2017年のミステリランキングを席巻した、今村昌弘さんのデビュー作「屍人荘の殺人」のシリーズ第2作。 2019年の作品です。

 

ただ、ミステリランキング3冠ということで「容疑者Xの献身」クラスを期待して読んだためか、そこまでの傑作だとは思えませんでした。 面白かったですけどね。

 

同じ〇〇〇テーマのミステリとしても、山口雅也さんの「生ける屍の死」のほうが奥行きがあったように感じました。

 

そんなことで続編はしばらく読まずにいたのですが、シリーズ第3作も出ているし、遅まきながら読んでみることにしました。

 

「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」人里離れた施設に暮らし、予言者と恐れられる老女は、その日訪ねた葉村譲と剣崎比留子ら九人に告げた。 直後、彼らと外界を結ぶ唯一の橋が燃え落ちて脱出不可能に。

 

予言通りに一人が命を落とし、さらに客の女子高生が予知能力者と判明して慄然とする葉村たち。 残り48時間、死の予言は成就するのか。 ミステリ界を席捲したシリーズ第2弾! (BOOKデータベースより)

 

前作の事件の黒幕と言うべき”斑目機関”を探るため、以前その研究施設があったという辺境の村を訪ねた葉村譲と剣崎比留子ですが、例によってクローズサークルでの連続殺人に遭遇します。

 

前作は〇〇〇によるクローズドサークルという、とんでもない特殊設定でしたが、今回は、未来を見通す予言者が二人登場し、予言通りに人が死んでいくのです。

 

これもまた一種の特殊設定なのでしょう。

 

「あと二日のうちに、男女が二人ずつ、四人死ぬ」という予言に、男女11人のクローズドサークルという要素が加わることで起きた連続殺人。

 

予言がどのように連続殺人に作用したか? 終盤での謎解きはロジカルで、これぞ本格ミステリと言えるものでした。

 

期待値がそれほど高くなかったせいか、私は前作より本作の方が面白かったです。 葉村&比留子のやりとりもコミカルで読みやすいので、近いうちに3作目も読みたいですね。