これまで人類が目にした中で最も遠くにある銀河をとらえた、ハッブル宇宙望遠鏡 |   心のサプリ (絵のある生活) 

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これまで人類が目にした中で最も遠くにある銀河をとらえた、ハッブル宇宙望遠鏡の「エクストリーム・ディープ・フィールド」画像が公開された。Brian Handwerk for National Geographic News  心のサプリ (本のある生活) 


 素晴らしい画像で知られるハッブル宇宙望遠鏡が、今回も驚くべき光景を見せてくれた。地球からこれまでで最も遠く離れた宇宙の姿だ。距離的に最も遠いということは、時間的にも最も遠いことを意味する。

 遠い宇宙の光が地球に到達するには時間がかかるため、例えばわれわれが10億光年離れた恒星を見るとき、実際には10億年前の宇宙の姿を垣間見ていることになる。

 そのような時間を超越しているのが、9月25日に公開されたハッブルの「エクストリーム・ディープ・フィールド」(eXtreme Deep Field:XDF)画像だ。宇宙の狭い領域を、さまざまな距離でとらえた画像を合成したもので、137億年前のビッグバンからわずか4億5000万年後に生まれた初期の銀河が、地球により近く、より発達した銀河と並んでいるように見える。

「宇宙をこれまでで最も奥深くまで撮影した」このXDF画像は、「これまで人類が目にした中で最も暗く、最も遠い銀河」の姿をとらえていると、ハッブルのプログラムに携わるカリフォルニア大学サンタクルーズ校(UCSC)の天文学者ガース・イリングワース(Garth Illingworth)氏は声明の中で述べている。

 画像の鮮明さも史上最高レベルだ。「これは美しい」と、アメリカのシカゴにあるアドラープラネタリウムの天文学者ゲザ・ギュク(Geza Gyuk)氏は言う。「驚くほど細部までとらえていて、しかも時間的にこれほどさかのぼって見られるのが素晴らしい。たった1枚の画像で、宇宙の歴史の大部分を見ることができる」。

◆ハッブルが見せる錯覚

 宇宙を史上最も深くまでとらえたこの画像は、NASAのチームが南天にある「ろ座」の同一領域を写した画像2000枚余りを組み合わせて作成した。

 これらの画像は、紫外線、可視光、近赤外線波長の光を観測するハッブルのカメラ2台が10年以上にわたって撮影したものだ。総露光時間は200万秒(23日)に及ぶ。

 合成画像には、われわれの天の川銀河のような渦巻銀河から、太古の銀河衝突の残骸で、もはや新しい恒星を生まない淡い赤色の巨大銀河まで、合計約5500個の銀河が写っている。ハッブルを使わないと、最も暗い銀河は100億倍明るくしないと肉眼では見えない。

 このハッブル画像それ自体は特別なものだが、そこに写っている領域は特別には程遠い存在だとギュク氏は言う。「おそらく宇宙ではかなり平均的な領域だ。天空のほんのわずかな領域だが、奥深くまでとらえたために、そこに見えるものが非常に膨大な量になった」。

「さらには、時間をある意味で超越しているため、見た人は驚くほど豊かな印象を受けるだろう。しかし、これはちょっとした錯覚だ。実際にはこれらの銀河は数十億光年の距離にわたって広がっているのであって、宇宙はこれほど混雑してはいない」。