男性の私が、男性への贈り物について書くのは随分おこがましいとは思います。しかし男性へのプレゼントに悩む女性へ、何かのヒントになればと思い書かせていただきます。 「女性への贈り物」のブログでも書かせていただいた通り、ここから先は還暦に近い私の主観であることをお断りしておきます。40代以下の方には全く役に立たないかもしれません。
理屈っぽい話をすると女性の読者に嫌われそうなので、いきなり具体的な話にはいりましょう。まずネクタイ。これは、本心を申し上げるとやめておいた方が無難です。相手の好みがわからないと、全く見当違いのものを選ぶ可能性があります。それでもプレゼントしたいのであれば、スーツとネクタイの基本的な知識を頭に入れて買いましょう。ここではボウタイ以外の一般的なネクタイについて書いておきます。
スーツの由来は軍服です。軍服の詰め襟を崩したものが、スーツの衿に発展します。ネクタイは剣、要は戦う男の服がスーツです。西洋は決まり事を重視する文化で、どこかの国の政治家が考え出した半袖スーツなどは、もってのほかです。細かいことを言えば、日本人のビジネスマンのスーツの袖は長過ぎます。シャツが1cmほど袖からのぞいているのが、スーツとシャツの正しいバランスです。要は両袖と襟元からシャツがのぞいている形を作らなくてはなりません。
次にネクタイの柄ですが、無地かドットがフォーマルな柄です。ドットは小さければ小さいほどフォーマルの度合いが増します。インフォーマル(略礼装)なドレスコードを指定された場合は、無地かドットのネクタイを選べばまず間違いありません。 気をつけなくてはならないのは、ストライプ柄です。欧米のクラブタイのストライプ柄を、クラブ以外の人が着用するほど、滑稽なことはありません。アイビーリーグなどにも、出身者が着用するクラブタイがあります。 色はブルー系がビジネスでもフォーマルな場でも最も無難です。アメリカ人は伝統的に赤系統を好むようですが、私個人として、日本人には赤系統のネクタイはあまり似合わないように思います。 さてここまでお読みいただいた方は、ネクタイ選びが重荷になってきたのではないでしょうか。それでも、男性にビジネスで成功してほしいと思ったら、この程度は基本的な知識として知っておいていただきたいと思います。
そして最後の難関は、贈る男性側の好みです。特に柄や生地、太さは要チェックです。これは男性が女性にプレゼントを贈る場合と同じく、ウインドウショッピングでさり気なく相手の好みを知るような努力をしないとなかなか難しいと思います。以上の通り、ネクタイの贈り物は最低限の知識を踏まえた上で、ある程度相手に喜んでもらえる確信がないと、あまりおすすめできません。
ネクタイ以外について、書いておくことがあります。それは女性の考える「かわいい」というキーワードは女性が考えるほど男性に通用しないということです。もっとも草食系男子と呼ばれる世代はどう解釈するかは知りませんが、昭和一桁の父に育てられた”肉食系?”の私たち世代にとっては、かわいいは縁遠いと言っていいでしょう。従って女性が”かわいい!”と感じた物を見つけたからと言って、それが男性側が受け取った際の嬉しさには必ずしもつながらないことを知っておいて損はないと思います。
最後に男性側としては、女性からのプレゼントが自分の好みとは大きく違っていても、心から相手の女性に感謝できるだけの心構えは忘れないようにしたいものです。女性が一生懸命自分への贈り物を選んでくれたこと自体が、男性にとって最大のプレゼントではないでしょうか。