先日読んだ「さよなら、田中さん」は、中学生作家という宣伝文句は必要ないほど素晴らしい作品でした。

 

この感動が色濃いうちにと、シリーズ第2作を読むことにしました。

 

デビュー作として異例の10万部を超える大ヒット『さよなら、田中さん』の田中母娘が帰ってきました。 単なる「続編」とはせず、ひとつの新しい文芸作品として意欲的に取り組んだ一作。 前作で強い印象を残した登場人物達がさらに謎とドラマ、嵐を呼ぶ!! (BOOKデータベースより)

 

『太陽はひとりぼっち』、『神様ヘルプ』、『オーマイブラザー』という3編の連作短編集でした。

 

前作では小学6年生だった主人公の田中花実は、中学校に入学します。

 

表題作『太陽はひとりぼっち』では、中学で出来た友達・佐知子の境遇が切ない。 田中家とは真逆の裕福な家庭ですが、佐知子の居場所は無いというのです。 また、大家さんの息子・賢人がニートになった原因が明らかになり、さらには死んだと聞かされていた花実の祖母が突然現れます。

 

『神様ヘルプ』は花実の同級生だった三上信也の物語。 前作の最終話で、母親に山梨の山奥にあるミッションスクールに入学させられた信也のその後が描かれます。

 

『オーマイブラザー』は大学4年の時に失踪した兄を追い求める物語。 これは誰の話かな?と思って読んでいたらやがてわかりました。 ネタバレになるので言いませんが(^^;)

 

前作で謎だった部分がいくつか明らかになり、新しい登場人物も加わって、花実母娘を取り巻く世界がさらに広がりましたね。 それぞれに安易な解決がなされていないので、さらに続きが読みたくなります。

 

鈴木るりかさんの文章は、相変わらずテンポがあって瑞々しく読みやすい!

 

次は第3作「私を月に連れてって」を読もうと思います。