順調かどうかわかりませんが、粛々と10話が終わり、内容的には、そのまま、11話へ・・という流れです。
こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。視聴しながら生じた疑問の考察やら、内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。
ラストまでの完全ネタバレです。
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。
シグナル 시그널 英題:Signal
(tvN Jan 22, 2016 - Mar 12, 2016 1時間15分×全16話)
対象:15歳以上
脚本:Kim Eun Hee
演出:Kim Won Suk
※このドラマは、犯罪を扱うという特性上、登場人物がエピソード毎にたくさん出てくること、1話完結ではないこと、現在・過去の描写が頻繁に入れ替わる、など、通常の筋追いでは、わかりにくい部分もあるため、補足も兼ねて、びびの独断で、人名や、人間関係など、ドラマよりも先に、リマインドしたり、説明をする場合があります。
極力、ドラマ上、「なるほど!! この人がこういう立ち位置だったのね」という謎解き部分の醍醐味が損なわれることのないように工夫したいとは思いますが、なにぶん、整合性を取り切れない箇所もでてきそうな気がします。
余計、わかりにくくなったりしたら、ほんと、申し訳ないです。
前記事をお読みでない方は、さきに、こちらからお読みください。
【Episode 10-4】
現在
~不動産会社~
一方、スヒョンと分散し、ひとりで、不動産会社を巡るヘヨン。
ヘヨン「去年の冬、突然失踪した人を探しています。このあたりで、一人暮らしをしていたはずなんです。20代後半くらいだと思いますが・・・」
社長「さぁ、そういう話は聞いたことがありませんが・・」
同じ質問、同じ答えの繰り返しって感じです。
ヘヨン「もし、なにか思い出されたことがありましたら、この電話番号に連絡してください。お時間を取らせてしまってすみません」
帰ろうとしたヘヨンが、店の中に貼ってあった大きな地図に目を向ける。
ヘヨン「すみません。どうして、この地図には、空いてる場所があるんでしょう?」
社長「そこには家が建ってないんですよ。全部、工場でしてね。
ヘヨン「工場ですか?」
はい、ここで、ヒントの達人、オ先生の出番です。
オ・ユンソ<ただ、骨を調べたところ、大量の水銀が蓄積されていることがわかったの。>
急いで、その工場地帯を訪れるヘヨン。
そのうちの1軒の前で立ち止まる。
ホンギ<ホンウォン洞に、水銀を扱う工場は一つしかありません。セガンという電球を作ってる会社です。去年、水銀の不法投棄が原因で、大騒ぎになりましたよ>
調べてもらったみたいです。
早速、事務所に向かったヘヨン。
責任者「昨年、いなくなった女性の従業員ですか?」
ヘヨン「冬頃だと思います」
責任者「さぁ、どうでしょう。あまり自信ないですねぇ。」
ヘヨンの視線を感じ、たくさん従業員が出入りするため、いちいち気にしていられないのだ、と弁解する上司。
ヘヨン「この件は、お宅の会社にとって、マイナスになるようなことではありません。ただ、重要なことなんです」
そう言われても・・・と、消極的な様子です。
ヘヨン「どなたか女性の従業員の方とお話しさせてもらう、という形でもかまいません。私のほうで質問させてもらいますので・・・」
下出に出つつ、簡単には引き下がらないヘヨン。
責任者「・・・・・・」
どうしたものか、と考えてますね。
その時、近くで、二人の会話が聞こえていたらしい事務の女性社員が、「あの・・昨年の冬にいた人のことだと思います。なにも言わずにいなくなってしまったあの人のこと、聞きたいんですよね?」と声をかけてきました。
ないす!!
早速、話しを聞くことにするヘヨン。
女性社員「あんまり喋らない人でした。職場でも、誰とも親しくしてなかったし・・・。職場の寮に住んでたんですけど、去年の冬、うちの会社が訴訟を起こされたりして、大騒ぎしてた頃、電話一本もよこさず、連絡つかなくなったんです。でも、職場のみんな、すごく忙しくて、彼女のことに気を配ってる余裕なかったんです。とりあえず、この箱に、彼女の私物をまとめておきました」
そういって、工場の隅に置いていた箱を取り出し、開けて見せる女性。
あ・・ジヌが店の前で拾った日記帳みたいなものが見えます。
これにより、身元不明者(最後の犠牲者)は、ジヌが、雨の晩に、名前を確認したコンビニ客の“ユ・スンヨン”さんだった、ということが、視聴者に確定的に明らかにされました。
真っ先に、その日記帳を手に取るヘヨン。
~未解決捜査班~
ホンギは、先に、署に戻ってたのかな。
ホンギ「ええ、ユ・スンヨンさんの家族関係を調べたところ、両親は既に他界してます。兄弟もいません。ああ・・祖母がいますね。」
身内がいてくれてよかった・・・と言えるのかどうか、今の段階ではわかりませんが、それでも、無縁者として弔われるのとは、全然違います。
~ホンウォン洞 工場前の道路~
停車中の車の中から、ホンギと連絡を取り合っていたヘヨン。
ヘヨン「その人のDNAを使って、ご遺骨のDNAと照合してみてください。この女性である可能性は高いと思います」
ホンギ<はい、わかりました>
とうとう、手がかりをつかめたヘヨン。
スンヨンの私物の箱を開け、改めて、日記を読んでいき、紐のしおりが挟まれたページあたりから、ゆっくりと目を通していく。
『ただ、わけもなく、今日、涙が出てきました。
空は青く、とてもいい天気でした。
来年の誕生日には、一人で過ごしたくありません。
スンヨナ・・お誕生日おめでとう』
感性豊かで、決して、他者と交わるのが嫌だ、とか、排他的で頑ななようなものは感じません。
コンビニで、一人、食事を取るスンヨン。
別の日のページでは・・・
『あの場所にいくと、心臓が高鳴ります。
だから、私は、いつも、その場所に行きつくのです。
こういう気持ちを、人は、“幸せ”と呼ぶのでしょうか。
早く明日がくればいいのに・・・
そこで、また、彼に会えることを願って・・・
彼は、私のあとをついてきていました。私を観察しているようでした。
はじめは、偶然なのかなって思っていたんです。
本当に私のことが好きなのかな?
彼は、いつも、私の背後に立っています。』
これを読む限り、単純かつ一方的なスンヨンの片思いというより、自分という存在に、気を留めてくれる存在に、惹かれていった、という印象を受けます。
ただ、スンヨンにとって、不幸だったのは、それが、ジヌの好意からくる視線ではなく、孤独をまとい、生きることに疲れ果てたように見える女性客にターゲットを絞るための視線だったということです。
ヘヨン「話せていたら、もっとよかったんだが・・・」
これだけでは、相手の男の素性がわかりません。
日記のページをめくりながら、他にも、手がかりがないか、ざっと目を通すヘヨン。
日記の後ろ側に、どうやら、家計簿代わりに、購入したものをつけているようなページを発見しました。
シャンプー7000w、靴下3000w、キンパ700w、水700w
日付ごとに、几帳面に書かれているようです。
ヘヨン「・・・・コンビニ?」
ジェハンも、「被害者は、スーパーに買い物に行くことさえ、苦手だった内向的な人たちです。」そう言ってました。
買い物の記録は、ずっと続いています。
慌てて、スヒョンに連絡するヘヨン。
スヒョン「私よ。なにか見つかった?」
車から降りたところだったスヒョン。
ヘヨン<コンビニです>
スヒョン「コンビニ?」
突然、言われて、めんくらうスヒョン。
運転しながら、通話するヘヨン。
ヘヨン「被害者たちは皆、スーパーに行くことも苦手な内向的な人たちでした。だったら、日用品などをどこで買っていたんでしょう? コンビニは、スーパーとは違います。いつ、何を買おうと、誰も気にしたり、邪魔したりしません。コミュニケーションをとる必要がない空間なんです。友達がいなくても、そこで食事もできますし、変に思われることもない。24時間営業だから、いつだって行けるんです。最後の被害者も同じことをしたんです。彼女の持ち物を調べたところ、コンビニでしか買い物をしてませんでした。」
スヒョン「その女性が、被害者なのは間違いないのね?」
ヘヨン<今、DNA検査中です。分析結果が出たら、確信できるはずです。その前に、工場周辺のコンビニを覗いてみようと思います>
スヒョン「わかったわ。私も、そっちに向かう」
そう言って、夜の町を走り出したスヒョン。
数メートル走ったところで、足を止めてしまう。
この感じ・・・・
昔、必死に走った時のことを思い出したスヒョン。
※ここでは、スヒョンの右側に、街灯が見えています。
ビニール越しに見える光も右側です。
後ろを振り返る。
左側に続く街灯。
スヒョン<街灯は、私の左側にあった・・・。だけど、(今から向かおうとしている)この道は、右側にある。>
記憶を辿ると、走りながら、ビニール袋越しにも、左側に、うっすらと街灯の灯りを感じていたのも思い出せる。
スヒョン<まるっきり逆だわ。街灯が・・・逆側だった>
これが、催眠療法によって、奥底に封印した記憶が鮮明になった効果のおかげかどうかはわかりませんが、実際に、ここに来て、同じような時間帯に降りたってみて、その矛盾に気づけたスヒョン。
これは、愕然とするしかない。
~コンビニ~
早速、レジカウンターにいた店員さんに声をかけるヘヨン。
ヘヨン「こんばんは」
店員「はい、いらっしゃいませ」
ヘヨン「ソウル庁の者です。こちらで働かれて、どのくらいになりますか?」
店員「2年ほど前からです」
ヘヨン「そのくらいから、こちらで働いていた従業員の情報を見たいのですが」
店員「私以外だと、ここでずっと続けて働いていたのは、2名ですね。一人は高校生で、もう一人は大学生です。」
このコンビニのお姉さん(というか、アジュンマというか)どこか見覚えあるんですが、おそらく、こういった感じで、1シーンでセリフをこなせるタイプの役者さんだと思われます。
台帳で名前を確認するヘヨン。
ヘヨン:1997年から殺害しているとしたら、どれだけ若いと主張しても、30代半ばくらいでなければならない。
犯人像と一致しません。
韓国も、コンビニ多いねぇ。
次々に調べていくヘヨン。
何軒目かに飛び込んだコンビニで、レジカウンターに誰もおらず、商品棚のほうに目を向けて、一発で違和感を覚え、立ち止まる。
目を見張るヘヨン。
ヘヨン<髪や衣服は清潔で、ほとんど脅迫観念にとらわれているかのように、キレイにまとめられています。自宅でも職場でも、彼の周囲は整理整頓されていることでしょう。>
まさに、自分のプロファイリング通りの光景が、目の前に。。。
~ホンウォン洞 路地~
恐る恐る、路地を進んできたスヒョン。
事件当時から今まで、トラウマを抱えたスヒョンが、実際に、この地に足を運べたか、どうかは定かじゃありませんが、少なくとも、この時間帯に来たのは、はじめてだったに違いありません。
自分の勘違いに気づいた今、まず戻るべき場所は、ジェハンによって、自分が発見された場所です。
襲われたときの恐怖。そして、くぐもってはいるけれど、耳に残っている、自分の名を呼ぶジェハンの声。
立ち止まったスヒョン。
今は、たくさんのバイクが止められているけれど、確かに、この場所だった。
スヒョン:当時、先輩たちは、私が用水路沿いにまっすぐここまで走ってきたと考えていた。だから、みんな、用水路周辺を探したんだわ。
通りの左右を何度も何度も、見比べるスヒョン。
スヒョン:出発点が間違っていたんだ。
そう考えながら、(今まで想定されてきた道とは反対の道に向かって)猛然と、歩き始めるスヒョン。
不自然に、道路にはみ出したように立っている数本の電柱を見て、歩みを止める。
直接、触って、その感触を確かめる。
スヒョン:私が(なにかにぶつかった、と)感じた場所はここだ。
ここにぶつかって、倒れた拍子に、足だけをつかって、やっと起き上がれたスヒョン。
スヒョン:その時、方向感覚を失ったんだ。そして、今、走ってきた道のほうに逆戻りして、再び走り始めてしまった。街灯が反対方向になったのは、そのためだったんだ。
ここで、スヒョンが感じた、10分か15分くらい走ったという時間の感覚・走行距離と、現場の状況に、狂いが生じた、というわけです。
つまり、発見された地点から、そう遠くないところに監禁されていた、ということがわかりました。
スヒョン:私が封印していた記憶・・・もう、二度と思い出したくなかったその記憶。
自分が走ってきた方向にむけて、走り出すスヒョン。
~回想~
そして、ジヌにぶつかり、またまた、道に転がったスヒョン。
あろうことか、犯人のジヌのほうにむかって、自ら、走って戻ってきてしまったことになります。
ジヌ「俺が手伝ってあげるって言ったのに・・・」
なんとか、その声から逃げようと、もがくスヒョン。
口を縛られていても、大きな息が悲鳴のように、夜の町に響くのを恐れたジヌに貼り飛ばされてしまう。
スヒョンに馬乗りになったジヌ。
そのまま、渾身の力で、首を絞められる。
足をジタバタして、最後まで抵抗するスヒョン。
その時、間一髪、ジェハンがやってきた。
ジェハン「チャ・スヒョン!」
スヒョンを探すジェハンの声が聞こえ、慌てて、とびのくジヌ。
夢中で、走り出したスヒョン。
考えたとおり、さきほどの(発見)場所に戻ってこれました。
スヒョン「ここが発見された場所だった・・・ここの・・・この近く・・・」
息を整えるスヒョン。
~コンビニ~
注意深く、商品棚を見ていくヘヨン。
商品の並べ方だけではなく、色、バランスともに、異様なほど、整理整頓され、陳列されている店内。
そこに、電話がかかってくる。
ヘヨン「パク・ヘヨンです。」
ホンギからでした。
ホンギ「DNAの検査結果が出ました。最後の被害者で間違いありません。ユ・ソンヨンさんが最後の被害者です。」
目の前に広がる、この異様なほど整えられた商品の陳列方法を見ながら、自分がプロファイリングした内容と現実が、どんどんリンクしていく恐ろしさと緊張感に包まれているヘヨン。
過去 【2014年冬】
ジヌ「ユ・ソンヨンさん」
自分の自宅まで、傘をさしかけて、ついてきたソンヨンを呼び止めたジヌ。
振り返るスンヨン。
スンヨン「どうして、私の名前をご存じなんですか?」
そりゃ、驚くよね。
ジヌ「・・・・・・・」
スンヨンの手から離された傘が、道路に転がり落ちる。
隙を与えず、家の前の道で、意識を失わせたのね。
現在
~ホンウォン洞 路地~
路地を進んできたスヒョン。
彼女の五感が、ジヌの自宅近くの空気に反応したかのように、自然と足がとまる。
視線を道路に向けると、そこには、マンホール。
家から飛び出した際に、一番最初に、道路に倒れた時に嗅いだ下水道のような匂い。
スヒョン「あの時と同じ匂い・・・」
しばらく、動きを止めているスヒョン。
一軒の家のドアが目に入る。
~コンビニ~
呆然と立ち尽くしていたヘヨン。
バックヤードから、誰かが出てくる気配に、身構えると、出てきた途端に、ぐっと掴み、反転させ、ショーケースに押し付ける。
店員「わ、わ、わ・・・な、なにするんですか?」
ヘヨン「ここを揃えているのは、おまえか?」
店員「ち、違います。私の前に勤務してたアジョシ(おじさん)ですよ」
ヘヨン「奴はどこにいった?」
店員「し、仕事が終わったから、たぶん、家だと思いますけど・・・。放してくださいよ。痛いなぁ・・・」
高校生らしいバイトの男の子でした(苦笑)
ごめんね。痛かったよね。
~ホンウォン洞 路地~
緊張しながら、ゆっくりと、近寄っていくスヒョン。
呼吸を整えながら、ドアをノックする。
反応なし。
ドアに手をかけると、鍵がかかっていない。
静かに、ドアをあけるスヒョン。
表情は固いまま。。。
ふ~~~、緊張感を漂わせながら、10話終了です。
★『シグナル』EP.10-4 雑感★
先輩刑事たちが、他の事件も放り出し、足を棒にして、血眼になって探し求めたのに、該当する監禁場所が見つけられなかった、という理由付けのためなのか、随分、時間をかけて、説明してくれました。
でも、冷静に考えてみて、用水路沿いを探す・・というのとは別に、発見場所がわかっているのなら、それを中心にすえて、円状に広げていくくらいのことはしてもよさそうじゃん、と思ってしまいました(苦笑)
先入観の恐ろしさってことですね。
もちろん、あとからなら、なんとでも言えるのでございます。