中学生作家・鈴木るりかさんの「さよなら、田中さん」「太陽はひとりぼっち」に続くシリーズ3作目。 本作は16歳(高校二年)で執筆したそうです。

 

★遠くへ行きたい
田中花実は、中学2年生になった。 前作『太陽はひとりぼっち』からのバディ、佐知子とは相変わらず仲良し。ある日、二人は少女と出会う。 よかれと思って少女のために行動した二人だが、思わぬところから、深い社会問題に踏み込んでしまう結果に。

 

★私を月に連れてって
デビュー作『さよなら、田中さん』、前作『太陽はひとりぼっち』でも、常に名脇役として登場する2階の住人・賢人が主役の物語。 相変わらずむさ苦しく、世捨て人となっている賢人がある日突然恋に落ちる。 そのお相手とは……?

 

★夜を越えて
今作の『遠くへ行きたい』を受けて誕生した作品。授業の一環、職場体験で出会った「ぶーさん」。彼女は、花実のお母さん・真千子の昔を知る人物だった。実の娘の花実にすら一切を語らない、真千子の壮絶な過去の一端が紐解かれる。

                       (BOOKデータベースより)

 

シリーズ3作目にして、もう安定の面白さと言ってよいでしょう。

 

「遠くへ行きたい」では 母・真千子と大家さんの昭和感漂うギャグの応酬に笑い、「私を月に連れてって」ではニートの賢人が恋に落ちた相手の意外な正体に驚き、「夜を越えて」では真千子の過酷な過去が徐々に明らかになって来て慄きました。

 

シリーズ1作目を読んだ時は、中学生作家の小説と言う興味本位。 正直おっかなびっくり読んだのですが、今となっては完全に私の中で「最も次が読みたいシリーズ」の1つになりました。 お勧めです。

 

↓おまけ(「私を月に連れてって」に登場する『フライミートゥザムーン』)