ハチ科ハチ稚魚:スケッチの際の大きな胸鰭の扱いについて | ウッカリカサゴのブログ

ウッカリカサゴのブログ

日本産魚類の仔稚魚のスケッチや標本写真、分類・同定等に関する文献情報、
趣味の沖釣り・油画などについての雑録です。

カサゴ目ハチ科 Apistidae は3属3種で構成され、インド洋と西太平洋に分布する。
日本産種は1属1種、ハチ属ハチ Apistus carinatus のみ。

さて、千葉県いすみ市の漁港内で9月に採集された10.9 mm SLの稚魚(小嶋原図)。
 

                                         
胸鰭が大きく、黒色素胞がほぼ全面に一様に分布しているため、スケッチをする際、そのまま描くと体側の紋様(縦縞)や背鰭・臀鰭の棘条や、肛門の位置が隠れてしまう。

つまり、重要な形態的情報が表現できないのである。
そこで、胸鰭を切り取り、別個にスケッチをした。

                                       

フサカサゴ科のミノカサゴ亜科やイソカサゴ属など、胸鰭の大きい仔稚魚のスケッチをする際には、こうせざるをえない。

参照
■ミノカサゴ類の仔稚魚の総説がやっと出た(Ditty ら、2024)
2024-04-30 
https://ameblo.jp/husakasago/entry-12850335207.html

■ヒメヤマノカミとキリンミノの稚魚スケッチ(胸鰭の合成)
2017-04-29
https://ameblo.jp/husakasago/entry-12269958942.html

 

■シマガツオ仔魚 8.4cmm SL (日本産稚魚図鑑 p.809, 木下原図)