予定外に時間かかりましたが、ようやく15話おわりです。てへぺろ


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【Episode15】(1) はこちらから

【Episode15】(2) はこちらから                 

 

 ホテル・デルーナ호텔 델루나

【Episode15】(3)

 

~マンウォルの執務室~

オ・テソクを呼んだマンウォル。

マンウォル「あなたは、多額の寄付を行い、チ・ヒョンジュンの名前で病院も設立したそうですね。」

テソク「私は、自分の人生を悔い改めながら過ごしてきました」

マンウォル「それなら、あなたはそのために、もう一つくらいできますよね。どうか、チ・ヒョンジュンの名前で、学校を購入してください。そうしてくれれば、名門校に通っていたヒョンジュンを助けられますよ。だから、どうか我々のために買ってください」


~学校の講堂~ 

学校関係者「我々は、チ・ヒョンジュン博士(医師)に、このような多額の寄付をいただき、とても感謝しています。」

ああ、やっぱり、こういう実際の人間相手の交渉とかの件は、チャンソンが代理人なのね。(笑)

校長「しかしながら、本当に、真夜中に、このような小さな授与式でよろしかったんでしょうか?」

チャンソン「チ・ヒョンジュンさんの唯一の望みは、名門校での卒業証書ですから。それに、夜中のほうが出席者にとっても都合がいいんですよ。」

校長「今日、卒業証書を受け取る方も、チ・ヒョンジュンさんですよね。チ・ヒョンジュン博士と同じ名前のようですが・・」

チャンソン「彼は、この学校に通うことが大好きだった学生なんです。ああ、彼です」

ヒョンジュンを先頭に、檀上に【チ・ヒョンジュンの名誉卒業証書授与式】と掲げられた講堂に入ってくる一同。

校長「皆さん、ご家族の方ですか?」

チャンソン「・・・ええ、家族です」

校長「これで、皆さん、おそろいですか?」

チャンソン「ええ。とてもたくさんの人がきてくれてますよ」

普通の人には見えてないけれど、これだけの数ってことは、ホテルの宿泊客とかも来ちゃってるみたいです。(笑)

 

後ろの席を見回すマンウォル。

マンウォル「なんで、みんなを招待して、こんな大騒ぎにしたのよ」

ソンビ「ヒョンジュンは人気者ですからね」

呆れるマンウォル。

ソフィ「死神が、バスを準備したんですから、社長様は心配なさらないでください」

苦々しいマンウォルも、それ以上、文句は言わない。

講堂の壁にもたれて、立っている引導使者。

 

壇上に登り、卒業証書を、満面の笑みで受けとるヒョンジュン。

ユナ「卒業おめでとう」

花束を手渡すユナ。

ヒョンジュン「ありがとう。みんな、来てくれてありがとう!」

場内、拍手喝さい。

 

~サンチェスのピザ店~

お祝い会が開かれ、店は貸し切り。。。

側で見守るチャンソンと、お客様が見えないサンチェス(笑)

サンチェス「チャンソン、ここの人たちはみんな幽霊なのか?」

チャンソン「ああ。サンチェスに見えてるのは、長年、幽霊だった人たちなんだ。彼らは、自分自身で、自分の姿を形ある姿で見せることができるんだよ」

サンチェス「自分自身で姿を見せる? そんな能力があるんだな」

チャンソン「あそこのテーブル以外だと、あとは、うちのホテルで働いてるスタッフたちで一杯だよ」

テーブルの上にピザが置かれているものの、空席状態の店内。

サンチェス「こっちも、あっちも一杯なのか?」

内心、怖さを忘れようと、ワインを飲み干すサンチェス。

チャンソン「ヒョン、そんなにつらいなら、外に出ていてもいいよ」

サンチェス「いや、俺なら大丈夫だ。今以外に、幽霊たちの会食を見る機会なんて、いつあるんだよ」

チャンソン「本当に辛くないのか?」

サンチェス「なぁ、あのマノリの従妹は、本当に人間じゃないのか?」

ユナは、たしかに、この中ではちょっと違うグループ分けだよね。

チャンソン「ああ、(話せば)長い話なんだ。彼女は幽霊なんだが、他人の身体に乗り移って・・・」

サンチェス「ああ、いいいい。彼らは人間にも乗り移れるんだな。」

盛り上がっているヒョンジュンたちを見て、一緒になって、微笑んでいるチャンソン。

サンチェス「チャンソン、おまえ、ここにいる幽霊が好きなのか?」

チャンソン「みんなで食事をするなんて、初めてなんだよ。同僚との会食は楽しいだろう?」

すでに、その“同僚”の前提が崩れちゃってるサンチェス(笑)。

チャンソン「おい、サンチェス、飲みすぎるなよ。彷徨ってる幽霊の中には、飲んでいる人間に乗り移ろうとするものもいるんだ。」

サンチェス「本当か?」

チャンソン「あのテーブルに座ってる人、さっきから、お前のほうを見続けてるぞ、気をつけろよ」

サンチェス「幽霊も、俺みたいなイケメンが好みなんだろう。そうだろ?」

 

会食も終わり、車の中にいるチャンソンとサンチェス。

防犯カメラの設定をしているチャンソン。

道を横切った老人を見て、「うわ、幽霊か?」と驚くサンチェス。

サンチェス「俺にも、見えるようになったのかな」

チャンソン「ほら。こんなにはっきり録画されてるだろ。幽霊じゃないよ」

サンチェス「驚かせるなよ。幽霊じゃないって思ったよ」

チャンソン「そんなに怖がる必要ないよ。彼らだって、もともと人間だったんだから」

サンチェス「怖がって当然だろ。お前も、変な奴らになるつもりなのか?チャンソン、俺はお前が遠くに行ってしまうような気がするよ。。。俺は、お前が完全にあっち側にいくんじゃないかって心配なんだよ」

チャンソン「ヒョンの心配はわかるけど、今日、ヒョンが見た人たちは、みんなここを去ることになるんだ」

サンチェス「マノリもか?」

直球で聞くねぇ。

チャンソン「うん。チャン・マノルさんもだ」

複雑な二人。

ここ、ヴェロニカを失ったサンチェスだから、意味があるのね。

 

~マンウォルの執務室~

ソフィ「社長様がいなくなられた時、ク支配人様に、薬を渡したんです」

箱を空けると、薬がそのまま残っている。

マンウォル「飲まなかったようね」

ソフィ「そのようです。ク支配人様は、社長様が戻られると信じていらしたんですね」

微笑むマンウォル。

マンウォル「客室長はそうじゃなかったみたいね」

ソフィ「私は、社長様が、この場所から自由になれればいいと思っていました。ですが、あなたは戻ってこられた」

マンウォル「以前のように、月の木に縛られているせいで、戻ったわけじゃないの。新しい主人が来るようよ。麻姑神が準備してるみたい。」

ソフィ「ク支配人様はご存じなんですか?」

マンウォル「うん。知ってるわ。お互いに、それについて話したことはないけど。」

お互いのことを案じている、こういう距離感が、マノルとチャンソンには合っているような気がします。


マンウォル「私がいる間に、キムソンビも、客室長も、ヒョンジュンも送りたいけど、もしかしたら、十分な時間は残されてないのかも・・・。」

 

ソフィが部屋を出てくると、ちょうど、チャンソンがやってくる。

ソフィ「社長様は中にいらっしゃいます」

チャンソン「客室長・・・。薬局で発見した、あの女性を訪問したところ、彼女はもうすぐ出産するだろうとのことでした。もし、その赤ん坊が、家族の系譜を継ぐとしたら、まだ、これからもずっと、とどまり続けますか?」

ソフィ「チャン社長とホテルデルーナが消えてしまった後でも、私がこの世界をさまようのを恐れているんですか?」

チャンソン「気づいていらっしゃったんですね」

ソフィ「今、知りました。社長様は、もう月の木に縛られてはいません。もし望めば、来世に逝くことができるんです。今、社長様をここにつなぎとめているのは、ク支配人様のようです

チャンソン「別の意味で、私が月の木になっていることを恐れているんですか?」

ソフィ「麻姑神様が以前、(幽霊の)死婚式に来た新婦に、言ったことを思い出しました。掴んでいるよりも、手放すほうが勇気がいるのだと。」

幽霊となった新婦が、自ら新郎とつながっていた赤い糸を、切り離したときのことを思い出したチャンソン。

一礼して、ソフィが行ってしまうと、重い溜息をつくチャンソン。

 

マンウォルの執務室に入ってみると、マンウォルが重そうなトランクを二つも下げて、ヨタヨタと出てくる。

マンウォル「ああ、重い、、重すぎる!!」

慌てて、駆け寄り、受け取るチャンソン。

チャンソン「これ、何ですか?」

マンウォル「時々、出してくるのよ。うわ、すごい埃。」

ふふ、ここでも、スポンサーの炭酸ドリンクを飲むマノル。(笑)

マンウォル「開けてみなさいよ」

トランクの蓋をあけるチャンソン。

チャンソン「カメラですか?」

マンウォル「うん。あそこからここまでの写真は、みんなそれで写したのよ」

チャンソン「ずいぶん、古いものみたいですね。以前の支配人たちが、あなたのために、あの写真を撮ったんですか?」

マンウォル「見てよ、ほら、あれ。 この満月堂の写真を撮った人間は、私の金を全部使い切ったあとに逃げたのよ。追いかけたら、彼の妻が出産間近だったってわかったの。だから、見逃すしかなかった。」

そりゃ、仕方がないという表情のチャンソン。

マンウォル「あんたは、ホテルデルーナのファン・モンスクを知ってるでしょ。これの前は・・・ああ、これこれ。この時の支配人はイケメンだったわ・・・」

ちらりと、マンウォルを見るチャンソン。

マンウォル「イケメンなオッパだったら、オラボニ~って呼ぶべきだってみんなに言われたわ。彼はただのオラボニじゃなかった。」

チャンソン「信じませんよ。キム・ソンビ様に全部聞いてます。彼がこの500年の間に見てきた支配人の中で、僕が一番イケメンだそうですね」

自分の胸をポンポンと叩くチャンソン。

睨みつけるマンウォル。

チャンソン「それに、僕のルックスのせいで、あなたは恋に落ちたって言ってましたよ。」

マンウォル「ふん、なんで、キムソンビとそんな話するのよ。いつのまに、あんたたち二人、そんなに仲良くなったの?」

チャンソン「だから、その当時、あなたと一緒にいた人たちと、これらの写真を撮ったわけですよね。反論する証拠として。。。」

マンウォル「当時の私にとって、彼らと関係を結ぶことは、意味がないことだった・・・。でも、こうして、あんたとこれを見ていると、何か記録も残すのも悪くないかもね。。」

チャンソン「じゃ、いますぐ、記録を残したくありませんか?あのカメラで。ヒョンジュンも卒業証書をもらえましたが、写真はとってません。みんなで写真を取りましょうよ。僕が撮りますよ」


着替えてきた一同。

ソフィのリボンタイを結ぶマンウォル。

ソンビ「今まで、写真などとったことがないからな。ちゃんと写るだろうか?」

ヒョンジュン「大丈夫ですよ。僕、前にも携帯で写真撮りましたから」

ソフィ「私たち、もっと、顔を赤くすればよかったです。これじゃ、幽霊みたいに青白いですよ」

マンウォル「平気よ。幽霊が幽霊に見えるのの、どこが間違ってるのよ」

不服そうなソフィ(笑)。

マンウォル「ヒョンジュン、写真を取る時、口を開けちゃだめよ。キムソンビはまばたきしないこと!」

チャンソン「さぁ、取りますよ。1,2,3・・・」

楽しそうに、何枚も写す一同。


ソンビ「ク支配人も一緒に撮りましょう。さ、あ急いで」

これも好き。


そして、究極のベストショットです。

 

 

写し終わったあと、トランクの上に腰掛けているマンウォル。

チャンソン「そんなところに座ってたら、どうやって、かたずければいいんですか?どいてください」

文句を言うチャンソン。

 

「じゃ、持ち上げてみてよ」と両手を広げて、甘えん坊のポーズをとるマンウォル。

こういうことも言えるようになりました(笑)

 

腕組みをして、睨むチャンソン。

マンウォル「やってみてよ。持ち上げてくれるまで、動かないからね」

チャンソン「いいですよ。そこにずっといてください」

不機嫌そうに立ったままのチャンソン、かと思いきや、次の瞬間、油断していたマンウォルを抱き上げる。

大喜びのマンウォルが「部屋まで~」と大声で指さすと、くるくると回ってみせ、手前のソファに降ろすチャンソン。

拍子抜けするマンウォル・・・と私。

カメラが入ったトランクを下げると、「写真を取り終わりましたから、ジャジャ麺を食べにいきますよ」と、いなすチャンソン。

マンウォル「なによ、もう!」

クッションに八つ当たりするマンウォル。

 

~デルーナ フロント~

壁に掲げられた写真を見るユナとヒョンジュン。

ユナ「写真撮ったのね」

ヒョンジュン「すごく楽しかったよ」

ユナ「どうして、呼んでくれなかったの?」

ヒョンジュン「チャン社長様が去って、ホテルが消失してしまう前に、ク支配人と一緒に撮ろうと思ったんだ」

ユナ「ホテルが消失するって?どうして?」

ヒョンジュン「麻姑神が、月の宿屋の新しい主人を準備しているんだ。だから、チャン社長様のホテルデルーナは、消えてなくなるんだよ」

ユナ「じゃ、あなたは? もし、ホテルが消えちゃったら、あなたも逝ってしまうの?」

ただ、少しだけ微笑むヒョンジュン。

なにかを考えるユナ。

 

~麻姑神シスターズの薬局~

出来上がった酒を味見する麻姑神(長女)。

 

~スカイバー~

ソンビ≪麻姑神が次のホテルの主人のために、酒を準備しているらしい≫

ユナ「私がそれを飲んで、主人になります」

ソンビ「新しい主人を決めるのは、麻姑神だよ」

ユナ「それなら、チャン・マノル社長様が飲んで、主人を続けるべきよ」

ソンビ「君は、麻姑神が再び、チャン社長をこのホテルの主人にすると思うか?彼女らは、チャン・マノルを自由にするために、必死だったんだぞ」

諦めきれないユナ。

ユナ「麻姑神様はいつ来るんですか?どこに行けば、会えますか?」

ソンビ「神は、君が会いたいからと言って会える存在なんかじゃないんだぞ」

ユナ「ここには、麻姑神様に会える人は誰もいないんですか?」

ソンビ「ああ、ク支配人は、麻姑神の薬局に入る許可を得ていると聞いたことがある。ク支配人は、麻姑神の店でホタルを見つけたと言ってた」

 

~支配人室~

チャンソンのオフィスに忍び込み、机の周囲を物色するユナ。

薬局の住所が書かれた名刺を見つける。

 

~サンチェスとチャンソンの自宅~

庭のテーブルで飲んでいる、サンチェス、ミラ、ヨンス。

あ~、このちょっと抜けてる3人がそろってる、脱力タイム、結構好き(笑)

「「「かんぱ~い」」」

ミラ「サンチェス、いままで、いろいろとありがとう。また、チャンソンとも食事しましょうね。私のおごりで。」

サンチェス「家に戻るのか?」

ヨンス「僕のところに引っ越してくるんです」

うわ~お、同棲宣言ね。

サンチェス「君たち、一緒に住むのか?苦労するぞ、ヨンスさん」

顔色が変わるミラ。

サンチェス「ミラさんは、家事を手伝ってくれようとはするんだけど、とにかく、役に立たないんだ」

笑い出すヨンス。

ヨンス「知ってます。僕たちは、たくさんケンカもしますが、どこまでケンカできるか、みてやろうということになったんです。幸いにも、僕は掃除が得意ですし、それに、彼女は僕よりも料理はできますから」

サンチェス「!?!?ミラさんが?」

ヨンス「ええ」

ほんとかよ、と、ミラの顔を見るサンチェスと、余計なことは言うな、と睨むミラ(笑)。

ヨンス「彼女が持ってきてくれたキムチやおかずは、すごくおいしかったですよ。」

ミラ「あれは、自分で作ったわけじゃなくて、両親が手伝ってくれたのよ」

ヨンス「ああ、そうなのか・・・」

サンチェス「まぁ、工場で作ってるんだから、あながち、嘘じゃないよな」

ヨンス「工場で?」

ミラ「うちの両親、キムチ工場を経営してるの」

サンチェス「通販番組でいつもやってるよ。テホキムチって聞いたことないか?」

ヨンス「テホキムチ?一人暮らしになってから、いつもそれを食べてますよ。あ~だから、ミラさんのおかずは、僕の舌に合ってたのか。なるほど。」

ミラ「あなたを育てた食べ物は、うちの両親が作ったものだったのね。私たち、一緒になる運命だったのよ」

ヨンス「本当だよな・・」

このバカップルに癒される日が来ようとはねぇ・・・(笑)

サンチェス「俺もチャンソンも、そのキムチ、食べてるけどね。韓国じゃ、無数の人が養われてるキムチブランドだよ・・・。別に、特別なことだとは思わんけどね」

聞いちゃいないバカップル。

ミラ「ヨンスさんが、自分の味だって言ってるんだからいいでしょ。ね?」

ヨンス「うん」

ラブショットまで披露する二人。。。

一緒に住むまでは、せいぜい、仲良くしろよ、ケンカされるのもごめんだし、ミラがここにとどまるのはもっと嫌だと思うサンチェスなのでした。。。(笑)

 

~スカイバー~

コーヒーお替りさんと、中年男性客の相手をしているソンビ。

ソンビ「お二人とも作家さんなんですよね?これは、李白の好きな飲み物なんですよ」

「先生様は、ベストセラー作家なんです。 新しい作品が出版される前に亡くなってしまいました」と、中年男性のことを紹介するコーヒーお替りさん。

作家「本当に残念だったよ。随分、リサーチもしたし、物語も本当に興味深いテーマだった」

ソンビ「どんな内容の小説だったんですか?」

作家「朝鮮時代のある学士(ソンビ)に関する話だ。」

お替りさん「こちらのバーテンダーさんも、科挙に高得点で合格した学士でした。」

作家「本当かね?名前は何と言われるのかな?」

ソンビ「私の名前など、歴史のどこにも残ってはおりませんよ」

作家「私が書いた小説の主人公も、科挙に最高の成績で合格した人物です。だが、彼の記録はキャンセルされてしまった」

お替りさん「そんなことがあるんですか?」

作家「彼は、淫らな文学を書いたことで捕まったため、他の学者たちに殴られ、科挙に合格したという事実も撤回することになったんだよ。これは、倒錯した学者の話だ」

顔色が変わるソンビ。

お替りさん「それは、面白そうですね。で、その淫乱書生の名前は、なんというのですか?」

酒を注ごうとしているソンビの手が震えてる・・・。

作家「彼は、たいそうな名前だったよ。“時の翼”を意味する“シリク”という名前だった。彼の名は、キム・シルイクだ 」

茶碗から酒がこぼれても、震えが止まらないソンビ様。。。

 

~回想~

「キム・シリク! もし、お前に恥じるところがあれば、二度と顔をあげるな。」

数名の学士たちが、ソンビの家に押しかけ、顔に本を投げつけるなど、乱暴を働いている。

 

当時のことを思い出しては、憤怒で身体が震えるソンビ。

 

作家「原稿は、すでに書き終えているから、もしかしたら、私の遺作として出版されるかもしれん。是非とも出版してほしいものだ」

 

そんな本が出版されたりしたら、ソンビの名誉は永遠に回復できなくなっちゃうよね。。。

 

~麻姑神シスターズの薬局~

恐る恐る中に入ってくるユナ。

その中で、ひときわ存在感を放っている甕を発見する。

ソンビ≪その酒は、月の力で作られてるそうだ≫

じっと、その甕を見つめるユナ。

 

~巨木の庭~

太い幹と、枝ぶりだけが残っている月の木。

ソフィ「まるで、昔に戻ってしまったようですね」

マンウォル「いいえ、あの時とは違うわ。あの時は、ただ立っているだけだった。でも、今は、再び時が経過し、葉が茂り、花が咲き、そして、それが落ちてしまった」

ソフィ「葉が茂り、花が咲くのを、また、見たいですか?」

微笑みを浮かべるマンウォル。

マンウォル「(この木は)もう死んでしまったの。もし、もう一度そのような時間を過ごしたいなら、生まれ変わらないと。」

ソフィ「そうですね」

 

そこへ、飛び込んでくるユナ。

ソフィ「ユナ、一体、どうしたの?」

瓶をかかえて、マンウォルの前に進み出るユナ。

ユナ「社長様、私、この酒を麻姑神様の薬局から盗んできました。」

さすがのマンウォルも、事態が飲み込めない。

ユナ「これは新しい主人のためのものだそうです。これを飲んで、このホテルに留まってください。」

必死な想いで、ここにきたであろうユナのことを、理解するマンウォル。

瓶を受け取ると、黙って、ユナを見つめる。

 

~麻姑神シスターズの薬局~

麻姑神「ここに入り込んだ少女が、お前さんのホテルの外にでて、私が作った酒を盗んだようだ」

麻姑神に呼びつけられたのかな、チャンソン。

チャンソン「ホテルのフロント係のヒョンジュンがいなくなることを恐れたために、こういうことをしたんでしょう。そして、ホテルが消えてしまうことも望んでいない。。。」

麻姑神「それなら、その子はおそらく、マノリのところに持っていくだろうね。もし、マノリがそれを飲んだら、月の木の力が再び宿り、デルーナはここに残り、そして、お前さんたち二人も、もう一度一緒にいることができる」

麻姑神のほうに向きなおるチャンソン。

チャンソン「もし、チャン・マノルさんがそのような選択をしたら、止めますか?速やかに彼女が逝くことを望んでいましたよね。」

麻姑神「もし、私が彼女を止めなければ、お前さんはどうする?」

チャンソン「・・・・・・・」

この時の、麻姑神の表情、(チャンソンを)試すわけでもなく、茶化すわけでもなく、本当に、二人に幸せを選びとって欲しいっていう慈愛がこもっていて、すごく好きです。


~デルーナ ロビー~

薬局から戻ってきたチャンソン。

ソフィが駆け寄ってくる。

ソフィ「ク支配人様、ユナが・・・」

チャンソン「知ってます。チャン・マノルさんは、今、どこにいますか?」

 

~スカイラウンジ~

テラスで、月を見ているマンウォル。

しばらく、その後ろ姿を見て、ゆっくりと隣に立つチャンソン。

マンウォル「月の木に縛り付けられた最初の日、あんなふうに、満月が大きく輝いていた。その時、飲んだ酒がまた、私の手に戻ってきた。ク・チャンソン、これをもう一度飲んだほうがいい?」

しばらく、マンウォルを見つめるチャンソン。

チャンソン「時間を遡って、(朝鮮時代の)あなたに会ったとき、そこにとどまるために、あなたの差し出した酒を飲みたいと思いました。もし、そうしていたら、あなたの85番目に通り過ぎた人間の支配人になり、そこで、あなたの絵を描いていたかもしれません。でも、私たちが一緒に撮った写真を壁に掛けたとき、こう考えたんです。僕は、あなたの最後の支配人、99番目の支配人になろうと・・・。100番目の支配人になり、無意味な時間を過ごしたくはありません」

歴代のマンウォルの写真を経て、ここにたどり着いたのね。

うん、本当にいい写真です。

 

チャンソン「だから、それを飲まないでください」

今までにないほど、穏やかに微笑むマンウォル。

マンウォル「あんたなら、そう言うだろうと思ってた」

微笑みかえすチャンソン。

ユナから受け取った酒の瓶の蓋をあけ、中身をこぼしていくマンウォル。

ゆっくりと落ちていく酒と、最後に落ちていく瓶までも、二人そろって見送る。

マンウォル「ありがとう、ク・チャンソン」

手を差し出すマンウォル。

マンウォル「愛してる・・・」

初めてかな、マノリがこれを口にするのは・・。

マンウォルの手を握り、「愛してます」と答えるチャンソン。

 

いろいろな想いを乗り越え、穏やかに微笑み合う、ある意味、悟りを得たようなそんな二人を、見下ろす大きな満月。。。

 

★『ホテルデルーナ』15話(3)雑感★

じんわりじんわり、3人組のエピソードが、終焉に向けて、少しずつずらしながら、動きを見せていってますね。

一つ解決しては、はい、終わり、はい、次っていう風にしたくなかったのかな。


あ、あと密かに、ミラとヨンスの同棲を面白がってる応援してる自分がいます。。。(笑)


さぁて、やっと16話ラストを迎えます。

一気に駆け抜けたいところです!


★『ホテルデルーナ』16話(1)に続く★