学生に贈る社会人100人の言葉 -10ページ目

学生に贈る社会人100人の言葉 NO.14

私の夢は“財団を作ること”です。そう思うに至ったのは私の生まれ育った環境に
よる部分が大きいかもしれません。
私の父は私が生まれて3ヵ月後にガンで亡くなりました。以来私の母は女手一つ
で兄と私をここまで育ててくれました。朝は早く起きて家事をし、昼は仕事に出
かけ、夕方からはまた家事をする。母は“父と母”の二束の草鞋をこなし続けました。
しかし、パート収入のみでは決して楽な生活ではありませんでした。お菓子や
ジュースは家では買い与えられず、お小遣いもありませんでした。にもかかわら
ず、「自分がやりたかったけどさせてもらえなかったから」と、習字、そろば
ん、英語、水泳、エレクトーン等、多くの習い事を私にやらせました。学費は私
立でも医大でも対応できるようにと準備していました。
どうしてそれができたのか、客観的に振り返ると母の努力はもちろんですが、自
分がいかに“社会に世話になってきたか”が分かりました。
父が病床に居る間、入院保険金をもらっていました。父が亡くなったとき、死亡
保険金をもらいました。兄と私が18歳まで、遺族年金をもらっていました。私が
大学在学中、授業料は全額免除でした。そして3種類の奨学金をいただきまし
た。もうこれ以上ないくらい様々な所から支援を頂いてきました。
その中で頂いていた奨学金の一つがある財団からのものでしたが、他とは決定的
な違いがありました。それは“お金だけではない”ということでした。最初は採用
後に毎月お金を事務所まで受け取りに行くと知り、恐れ多くも「なんでそんな面
倒くさいことするのだろう……」と思いました。ところが毎月伺うたびに学業や
サークル活動の様子など気遣っていただき、1年、2年と経つにつれ、いつしか何
でも相談できる第2の家のような存在になっていました。就職先の決断も、家庭
内の事情も真っ先に相談した先はこの財団でした。
社会に対して多大な支援をもらった分、何らかの形で恩返しをしたい、そう思っ
ていた私は、自分もいつかこうした活動をしたいと強く願うようになっていきま
した。
だから私は財団を作りたいのです。一人が財団を作り、そこを巣立った卒業生の
誰かがまた財団に関わってゆく。そういった歴史の一翼を担いたいのです。


この私の夢を通して私が伝えたいメッセージは
【人に感謝すること】
です。

感謝することで謙虚になります。
感謝することで思いやりが生まれます。
感謝することで人から感謝される人になれます。
感謝することで幸せになります。

人間一番大事なのは心や感情です。どういう行動哲学、道徳観を持って生きるか
が非常に重要で、それらを磨く方法は、様々なことに感謝するということだと
思っています。


以下、その他伝えたいメッセージを箇条書きにします。

■熱いハートを持つこと…魂をむきだしにして本気で願って本気で努力すればかな
りの夢は実現可能。
■無茶をすること…無茶をした末に見える世界がある。社会人は無茶できなくな
る。全力で生きてみるべき。
■過去の経験を振り返ること…自分が何を目指すのか、何があれば幸せなのか、そ
のヒントは自分の過去の経験にある。
■自分の心に素直になること…この感情を持ったのはなぜなのか、何が自分を突き
動かすのか、そういった感性を認めることが非常に重要。
■枠にとらわれないこと…たとえば理系だから大学院進学、研究職へ就職といった
固定観念は捨てるべき。世の中けっこう型破りな人間が支えているものだ。
■真の友達を持つこと…人数ではなく、何でも本気で相談できる友達を1人か2人で
いいから持つべき。
■バランス感覚を持つこと…全力疾走しすぎて休憩を忘れてはいけない。人を疑い
すぎてもいけないし過信してもいけない。
■苦労すること…人生はらせん階段、本当に登っているのか疑うような階段でも苦
労して登り終えるとまったく違う景色が見える。


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以上、参考になれば幸いです。


自己紹介
1984年生まれ、栃木の公立高校から東京大学に入学、工学部システム創成学科卒業。
サークルは100人を超える合唱団、バイトは築地や選挙、個別指導など5つをする。
大学2年時にビジネスコンテストに参加、意欲の高い仲間達と出会いビジネスに
目覚める。
大手証券会社に入社、支店にて現場の営業経験を積み本社に異動、現在上場企業
に営業する部署に所属。
社会人2年目に不動産投資をスタート、同じ年にもう一棟購入。現在保有する物
件の価値は約7500万円。株式や投資信託での運用も継続中。