俳句④「俳句手帳から」…春(3) | 獏井獏山のブログ

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  「春」(101150句)

・小堤を 隔て二川 水温む

・古川に 添える古道 木々は芽に

・片照りの 木々の葉光る 春の雨

・山峡の 土粗削り 春陽降る

・灯影の 四条五条や 春の海

・春潮の 打ち寄る岩に 鳶たむろ

・洗濯女 東風吹く岸の 磴下る

・船行かば 春山を背に 水の藍

・釣り舟の 進み止まざる 春の凪ぎ

・春雷に 耳を澄ますや 夜のしじま

・寄合の 先に辞す夜や 春の雷

・片言の 吾子と夜更ける 春の雷

・賽すれば 鈴の呼応か 花の風

・花の宮 歩に歩を譲る 鳩の群
・参道に 出でて宮司も 桜見る

・城仰ぐ 花浴び 琴の 音を浴びて

・航を欠く 蘇洞門に 春の波荒し

・春風を 纏い馴染の 客来たる

・釣上げし 鱗光に且つ 風光る

・溝塞ぐ 鉄板響き 春霰

・駅を出でて 白き桜に 遇いにけり

・駅を出でて 右を向くなり 夕桜

・吹かれ蝶 改良終えし 田の続く

・木蓮や 去りつつ来つつ 虫飛べる

・片言の 子が指さすや 犬ふぐり

・遊ぶ子を 呼ぶ声戸々に 風車

・瓦礫の間に 犬ふぐり咲き 敷地なる

・春の蝶 天より降り 来たりけり

・春昼や 団地舗道は 群雀

・図書館の 窓打つ嵐 花も打つ

・大玻璃戸 尽くす紺碧 虻過る

・消すことも なく テレビ見る 春の雨

・一片の 花びら床に 事務所なる

・書を閉じし 耳に再び 春の雨

・花びらが 路地の側溝 埋め尽くし

・街中の 路地のここにも 花の屑

・パンジー咲く 道に酔い痴れ パン齧る

・斯く広く 白き田水に 山の影

・呆けいて モク吸う傍に 眠る吾子

・プロックに 添いて真緑 蕗の薹

・チューリップ 吹きつぐ風に 直立す

・往復の 間に落下せる チューリップ

・チューリップ 花型変えず どっと落つ

・落下せる チューリップ  林立す

・新築の 造り半ばや 桜餅

・陸橋渡る 冷たき春の 雨の中

・春霰 直後の風に 野草伏す

・塀の上の 杉の木芽吹く 悉く

・生うるまま 雑木の谷や 朝櫻

・ひらひらと 双葉靡くや 花蘇芳