学生に贈る社会人100人の言葉 -14ページ目

目的地が定まらない飛行でもいい  NO.10


正直のところ、高校ではやりたいことが固まっていなくて、

大学に進学してしまった気がする。

これで良かったのかと悩むことは今でもある。

教員になろうと決めたけれど、

教科書の内容を教えるだけの

つまらない先生になると確信した自分は、

何か他の職業を考え始める。


目標がブレブレの人生だ。


幼い頃から環境問題に興味があり、

環境のことを教えてみたいと考え始めた。

それもかなり漠然とした考えだ。

そして、利益を追求する事よりも

環境行政に携わりたくて行政職で就職。

初めて配属された部署は環境とは無縁だった。

その後めでたく希望の部署に配属された。


仕事も充実し、結婚もして、子供が生まれた。

自分の希望もあり、幸い10年以上環境部に在籍することができた。

その中で知った途上国と呼ばれる国の環境問題の現状…。

自分に現場でできる事はないかと、

青年海外協力隊に応募して一発で合格。

すでに結婚していた自分は

退職してまで参加する勇気はなかった。

当時協力隊参加について、

何の規定も無かった市役所に働きかけ、

身分を残して協力隊に参加できる休職制度を条例化してもらった。

2年間休職し、協力隊に参加。

そこそこの自信と、

そこそこの語学力を身につけ帰国し、行政に復帰した。

こんなキャリアだ。

書いている自分でもブレブレのキャリアである。

更に帰国した自分は、

環境問題に関する知見をもっと専門的に掘り下げるため、

働きながら大学院に進学したいと考えている。

社会人枠でも何でもいい。

もっと専門的な知識が必要だと感じて焦っている。

まだ自分のしたいことが定まっていないのではないか?

いや少しだけ見えてきた気もする。


今思えば、大学時代、

いかに時間を無駄にしていた事だろうか。

自分のやりたいことを本当に見つめたか?

いろんな職業と向き合ったか?

とにかくただ卒業して就職してしまった気がしてならない。

あんなに自由な時間があったのに。

自由という物はそれだけ自己責任を伴うと実感している。


目的がブレブレのキャリアそれでもいいだろう。

人生は常に現状に満足せず、進むべきだからだ。

色々な事を学べば、やりたいことが変わってくるのも仕方がない。


飛行機が離陸して、目的地に着陸するまでは、

小さなトラブルを繰り返していると想像する。

座席テレビのモニターの映りが悪いとか、

リモコンの効きが悪いとか、

寒すぎるから毛布をくれとか、

トイレが流れないとか、

食事がおいしくないとか。

それでも無事に着陸すればそれでいいではないか!


自分は今、目的地も定まらず

飛行しているようなものかもしれない。

燃料が足りなくなって、不時着するかもしれない。

でも無事に着陸できれば良いと感じている。


常に自分のやりたいことを探し目的地を探し、

日々学んでいきたいと考えている。

そこで重要なのが、理解のあるパートナーである。

やはり一人旅は寂しい。

その愛するパートナーを大切にすることも忘れてはいけない。




【自己紹介】

武田 敦岐


数学を教える人になりたくて、地元の国立大学へ。

教育実習中に教えたいことが違うと気づく。

環境問題に取り組んでみたかった。

地元の市役所に就職。

結婚して子供が生まれる。

環境行政に10年以上携わる。

環境教育という職種で協力隊へ参加。

【お薦め本】

ターシャ・テューダー

『思うとおりに歩めばいいのよ』

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ベタですが…こんなばあさんになれれば最強