詩①~④ | 獏井獏山のブログ

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詩①「ロボット」

たしかに、仔馬のような足取りで その時 僕は

その「金塊」に向って突っ走りすぎたのだ

手応えのある遠くのそれに 心を奪われたのは確かだ

しまった、と思ったがもう遅い!

ガチャンと音がしたかと思うと

僕は溶鉱炉のドロドロの鉄溶の中で

私が身の魂も 諸に溶けてしまっていたのだ


     詩②「カメレオン」

赤になったり青になったり 時には紫になったりする人間は

何と美しく見えるのだろう

四方八方に美しい光を放つ大理石のようだ……

緑色に近付けば身を緑にし

強きに交われば強く見せ 

弱きに近寄れば弱者の狡さを持ち……

いたる所で自分の衣装を素早く着替えるカメレオンだ

だが1月も経ってみろ 彼の皮は剥げてしまうだろう

湖水の中に突き落とされて湖底へ沈む時 

もうカチカチの錆びた鉄塊なのだ


詩③「近代人」

ニューデザインの服を着た人間がたくさん歩いていた

彼等はみんな 黒土から生まれた猿の祖先のような顔をしていた

 

 詩④「正月」

餅を搗く音をせわしく聞きながら

私は村の端を何の当てもなく歩いていた

風が野の向こうからやって来て私の心を動かした

「もうすぐ正月だ 正月が来れば僕の心のこの憂鬱症も治るだろう」と

私の心もやっぱり正月が嬉しいのだ

正月の来るのを心待ちに待ち続けているのだ…小さい子供のように