そして、毎年、お坊っちゃまのために、バラを綺麗に手入れし、奥様のお誕生日に合わせ、完璧に咲き誇らせる庭師のプレッシャーとプライド(笑)

 

無茶苦茶、ネタバレしまくってます。OKの方のみ、おすすみください。お願い
 

 

4分割しています。

前半未読のかたは、こちらからどうぞ

【Ep.10】 (1/4)

【Ep.10】 (3/4)

 

『Love by chance』 

【Ep.10】 (4/4)

 

~Peteの実家~

Peteの車で、Peteの実家に初めて、降り立ったAe。

不安そうに周囲を見回す。。。

Pete「さぁ、中に入りましょう、Ae」

Ae「ここがお前の家なのか? 想像以上だったよ。俺なんかが、入ってもいいのか?」

完全に気後れしてるAe。

 

Pete「はい、もちろんですよ。うちの母は、Aeが来るのを待ち望んでます」

Ae「でも、手ぶらだぞ。何のプレゼントも用意してない」

ん? そういうものなの?

男の子だったら、そんなものなのかな。

あんまり、気にしてみたことがなかったけど。。。

 

Pete「全然、大丈夫ですよ。Aeが来てくれただけで、最高の贈り物ですよ」

Ae「ちょっと待てよ。それって、なんか、お前への贈り物って感じに聞こえるぞ、お前のお母さんへじゃなくて・・」

Pete「もちろん、母のためにです。だって、Aeが来るのをとても待ってたし、Aeが来たら、どんなに喜ぶか・・」


その答えじゃ不満なようです。。。

なにも答えず、Peteに接近するAe。 ← いつのまに、こういうテクをこの子は身に着けたんだ?(笑)


Pete、正面のAeをまともに見られません。。。


Pete「その・・・実際、僕もすごく来てもらいたかったですけど・・・」

よくできました、とばかりに、Peteの頭を撫でるAe。

Ae「どうして、いつもそんなに可愛いこと言うのかな、おぼっちゃまは・・・」

あなたが言わせたんでしょうが!


恥ずかしがるPete。

Pete「でも・・・僕みたいな背の高い男には、“可愛い”なんて、似合わないような気がします」

Ae「だったら、俺なら、似合うのか?」

Pete「僕、Aeのことを“可愛い”なんて呼べません。だって、僕にとって、Aeは、“かっこいい”人だから・・・」

Ae「ん? 今、なんて言った?」

Pete「僕にとって、Aeは、“かっこいい”人だってことです」

Peteの手を取るAe。

Ae「もし、俺みたいなちびでも“かっこいい”なら、背が高いお前を“かわいい”って言ってもいいだろ?」

Aeの手に、自分の手を重ねるPete。

Pete「もし、僕がAeのための“かわいい”人なら、Aeは僕にとって“かっこいい”人でいてくれるんですよね?」

ラブな目で、このシーンを見てる方、大変、申し訳ございません。。

私は、すでに、さっきから、チキン肌になってます。

 

あまりのPeteの可憐さに、うまく言葉が出てこないAe。

っていうか、ちゅ~したくて仕方がない。。。

ぶらぼ~、ティーンエージャー♪

 

しかし、ここは、義理実家の敷地内。

たぶん、画面に映ってないだけで、使用人の方は、おぼっちゃまのお帰りに気づいて、お迎えのために、ずっとスタンバってると思います。。。(笑)

なんとか、理性が勝ちました。

 

Ae「中に入ろうか、お坊ちゃん。。」

Pete「はい・・・」

Ae「今、ここでお前にキスして、止められなくなる前にな・・・」

Pete「はい・・・」

 

~自宅の庭~

ハサミを持って、庭にきたPeteと、それについてきたAe。

花壇のバラの前で、立ち止まるPete。

Pete「Aeは、どれを選びますか?」

Ae「こんなに綺麗に咲いているのに、どうして、切っちゃうんだ?」

Pete「毎年、母の誕生日には、ここのバラを送ってるんです」

花壇のバラを少し、歩き回って見ていくAe。

Ae「どうして、バラを?」

しゃがんで、真紅のバラを手で触れるAe。

Pete「僕がまだ、幼いころ、毎年、母の誕生日には、大きなバラの花束が母のもとに届けられてました。誰からの贈り物なのか、母に聞いたら、父からだと答えました。当時、僕は、父が母のことをとても愛しているんだ、と思っていたんです。でも、同時に、どうして、父が直接、バラを渡しに来ないんだろう、と不思議に思ってもいました。その花束を送っていたのが、父ではなく、父の秘書からだと僕が知るまでは・・・。」

 

当然、Peteのお母さんは、それに気づきながらも、そのバラを受け取っていたってことよね。

綺麗なバラの花が、重い枷だったのね。

 

バラの花束を前に、座っている母親のもとにやってきたPete(子供時代)。

Pete「これは、なんていう花なの? すごくきれいだね」

ママ「バラっていうのよ。パパがママに送ってくれたの?どう? これ、好き?」

息子の前でだけは、笑顔を見せるママ。

 

Pete「変な話ですけど・・・・今は、その秘書が、父の新しい奥さんなんです」

 

自分の家庭環境とは比較にならない、どっひゃ~~~な話に、言葉を失うAe。

Pete「父は、覚えてすらいなかったんです。母の誕生日を忘れてしまっていたんです・・・。」

 

Peteの肩に優しく手を添えることで、当時のPeteだけでなく、今のPeteも労わろうとするAe。

Pete「両親が離婚したあとは、もうバラが届くことはありませんでした。それで、僕は、母のために、自分でバラを送ろうと決めたんです」

 

バラを摘むPete(少年時代)

Pete「でも、僕は幼すぎて、僕の手は、バラのとげで、傷だらけになるし、中には、散りかけのを選んでしまったりして・・・。それでも、母に言ったのは・・・」

 

自分が摘んだバラをママに差し出すPete。

Pete「これからは、毎年、僕がバラをプレゼントする人になるよ」

息子からの思わぬプレゼントを嬉しそうに受け取るママ。

ママ「どうもありがとう。・・・・・まぁ! これ、傷だらけじゃないの!」

思わず、顔をしかめてしまうも、そんなこと、全然気にする素振りもなく、にっこり、満足そうに笑う息子に、「ありがとう」と告げ、抱きしめるママ。

 

Peteの存在が、ママにどんなに勇気をくれただろうね。。。

 

その話を聞き、Peteの髪を撫で、なにかを決意するように立ち上がるAe。

Ae「お前が、お前のお母さんを幸せにしてあげるのなら、お前を幸せにする人間に、俺はなるよ」

その言葉に、立ち上がるPete。


Ae「それじゃ・・・どれにしようか?俺が、切るのを手伝うよ」

Pete「これがいいです。」

指さすPete。

二人で、楽しく花を選んでいく。。。

あ~~、やばい、これ。

『LBC2』を見ながら、見ちゃいけない奴だ。。。。

こんなにも、こんなにも幸せだったのに・・・。えーん

 

**********

外出から帰ってきたママ。

Ae「こんにちは」

ママ「いらっしゃい。ごめんなさいね、急用ができてしまって、私がまず対応しなければならなくて、あなたをお迎えできなかったわ・・・。Peteはどこかしら?」

Aeの顔に、緊張が走ったことに気づくママの視線は、テーブルの上のバラに・・・。

ママ「バラを置きに、私の寝室に?」

Ae「Peteは、毎年、こうしているんですか?」

ママ「ええ。最初、素手で、バラを摘んできた時には、とても驚いたわ。だって、あの子の掌はバラのとげで血まみれで、傷だらけだったのよ。思わず、それを見て、叱ってしまったわ」

二人、テーブルに座り、話しを続ける。

Ae「でも、Peteは、お母さんのために、そうすることで、本当に幸せだと思います」

Aeが、Peteの気持ちを思いやる発言をしたことで、少し、言葉を選ぶママ。

ママ「・・・・そうね。あの子が私に幸せになってほしいと思っていることもちゃんとわかってるわ。そして、私も、あの子の幸せのためであれば、“なんでもする”のよ」

それは、Peteの幸せにならないことであれば、どんなことをしても阻止するという意味にもなるよね。

 

Ae「わかっていらしたんですね」

これは、Peteの気持ちを・・・って意味でいいのよね?

 

ママ「誰か来たのかしら?」 ← 知らなかったの?

使用人「はい、奥様、デリ様がいらっしゃいました」

 

寝室から戻って来たPeteが顔を覗かせると、そちらに顔を向け、微笑むママ。

 

この子がDeliね。

Deli「お誕生日おめでとうございます。おば様」

ママ「もう、いつも言ってるでしょ。プレゼントなんか必要ないのよって。ただ、私と一緒に夕食を食べてくれるだけで十分よ」

Deli「去年、おばさまの誕生日にうっかりしてて伺えなかったんですもの。だから、今年こそは、おばさまに渡したかったんです。それから、うちの母も、おばさまが望まれるものをお送りするようにって言ってました。今日は、どうしても、仕事で来られないって。」

Deliとママの会話をじ~っと聞いているAe・・・とPete。

ママ「お礼を言っておいてちょうだいね」

Deli「はい、そうします」

ママ「二人は、会ったことがあるのかしら? こちらはAe。Peteの大学でのお友達なの」

Deli「あ~、こんにちは」

Ae・・・戸惑いが顔に出てます。。。

 

あれ、もしかして、なんか、まずい?これ・・・って焦りはじめたでしょ、Pete。(苦笑)

 

会釈するAe。

Pete「Ae、Deliは、幼いころからの僕の幼馴染なんです。」

Ae「こんにちは・・・」

 

ママ「じゃ、ちょっとだけみんなで話していてくれる? すぐに戻るわ」

中座するママ。

 

Deli「Peteと同じ大学で勉強できるなんて、素敵だわ。本当は私も、その大学に行きたかったのに、父が許可してくれなかったの。父は、自分の通った大学に、私を通わせたかったの。ね、ひどいと思うでしょ? Pete・・・」

Pete「・・・・・」

Deli「Pete?」

 

Pete、今、それどころじゃありません。。。

隣の恋人から、スナイパーみたいな目で、撃ち殺されそうです。(苦笑)

 

Pete「ああ・・・。ずいぶん、長く会えてなくて、残念だったよね」

質問と答えが合ってません。

 

Deli「そうよね。これからは、もうちょっと頻繁に会いましょうよ」

にっこり笑うDeli。

 

★【Ep 10】4/4 雑感★

ええっと、通常、はじめて、彼氏や彼女を連れてくるという日に、異性の年頃の知り合いを呼ぶというのは、親の無言のぶっつぶし作戦であることが多いと思うのですが、どうも、そうとも言い難い?

よくわかんない。。。

私だけ?

でも、Deliって、アポイントも無しに、突然、来たの?

ママを曲者にしたくないんだけど。。。

いや、ほかにもいろいろお客さんが来ちゃったとかだったら、それはまた、それで、いろいろややこしいことになりそうだし。

 

なんだか、終盤のAeの居心地の悪さみたいなものがちょっと、こっちまで伝わってきて、胸がザワザワします。

ただでさえ、アウェイだしね。

なので、すごく穿った、偏った見方をしてると思います。。。

 

ああ、でも、ここは、まず、バラのエピソードかな。

Peteの両親の間の話は、絵にかいたような、お金持ちのお話って感じだけど、毎年、お母さんのために、バラを摘んでプレゼントし続けて来たというのは、まさに、Peteにぴったりだなぁって思います。

苦労知らず、世間知らずな面ばかり、前面に押し出されるPeteですが、それなりに、いろんな思いをして成長してきたのね。


ああ、幸せなシーンが、愛の走馬灯みたいに見えてきて、二重に泣けてしまう。

こうしてみると、さかのぼって思い返してみると、序盤の「チキン肌」のシーンも必要だったね。。

私のような、捻くれ拗らせ人間には、理屈無しの甘いシーンが、拠り所になってくれることもあるんです。

 

★【Ep 11】1/4に続く★