「嫌われ者の栄光」 三島由起夫 |   心のサプリ (絵のある生活) 

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画家KIYOTOの病的記録・備忘録ブログ
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2008.1.15
先日、知り合いの三島由紀夫好きな女性と、神田の古本屋をめぐり、植草甚一さんがよく行っていた「サボール」にて、名物のトマトスパゲッティを食べ植草さんが飲んでいたであろう珈琲を飲み、帰りにお目当ての山口書店に行ってきた。

横尾忠則と三島由紀夫の専門店なのでとにかく圧倒された質と量である。

サイン入りの三島の貴重な本がやまとつまれてあった。

ヨダレを流しながら、見て回り、何も買わずに二人で帰った。
横尾さんも澁澤さんも三島さんのために描いていた、三島さんに褒められるために作品を書いていた。
澁澤さんなどは、三島さんがいなくなった時に目標を失ったような喪失感に触れていた。
目的・目標などというと、どこかの営業会社の手あかにまみれた嫌らしい言葉のように受け取る人もいるが、私はそうは思わない。

皆、年寄りも、立派な中年も、女優も、漫才師も、職人も、だれであっても、「誰かのために働き目標を持っていて生きている」人の方が、幸福なのだ。

心理学者の斉藤氏は、「山のぼりでも頂上を目指している時よりも、登頂に成功してその山から降りてくるときに事故も多い」  だから、人のこころも、「目的を失った時にこそ、おりるときにこそ、精神障害が出る傾向がある。」と述べていた。

○下記は私のブックマークにある神田山口書店の三島のそれらの値段である。
私も値段と三島の価値はまったく関係ないと思うが、見ていて、一度でいいから三島さんと言葉をかわしたかったと思うのである。

彼は「成熟」をまったくめざさなかった。彼がもしもあのまま年をとって経験を積み修羅場をくぐって谷崎みたいな小説を書いてもらいたかった、そんな気持ちもある。着物をまとい髪をのばして京都の街で見かけたかった、そんな気持ちもある。

しかしながら。

三島はゴルフ三昧のサラリーマン文学者が多い文壇を馬鹿にしていた。
常に緊張感を持って生きていた人である。
だからユーモアのセンスがないとか、大衆の気持ちがわからないとかいう批判もある。
ただ、彼はいつも「文壇の作家はくさい。頭でっかちだ、俺は職人が好きだ。」
これが彼の口癖だ。小林秀雄も鎌倉の街で文壇を嫌い、大工さんとか話をすることを好んだ人である。

そして、「嫌われ者の栄光」を常に標榜していた彼は、ぬるま湯と偽善の世の中の永遠の警告者である。

しかも美という武器を使って。




○三島由紀夫文学館
(増補新版) 私家版(書物・舞台・行動の河)
原色刷・H10・11冊 \315,000
豊饒の海四部作 三島 由紀夫 新潮社・S44・初版・署名入
豊饒の海四部作 三島 由紀夫 新潮社・S44・初版 \24,150
潮騒 三島 由紀夫 新潮社・S29・初版・署名入 \105,000
潮騒 三島 由紀夫 新潮社・S29・初版 \10,500
美の襲撃 三島 由紀夫 講談社・S36・初版・署名入 \105,000
美の襲撃 三島 由紀夫 講談社・S36・初版 \21,000
アポロの杯 三島 由紀夫 朝日新聞社・S27・初版・署名入 \105,000
美徳のよろめき 三島 由紀夫 講談社・S32・初版・署名入 \105,000
美徳のよろめき 三島 由紀夫 講談社・S32・初版 \10,500
花ざかりの森 三島 由紀夫 七丈書院・S19・初版・カバー欠 \210,000
禁色・秘薬 三島 由紀夫 新潮社・S26・初版・2冊 \31,500
聖女 三島 由紀夫 目黒書店・S29・初版・2冊(白表紙共) \31,500
恋の都 三島 由紀夫 新潮社・S29・初版 \21,000
現代小説は古典たり得るか 三島 由紀夫 新潮社・S32・初版 \10,500
鍵のかかる部屋 三島 由紀夫 新潮社・S29・初版 \10,500
若人よ蘇れ 三島 由紀夫 新潮社・S29・初版 \10,500
女神 三島 由紀夫 文藝春秋新社・S30 \3,675
若い人々のための文学論 三島 由紀夫 亀井 勝一郎編要書房・S30・初版 \10,500
沈める滝 三島 由紀夫 中央公論社・S30・初版 \10,500
幸福号出帆 三島 由紀夫 新潮社・S31・初版 \10,500
近代能楽集 三島 由紀夫 新潮社・S31・初版・函欠 \10,500
亀は兎に追ひつくか 三島 由紀夫 村山書店・S31・初版 \10,500
橋づくし 三島 由紀夫 文藝春秋新社・S3・初版・函 \10,500
旅の絵本 三島 由紀夫 講談社・S33・初版・函 \10,500
薔薇と海賊 三島 由紀夫 新潮社・S33・初版・函 \10,500
不道徳教育講座(正・続) 三島 由紀夫 中央公論社・S34・35・初版・2冊 \10,500
文章読本 三島 由紀夫 中央公論社・S34・初版・函 \10,500
鏡子の家(1・2部) 三島 由紀夫 新潮社・S34・初版・函・帯2冊 \15,750
裸体と衣裳 三島 由紀夫 新潮社・S34・初版 \21,000
宴のあと 三島 由紀夫 新潮社・S35・初版・函・カバー・帯 \10,500
お嬢さん 三島 由紀夫 講談社・S35・初版・函 \10,500
スタア 三島 由紀夫 新潮社・S36・初版・函 \10,500
獣の戯れ 三島 由紀夫 新潮社・S36・初版 \10,500
美しい星 三島 由紀夫 新潮社・S37・初版 \10,500
愛の疾走 三島 由紀夫 講談社・S38・初版・函 \10,500
午後の曳航 三島 由紀夫 講談社・S38・初版・カバー・帯 \10,500
日本童話劇(上・下 ) 三島 由紀夫 誠文堂新光社・S26・初版 \105,000
肉体の学校 三島 由紀夫 集英社・S39・初版・カバー \10,500
蘭陵王 三島 由紀夫 新潮社・S46・初版・函・帯 \10.500
音楽 三島 由紀夫 中央公論社・S40・初版・カバー・帯 \5.250
私の遍歴時代 三島 由紀夫 講談社・S39・初版・函※ヤケあり \4.200
幸福號出帆 三島 由紀夫 桃源社・S39・函※本作の最初の出版はS31新潮社より \12,600