩さず走りたいところですが、すべての1kmを完全に同じペースで走れるとは限りません。
直前のワークアウトによって疲労の種類が変わるからです。
例えば、下半身への負担が大きいワークアウト後は、脚が重く感じることがあります。
重要なのは、1本だけの遅さに焦ることではありません。
8本全体で大崩れしないことを考えます。
目標タイムからランニングペースを逆算しすぎない
「HYROXを1時間30分で完走したいから、ランニングは○分/km」と単純に決めたくなるかもしれません。
しかし、HYROXの総合タイムにはランニング以外も含まれます。
- 8つのワークアウト
- Roxzoneなどの移動
- 種目中の休憩
があるためです。
同じ1時間30分の選手でも、ランニングが速くワークアウトが遅い人もいれば、その逆もあります。
まず自分の実際のランニング能力を確認し、そこから総合タイムを考える方が現実的です。
ペースを上げるより「後半の失速を減らす」方が効果的な場合もある
初心者の場合、「もっと1kmを速くしなければ」と考えがちです。
しかしレースタイムを縮める方法は、最高速度を上げることだけではありません。
例えば、
- 前半5:30/km
- 後半7:00/km
と大きく崩れるなら、最初から5:45〜6:00/km程度で安定させた方が、レース全体ではうまくまとまる可能性があります。
ここで示した数字はあくまで考え方の例ですが、HYROXでは「最速ペース」より「再現できるペース」が重要です。
HYROXのランニング練習ではペースを3種類に分ける
HYROX向けにランニング能力を高めたい場合、毎回同じ速度で走る必要はありません。
初心者なら、目的を分けて考えると整理しやすくなります。
① ゆっくり走る日
長く走る基礎体力を作るためのランニングです。
毎回高強度にせず、一定時間動き続ける土台を作ります。
② 少し速く走る日
普段より速いペースを一定時間維持する練習です。
ランニングそのものの能力を高める目的があります。
③ RUN+WORKOUTの日
HYROX特有のペースを確認する日です。
ワークアウト後にどの程度走れるかを確認し、本番用のペース設定につなげます。
EASY RUN
+
FASTER RUN
+
RUN × WORKOUT
GPSウォッチがあるとHYROXのペース管理はしやすい
ランニングペースを把握する方法のひとつが、GPSウォッチやランニングウォッチを使うことです。
練習時に、
- 1kmあたりのペース
- 走行距離
- 心拍数
- ラップごとのタイム
などを確認できると、自分がどのくらいの速度なら維持できるのか分析しやすくなります。
ただし、時計を買えばペース管理が上手くなるわけではありません。
まずは自分の走力を知り、その記録・分析を助ける道具として使うのが基本です。
HYROXのランニングペースについてよくある質問
Q.HYROXは1km何分で走ればいい?
全員共通の正解はありません。
現在の走力とワークアウト後の疲労を考え、8本を大きく崩さず走れるペースを基準にします。
Q.普段5:00/kmならHYROXも5:00/kmで走れる?
必ずしもそうとは限りません。
HYROXでは各1kmの間にワークアウトが入るため、普段のランニングよりペースが落ちる可能性があります。
Q.初心者はゆっくり走っても大丈夫?
初出場では、最初から無理な速度を設定して後半に大きく失速するより、自分が維持できるペースでレースを組み立てる方が現実的です。
Q.ランニングペースを速くするとHYROXのタイムも縮まる?
ランニングは合計8kmあるため、走力向上はタイム短縮につながる可能性があります。
ただし、ランニングで力を使いすぎてワークアウトが遅くなれば、総合タイムが改善しない場合もあります。
Q.大会前に本番ペースを確認した方がいい?
練習でRUN+WORKOUTを組み合わせ、自分がどの程度のペースなら疲労後も走れるか確認しておくと、本番のペース設定を考えやすくなります。
まとめ|HYROXのペースは「速さ」より8本の再現性で決める
HYROXのランニングペースを考えるときは、次のポイントを押さえておきましょう。
- 全員共通の正解ペースはない
- 普段のランニングより遅くなる可能性がある
- ワークアウト後でも走れるペースを基準にする
- 1本目から飛ばしすぎない
- 最高速度より8本を大きく崩さないことを優先する
速い1kmを作るより、
8回再現できる1kmを作る。
それがHYROXのペース設定の基本。
自分のランニングペースが見えてきたら、次はHYROX全体でどのくらいのタイムを目標にするか考えてみましょう。