詩①「ロボット」
たしかに、仔馬のような足取りで その時 僕は
その「金塊」に向って突っ走りすぎたのだ
手応えのある遠くのそれに 心を奪われたのは確かだ
しまった、と思ったがもう遅い!
ガチャンと音がしたかと思うと
僕は溶鉱炉のドロドロの鉄溶の中で
私が身の魂も 諸に溶けてしまっていたのだ
詩②「カメレオン」
赤になったり青になったり 時には紫になったりする人間は
何と美しく見えるのだろう
四方八方に美しい光を放つ大理石のようだ……
緑色に近付けば身を緑にし
強きに交われば強く見せ
弱きに近寄れば弱者の狡さを持ち……
いたる所で自分の衣装を素早く着替えるカメレオンだ
だが1と月も経ってみろ 彼の皮は剥げてしまうだろう
湖水の中に突き落とされて湖底へ沈む時
もうカチカチの錆びた鉄塊なのだ
詩③「近代人」
ニューデザインの服を着た人間がたくさん歩いていた
彼等はみんな 黒土から生まれた猿の祖先のような顔をしていた
詩④「正月」
餅を搗く音をせわしく聞きながら
私は村の端を何の当てもなく歩いていた
風が野の向こうからやって来て私の心を動かした
「もうすぐ正月だ 正月が来れば僕の心のこの憂鬱症も治るだろう」と
私の心もやっぱり正月が嬉しいのだ
正月の来るのを心待ちに待ち続けているのだ…小さい子供のように