ボジョレー・ヌヴォー (Beaujolais nouveau)とは毎年11月の第3木曜日に解禁される、フランスのボジョレー地方の業者向けの試飲新酒です。元々は、一般のワイン愛好家がたしなむものではなかったのです。試飲種として早く出荷しなくてはならないため、急速発酵技術を使っています。

 ところが、いつの間にか一般の消費者向けのイベントとして大々的に取り上げられるようになりました。特に日本ではバブル期にもてはやされました。私はそもそもの意味を知っていましたし、ワインをテイスティングできるほど味覚に自信がなかったので、ほとんど興味はありませんでした。

 本来の意味とは直接関係ないものに、バレンタインデーのチョコレートがあります。これはある老舗チョコレートメーカーがイベントとして流行らせたのが功を奏し、毎年チョコレートの売り上げに貢献するようになったものです。

 最後にハロウィンについて書いておきます。これは古代における秋の収穫のお祝いや悪霊を追い払う宗教的儀式を起源としますが、今ではアメリカをはじめとして宗教色はほとんどない行事になっています。

 私の家ではお正月とクリスマス、そしてバレンタインデーとホワイトデーは宗教などとは関係なく楽しみますが、ボジョレー・ヌーボーの解禁もハロウイーンのお祭りは今だに縁遠く、ぴんとこないまま過ごしています。


 アメリカのコンピューターメーカー、IBMのスタッフとは仕事で長年おつきあいさせていただきました。多国籍企業だけあって、いろいろな国籍のスタッフと交流させていただきました。ひとりひとりが個性的であると同時に、ある一貫した共通の仕事哲学を感じるようになりました。今だにそれをひとことで言い表す事ができないのですが、個性的でありながらも同社が蓄積した共通のフィロソフィーをひとりひとりが宿しているような感覚です。

 IBMが昔からのスローガンとして掲げてきた「THINK」(考えよ)という言葉が私は好きです。思考停止に陥りがちな自分への戒めにも思えることがあります。十分考えているようで、実はパターン化された思考のループの中でぐるぐる回っていたり、新たな視点を見いだせないまま漫然と時を過ごす事があるのに気づくことしばしばです。

 今は私のデスクには同社のノベルティーは置いておりませんが、頭の中に常にTHINKの5文字を掲げて、思考停止をしないよう年末まで駆け抜けようと思っています。

 私はクリスチャンではありませんから、本来はクリスマスを祝う立場にないのですが、子供の頃からの習慣でクリスマスをそれらしく過ごすことは年中行事になりました。

 私が物心ついた頃、60年代の高度成長期は、今よりもクリスマスシーズンに街は盛り上がっていたように思います。クリスマスを経済活動の視点で見れば現代の方がはるかに上で、イルミネーションの技術なども進歩しましたが、娯楽の少なかった昭和30年代の方がもっと思い入れが強く、街も人も華やいでいたように思います。私にとっては銀座の交詢社でのクリスマスパーティーが待ち遠しかった頃の話です。

 それはさておき、今年はどう過ごすかそろそろ考えなくてはなりません。家内のための、クリスマスの演出を考えるのが楽しみです。月の前半は、ふたりで海外に出かけてクリスマス前の雰囲気を楽しみます。日本に帰国して23日(火・祝日)、24日(水)、25日(木)の3日間のスケジュールとプレゼントを考えなくてはなりません。23日はあるお宅でのフォーマル・パーティーに招待されているのでドレスアップして出かける事になるでしょう。24日は今まで行った事のないレストランでサプライズのディナー、25日は東京生まれで東京育ちの私共夫婦がめったに泊まる事のない都内のホテルに宿泊できればいいと思います。

 ハイライトは何と言っても24日にサプライズのプレゼントを渡す瞬間でしょう。家内の欲しい物はウインドウショッピングや普段の会話でわきまえているつもりですが、それにプラスアルファの工夫をして喜んでもらった時は本当に嬉しいものです。

 最初に書いた通り、私はクリスチャンではありませんが、人に喜びを与える事、社会に奉仕する精神をこの時期心に刻むすることにしています。家内だけでなく、私がスポンサーになっている発展途上国の子供たちにも贈り物を今から準備しようと思います。
 その際、国による宗教の違いは頭に入れておかなくてはなりません。クリスマスカードを贈る場合、アメリカ人でもユダヤ教徒はクリスマスをお祝いしないので気をつけなくてはなりません。