学生に贈る社会人100人の言葉 -15ページ目

フリーという生き方 NO.9

 どうも、学生のみなさん、こんにちは。岡山と申します。どういう風に書こうかな~っと考えたのですが、「大学生に読んでもらう社会人の生き様」とのことですので、あまり深く考えずに、アドバイスや教訓めいたものではなく、学生時代から今この瞬間までどんな風に生きてきたかをありのままに書くことにしました。何の役に立つかはわかりませんが、「こんなやつもおるんだ」くらいで読んでもらえればと思います。あと、蛇足ですが、ちょうど最近、上杉隆『ジャーナリズム崩壊』(幻冬舎新書)を読み、記事やブログというものは原則署名する、というのが世界標準だと書いてあったので(日本の新聞は匿名記事多し)、迷惑がかからない程度にありのまま載せておきます。

【自己紹介と学生時代】

 簡単に自己紹介しときます。広島県出身で性別は男、今年27歳になり、2回転職して、10か月ほど前から一人で学習塾(小1~浪人)を営み始めました。立命館大学の政策科学部(色々やる学部)卒で、在学中はなんやらかんやらやってた記憶があります。学生団体の代表っぽいことをしたり、バリ島でバカンスじゃなくて孤児院建設ボランティアに参加したり(下ネタで子供が喜ぶのは万国共通)、人材系のベンチャー企業で営業マン(成績×最後は逃げた)をしてみたり、教育情報事業の起業に携わったり(ただ居ただけ)、松下政経塾の合宿に参加してみたり(ラジオ体操しました)、大阪の高槻市でおばちゃんと意気投合して一緒に地元公民館の企画作って実行したり(これきっかけでおばちゃんの子供は立命館の政策科学部を志望めでたく入学)、修験道にハマったり(ふんどしで滝に打たれました超キモチいい!)、単車で佐渡島に行ったり(段ボールに包まれて寝ました)などなど、思い出すといろいろありましたが、楽しかった、の一言に尽きます。

【社会人1年目】

 卒業してからは京都の老舗の大手学習塾に就職。当時は理想の学校を作ることが将来の目標で、最初のステップとしてまず現場を知ることが大事だと思い、直接子どもや親と接することのできる学習塾を選びました。新規校立ち上げの教室長(教えるんじゃなくて管理業務)をいきなり任せられ、生徒ゼロからのスタートでしたが、ベンチャー企業での営業経験も活き、ぼちぼち生徒は集まり、幹部曰くそれなりに成功したようです(今思えばブランドがあって資金もなんぼでも使えたので成功して当たり前)。しかし、半年くらい経った時に、「10年後の自分が予測できてしまったこと」「やはり組織の歯車の一つでは何もできないことが理解できたこと(企業によって違うでしょうが、ここはそうでした)」「起業のチャンスが近くに転がっていたこと」により、退職を決意。

【社会人24年目】

 そして10カ月間働いたのち退職し、その後、学生時代の友人に誘われ、名古屋でベンチャー学習塾の立ち上げに参加。社長含め3人で始めたため、36524時間ほぼ仕事漬けのような日々でした。とはいえ、超激務だったものの、前職とは違って本当に知名度ゼロからのスタートだったので、そこから拡大していく過程はとても刺激的で、何事にも代えがたい経験を積めたと思います(二度と繰り返したくはありませんが)。仕事は何でもかんでもやりました。授業や保護者との面談はもちろん、教材作り、ビラ作り、広報活動(ポスティング、ビラまき、お店に置いてもらうなど)、経理、1円もお金をかけないリクルーティング活動(大学や高校の同級生、前職から同期・上司を引き抜いたり、合コンで勧誘したり)、株主総会や接待(これでも取締役だったので)など、陳腐な言葉ですががむしゃらに働いていたように思います。約3年間で3校舎まで拡大でき、社員も増え、それなりに順調に企業としても伸びていたのですが、色々とあった(書けませんが、一つ言える理由は「自由が欲しかった」)ため、2回目の退職を決めました。

【社会人5年目~現在そして今後】

 退職後どうするかはあまり深く考えておらず、適当にバイトでもしたら何とか生きてはいけるだろう、と思っていたのですが、予想外にバイトに落ちまくりました(調子に乗って履歴書の経歴に株式会社○○「取締役」とか書いたから毛嫌いされたんじゃないかと)。佐川の派遣だけかろうじて受かりましたが、到底それだけでは生活できません。そこで、ちょうど借りていたアパートが広く、部屋が余っていたので、「そうか、ここで塾をやればいいんだ。」と思いつき、早速ホワイトボードや机などの備品を購入し、ビラを作り(もちろんwordで手作り)、ポスティングを始めたら、2日後くらいに見事問い合わせがあり、これまでに培った人間力を駆使して(とにかく自信を持って対応するだけ)無事入塾してもらうことができました。それからも問い合わせが何件かあり、そこから兄弟や友人・知人が入ってくるように(感謝)。

 てな感じで計画性は全くありませんでしたが、なんとか生活に困ることはなくなり、しかも会社に勤めていた時よりも懐は暖かくなりました(塾講師は搾取されていると確信)。拘束時間は授業とたまにある面談くらいしかないので、求めていた自由も獲得できました(週休23日)。そして自分の塾なので当然、全て自分で決めることができます(休みも授業料もカリキュラムもビラの内容も全部)。しかも楽しい。単に塾といっても、工夫の余地は無限大にありますから、考えて即実行できて反応が分かる、というのも楽しいですし、何よりも自分と関わることによって、教えている生徒やその保護者の新たな道が開いていく(どの高校・大学に通うかで人生変わります)というのは、喜びそのものです。

 ちなみに社会的な位置づけは自営業者ですが、法人化すればこんな輩でも代表取締役になっちゃいます(人を雇う予定はないので、法人化するとしても節税のため)。脱線しますが、こうなると、人を肩書きだけで判断するのって本当にナンセンスだと思いますよね。学生の頃は、社長・代表取締役・役員・起業家・創業者とか聞くだけでなんか憧れというか羨望というか、そんな感じで色眼鏡を付けて人を見ていましたが、大事なのはやっぱ中身でしょう。だって仮に自分が法人化したら社長・代表取締役ですけど、ちっちゃな塾やってるだけですし(笑)。

 元に戻しますと、とりあえず今後しばらくはこんな感じで基本的に1人で塾をやっていこうと思っています。当面の目標は塾を安定させることで、より具体的に言うと、入塾希望者がこちらの定員を超え、予約待ちくらいの状態にすること。その後のプランは決めていません、というかわかりません。が、やりたいことは山のようにありますし、収入源が塾一本だとイザという時に困るので(体を壊したら終わり)、塾以外でも可処分所得を増やしていけるよう、常にアンテナを張って情報を集め、自分の価値を高める努力はしています。

【ついでに】

 自分の話だけで終わってしまって本当に良いんだろうか、とやや疑問に思いますが、100人も書くんだからまあいいか、ということにしておきます。

 最初の方にも書いたように、これを読んで何の役に立つかは分かりませんが、自分のような人生を送っている人と出会う機会、というか一情報として知る機会が大学生にはあまりないのではないかな、と思ったので、敢えてこんな風に書きました。企業に勤めるだけが人生ではないし、かといって起業するのも一つの選択肢に過ぎません。フリーに生きるのもアリってことです(アメリカではフリーランスが全体の4分の1)。

 学生時代はほんとに自由に何でも経験できる貴重な時期なので、選り好みせず、何でもかんでもやってみたらいいんじゃないかな、と思います。選択肢が増えるほど苦しくなるかもしれませんが、そのうえで自分の将来を考えてみたらどうでしょう、というのを締めのメッセージにして終わります。

ではでは学生生活めいっぱい楽しんでください。

【お勧め本】

・成毛眞『大人げない大人になれ!』ダイヤモンド社

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元マイクロソフト社長の成毛さんが書いた、人生をクリエイティブに面白く生きたい人向けの本です。読書術もかなり勉強になります。

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一番好きなジャーナリスト・作家です。大学生向けにこれを選びましたが、他にも幅広いジャンルの著書があります。ツイッターでは有名人としょっちゅう喧嘩してますが(笑)。僕は有料メルマガも購読しています。

・片野道郎『モウリーニョの流儀』河出書房新社 

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銀河系軍団レアル・マドリードを率いている超一流のサッカー監督に関する本です。おそらく世界最高峰の指導者でしょう。サッカーはとてもクリエイティブで、学ぶことはたくさんあります。いつ解任されるか分からないプレッシャーに打ち勝てる人生哲学・勝者のメンタリティは半端じゃありません。

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岡山 幸宏

y.okayama0531@gmail.com

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