深まる疑惑
ある日、同僚からまた情報が入りました
パー子が「離婚するつもりだ」と周りに話しているらしい
私の心臓は大きく高鳴ります
それって…
つまり…
私は心のどこかで、パー子が既婚者であることを安心材料にしていました
幸せな家庭を犠牲にしてまで、うちの夫と不倫することはないだろう、と…
（夫はそこまでの男じゃない。確かに外面はいいけど）
でも、パー子が離婚するつもり、つまりパー子の家庭が崩壊しているなら、夫と不貞行為に及んでも失くすものはないってことです
やはり、夫とパー子はお互い離婚して、２人で新たな生活を始めようとしているのかもしれない
疑惑がどんどん深まっていきます
自分はどうしたいんだろう？
何も知らない振りをして泳がせて、証拠を掴んで…なんてことも考えたけど、それで不倫している事実が分かったら、もう正気を保っていられないかもしれない
ただただ夫を信じて、何もあるはずがないと自分に言い聞かせてやり過ごすこともできるかもしれないけど、こんな風に情報が入る度に心が乱されるのもツラい
正直言うと、例えお互いにそんな感情がなかったとしても、仲良くしてるってだけでイヤなんです
だって、職場で噂になるぐらいなんですよ？
その噂を知っている人は、私に対して「あらあら、かわいそうに」みたいな目を向けてくるわけですよ
それだけで傷つきます
職場も名前も分かってるんだから、私がパー子と直接話して、白黒はっきりさせてやろうかしら
鉄の玉
ここ数日、はちしゃんのことで思い悩んでいました
はちしゃんにダメなことはダメだと伝えたい
今やらなきゃいけないことはちゃんとやってほしい
でもそんな思いは空回り
はちしゃんは自分のやりたいことをやりたいようにしかやらない
はちしゃんが何を考えているのか分からない
よく、物分かりがいい人を「スポンジ」に例えるじゃないですか
それでいうと、はちしゃんは「鉄の玉」だと思います
こちらの言葉が全然中に入っていかない
表面にとどまることすらない
ツルツルの表面にぶつかって、どこか遠くへ飛んでいってしまう
私は、少しでも中に染み込ませようと、鉄の玉を傷つけたくなる
ヒビでも入ればそこから染み込んでいくはず
怒鳴ったり、時には手を上げたりして、はちしゃんにヒビを入れる
傷ついたはちしゃんに、伝えたいことをなんとか伝える
はちしゃんは理解してくれたように見える
でも所詮は鉄の玉
ふとした拍子に、染み込んだ水はまたヒビから流れ出す
何も伝わらない
何も分かってもらえない
はちしゃんとのやり取りは虚しさしかありません
普通の子育ては、きっともう少し違うと思います
こたさまが成長してやり取りができるようになったとき、「あれ、こんなにスムーズにいくんだ」と思いました
やっぱりはちしゃんとのやり取りには違和感を感じます
これがこの先いつまで続くのか…
このツラさを１人で抱えていかなければいけないと思うと、不安しかありません
発達障害児へのサポートはいろいろあります
きっと助けてくれる人はたくさんいると思います
でもそれは、助けてくれるだけであって、一緒に育ててくれる訳ではありません
子どもの成長に責任を持ってくれる訳ではありません
一緒に責任を持って育ててくれるはずだった夫
どうして育児を放棄するという選択ができるのか…
こんな人と結婚した私が悪いのか…
今はただ、未来に何の希望も持てなくて、人生のどん底にいる気分です
何かとうまくいかない要領の悪い私
先日、夫とパー子の会話を録音したくてボイスレコーダーを購入しました
家電量販店で１番安いやつ…と言っても、衝動買いするにはなかなかのお値段
でもまあ仕方がないです
購入後、さっそく練習してみます
コートのポケットに忍ばせて、運転しながら独り言をつぶやく
ドキドキしながら再生すると…
全然何言ってるか分からない
雑音（エンジン音やBGM）に掻き消されて、しゃべってるかどうかも判別不可能
これはひどい…
ボイスレコーダーってもっとお手軽に使えるのかと思ったら違うんですね
設置場所も大事だし、そもそもの機種の選び方も適当すぎました
座席の下や、シート裏のポケットなど、いろいろな場所に設置して試してみましたが、鮮明に録れたのはオープンな場所…つまり見える場所に設置したときだけ
私は機械が苦手で、こういうのはいつも夫に任せていました
自分で全部やろうとするとこうなるのか…
もう頼ることができないと思うと悲しくなります
ボイスレコーダーの設置場所は、もう少し検討してみるつもりですが…
パー子と飲みに行く日までに間に合うかどうか、ハラハラドキドキです
いっそ夫に「あなたの車にボイスレコーダーを仕掛けようと思うんだけど、声が録りやすくて見つからない場所ってどこだと思う？」とでも聞いたらいいんでしょうかね？