すべてにあわただしい世の中です。そんな時代だからこそ、ゆっくり落ち着いて文章を味わうことをおすすめします。初夏の夕方、窓辺で紅茶でもすすりながら、美しい文章を味わうのにおすすめな本が(『求めない』 加島祥造著)です。なんだか心がすっきりと、そして豊かになるのを感じることができるでしょう。求めることで期待通りにならずに失望したり、相手への過剰な期待から裏切られたと感じたり、現代には求めることで失うことが多々あります。
 「求めない」、何て潔く美しい響きなんでしょう。
 


『求めない』 加島祥造/小学館
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 ポルトガル語とガリシア語にサウダージ(saudade)という言葉があります。懐かしさ、憧憬、郷愁、切なさなどと訳されますが、なかなか適当な訳語がみつかりません。
    海辺で夕陽を眺めていたら、幼い日の一場面を思い出して切ない気分になるときなど、私のつたない表現力ではこの程度しかご説明できません。
 ボサノバにおける重要なキーワードとも言われていますが、確かに日本人の心にも沁み入るようなこの言葉の感覚は、ボサノバを聴いて共感する際の原点のような気がします。
 またリオを訪れたら、ひっそりとした海岸でこの感覚を呼び起こそうかと思っています。

Chega De Saudade 1959 Oamor O S/Pid
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 何故飛行機は左のドアから搭乗するのかご存知でしょうか。それは船が左舷から接岸して、左舷から乗客を乗せる慣習から決められたものだからです。翼端灯が進行方向右が緑色、左が赤なのも船の灯火の決まり事を踏襲しています。飛行機の距離系もいまだにNautical Mileすなわち海里が使われています。
 このように航空輸送の世界では、船の決まり事が巧みに敬称されて今日に至っています。機長をキャプテン、客室の責任者をチーフパーサーと呼ぶのも同じ理由です。制服の袖の線の数(機長、船長、一等海佐、大佐は4本線)も同様です。
 機体をシップ、搭乗橋をボーディングブリッジと呼ぶのも船の時代の名残です。