車の会社の赤字が今新聞紙上をにぎわせているが、そもそも、車とはなんなんだろうか。
ワットが発明した蒸気機関が、その4年後には車の祖先みたいなものになっている。
人類に必須のものやことに対しての、車の生産ならば、私はおおいに賛成である。
しかしながら。
排気ガスをまき散らかし、個人が自分のためだけの満足のために車が生産されるようになってからは、良くも悪くも車の生産台数は爆発的に増えたのだと思う。
そりゃうそうだろう。目的地に一番安く早くそしてこまわりが効いて、自室の快楽---音楽、タバコ、テレビ、はては茶まで・---それらが味わえるままに、到着できるのだから。
しかも、横にすわっている、こぎれいなる彼女からは、「運転がうまいのね」ぐらいのほめ言葉をいただきながら。
へそまがりの私は、高校生の時に鉄腕アトムを見て、排気ガスを撒き散らす車だけには乗らないときめた。
それ以来、就職があるので、免許はとり運転もできるようにはしてあるが、乗らない。
まったく乗らない。
そして、昨年度、つい免許を流してしまった。しかし、ある意味でそれでいいやと思った。
かわりに、足腰が強くなったし、どこへでも歩きでテクテクいくのが好きである。
過去つきあった女性からはその運転をしないことだけは、文句をたらたら言われたが、気にしない。
効率だけを追いかける人生なんてまっぴら。
今の会社でも、無駄の大切さをときまくる。
トヨタがよくムリ・ムダ・を省けと言う。
昔から、この言葉はあまり好きではなくて、自分の会社でもよく言う上司を見かけたが、尊敬はできなかったし、自分とは違うタイプだと理解してつきあったきた。
トヨタは、そして、立派に最後の最後まで、そのムダを人員削減として省くことで自分の信念をつらぬいた。
ムリ・ムダ・の削減につとめてきた底辺の人々はその会社理念によって、削減されたのである。
まったく日本人は人がよすぎる。
これからの未来企業は、そこらあたりが分かれ道になってくるだろうと思う。
つまり、芸術と宗教と美がなければ、会社の社長をやっていけない時代がはやくくればいいと思う。